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最終章 そして戦士達は人類の未来のための戦いに挑む

第二十四話 神殺し、再び(31)

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 その血煙と共に光の嵐が駆け抜け、立ち並ぶ木々に爪痕を残していく。
 しかしその時、デュランの後頭部を狙って頭上から襲い掛かる一つの影があった。
 光が影の姿を照らし、右手にある大盾を叩きつけようとしている敵の姿が明らかになる。
 が、光が照らし出した影はその一つだけでは無かった。
 地の上を滑るように走り込んでいたアルフレッドの姿が真下にあった。
 直後、地を蹴る音と共にアルフレッドは真上に跳躍。
 この迎撃に敵は反応していた。
 振り上げていた大盾を正面に構え直す。
 ほぼ同時にアルフレッドの二刀が十字を描く。
 目の前で展開された光の濁流が大盾とぶつかり合う。
 軋み削るような金属音と共に大量の火花を散らしながら二人は交錯。
 敵は無傷。
 だが、

「……っ」
 
 防御によって崩れた姿勢はどうにもならなかった。
 真後ろに降りてきたその敵に向かって、デュランが振り返りながら大剣を一閃。
 今度は防御は間に合わなかった。
 一閃と共に放たれた三日月が敵の体を両断し、血煙を残していく。
 直後、

「!」

 アルフレッドは着地しながら感じ取った。
 大技の気配。
 その気配の方向に視線を向けると、そこには翼を広げたヨグ=ソトースの姿があった。
 翼は明らかに前よりも大きくなっていた。
 その大きくなった翼に隙間無く顔が並んでいる。
 まるで前方に顔の壁があるかのよう。
 そして顔は一斉に飛び出した。
 群れとなり、立ちふさがる精霊を食い散らかしながらアルフレッド達に迫る。
 まるで津波のよう。
 デュランさんと自分だけでは対処できない、そんな確信がアルフレッドの中にはあった。
 しかしそれを意識する必要は無かった。
 なぜなら、迫る津波と同等の規模のものが後方から近づいてくるのを既に感じ取っていたからだ。
 間も無くそれはアルフレッド達の真横を後ろから通り過ぎていった。
 それはムカデの群れ。
 人魂の群れとムカデの群れ、二つの津波がアルフレッド達の前方でぶつかり合う。
 いや、それはぶつかり合いというよりはからみ合っているようであった。
 それぞれが小さな渦を作るようにからみ合い、溶け合うように互いを食い合う。
 どちらが有利なのかわからぬ混沌とした混ざり合い。
 ゆえにダメ押しの一手が直後に入った。
 アルフレッド達の頭上か巨大ドラゴンが顔をのぞかせ、ブレスでなぎ払う。
 見上げると、巨大ドラゴンと胴体にナチャが合体していた。
 ドラゴンの腹部に巨大な蜘蛛がくっついたような形。
 クモの口からは糸のかわりにムカデが吐き出され続けている。
 それと同じムカデを全身に巻き付けた姿で、ルイスは場に現れた。
 そしてルイスは大きく叫んだ。

「状況は我々のほうに傾き始めている! この流れを敵に止めさせるな!」
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