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最終章 そして戦士達は人類の未来のための戦いに挑む

第二十四話 神殺し、再び(30)

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   ◆◆◆

 紫色の爆炎と魑魅魍魎が飛び交う最前列。
 その恐怖の場にフレディ達は駆け込んだ。
 駆けつけると同時に一斉射撃を開始。
 アルフレッドなどはその銃声が味方のものであることがわかっていたが、感知の鈍い者達は驚きの声を上げた。

「銃声?! 真後ろから!?」
「味方だよな!?」

 その疑問に答えるようにフレディは叫んだ。

「いま木の上に味方はいない! 識別無しに撃ちまくれ!」

 そう叫んだ直後、フレディはアルフレッドに向かって心の声を響かせた。

(敵と味方の正確な位置情報をくれ!)

 そこら中で光の魔力を蓄えた精霊が駆けまわっているため、森の中は薄く照らされている。視界は悪くない。
 あとは位置さえわかれば銃撃で一気に制圧できる、そんな思いがアルフレッドに伝わってきた。
 だからアルフレッドはデュランに向かって口を開いた。

「デュランさん、魔力と魂を少しわけてください!!」

 デュランはその声に即座に応えた。
 威嚇するように四方八方に広がっている髪の毛の一部が、アルフレッドのほうに伸びる。
 差し伸べられたそれをアルフレッドは両手で包み込むように受け取った。
 両手の中で輝きが増し、光があふれる。
 間も無く、その両手の中から同じ輝きを持った蝶が大量に飛び出し始めた。
 散開し、四方八方に散らばる。
 その蝶は索敵する照明であった。
 葉の茂みを魔力の光で照らしながら、敵の位置を銃兵達に送信する。
 これに、銃兵達は声を上げた。

「こいつはいい! 敵が丸見えだ!」
「見るまでも無い! 探さなくても敵の位置がわかるぞ!」

 声と共に銃声が次々と響き、木の上にいる敵が撃ち落とされていく。
 状況が不利になった、その事実を察した敵の大盾兵達が木の上から飛び降り始める。
 しかしその動きは読めていた。
 下で待ち構えていたデュランが大剣を一閃。
 回避行動の取りようが無い落下中になすすべも無く両断される。
 そして降り注いだ赤い雨を浴びながら、デュランはさらに地を蹴り直し、武骨な刃を切り返した。
 地面に着地したばかりの別の敵に向かって切り返した刃を振るう。
 着地の硬直には間に合わなかった。刃が届く前に敵は後方に地を蹴った、
 しかしその回避行動には何の意味も無かった。
 大剣から魔力が放たれ、三日月型の飛び道具となって迫る。
 大盾で受けるがその防御にも意味は無かった。
 巨大な銀色の三日月が大盾を弾き飛ばす。
 大盾とぶつかり合った衝撃によって三日月は砕け、うねり狂う銀色の蛇の群れと化す。
 蛇は次々と敵の生身に牙を立て、真っ赤に染めた。
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