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最終章 そして戦士達は人類の未来のための戦いに挑む
第二十四話 神殺し、再び(28)
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半分ほどの長さになっている。
前は完全に身長よりも長かったが、今は下ろせば地面に届くか否かというところ。
予想していたよりも魂の密度が薄い。
しかしそれは考えてみれば仕方の無い、いや、この状況では当然のことだろうとアルフレッドはすぐに納得した。
ここに飛び出してくるまでは精霊の展開を絶え間なくやっていたはずだからだ。
そもそも、ここにデュランさんが来てくれるとは思っていなかった。絶対にルイスさんに止められると思っていた。
最初に提案された防御寄りな作戦とは真逆の戦い方だからだ。
ルイスさんもまだ迷っているのかもしれない。
接近戦で戦場を荒らして時間を稼ぐ、その作戦にどこまで賭けるべきか悩んでいるのだろう。
正直、状況は良くない。
敵の大盾兵は接近戦にも対応できるように作られていた。どいつもこいつもかなり動ける。
対し、こちら側からまともに仕掛けられるのは自分とデュランさんだけ。
「……っ」
思わず、アルフレッドの表情は少し曇ってしまった。
敵の主力である大神官さえ崩せば一気に逆転できる可能性があるが、今のままでは厳しい。
せめて何か強力な援護があれば――アルフレッドはそう願った。
◆◆◆
フレディは他の銃兵達と共にアルフレッドの後方から援護射撃を行っていた。
「……」
しかし引き金にかけられた指は重く、あまり動かなくなっていた。
狙いはずっとつけている。
だが、照準の先にあるものは敵の大盾だけだ。
狙えるものがそれしか無い。
見回しても、他にあるのは味方の背中と木だけだ。
それらの隙間から見えるのは敵の大盾だけ。
大盾兵の後ろにいるであろう敵の魔法使いや精霊使いは顔すら出さない。
狙えるものがそれしか無いからしょうがなく引き金を引く。
銃声が響き、当然のように大盾に止められる。
しばらく前からこんなことしかできていない。
けん制にすらなっていない、その苛立ちをフレディは正直に声に出した。
「くそ、ここからじゃ駄目だ! 木が多すぎて何も狙えねえ!」
ならばどうするのか、それをフレディは続けて叫んだ。
「俺達も前に出るぞ!」
「「「!?」」」
その指示に仲間の銃兵達は驚いて即答できなかった。
唯一返ってきた声は、
「正気か?!」
フレディの精神を疑う言葉だけであった。
狙撃が本来の仕事なのだから無理も無い。
しかし今は前に出なければならない、その理由をフレディは声に出した。
「木の上に敵がいるせいでアルフレッド達が上手く動けなくなっちまってる! そいつらを下から撃ち落とす!」
それはもっともな理由であったが、
「「「……」」」
部下達は声を返すことができなかった。
が、フレディは、
「俺は一人でも行くぞ。前で踏ん張っている大盾持ちを見殺しにするようなことはしたくねえ。あいつらのために出来るかもしれないことはやってやりたいからな」
そう言って一人で走り出そうとした。
そんなフレディに対して一人の銃兵が口を開いた。
それは先ほどフレディの正気を疑った者であった。
「……しょうがねえな! 付き合うよ! だが、囲まれそうになったらすぐ逃げる、それでいいな?」
その声には少し恐怖の色が滲んでいたが、フレディにはそれでも十分頼もしかった。
だからフレディはありがたく言葉を返した。
「ああ、十分だ! それでかまわない!」
前は完全に身長よりも長かったが、今は下ろせば地面に届くか否かというところ。
予想していたよりも魂の密度が薄い。
しかしそれは考えてみれば仕方の無い、いや、この状況では当然のことだろうとアルフレッドはすぐに納得した。
ここに飛び出してくるまでは精霊の展開を絶え間なくやっていたはずだからだ。
そもそも、ここにデュランさんが来てくれるとは思っていなかった。絶対にルイスさんに止められると思っていた。
最初に提案された防御寄りな作戦とは真逆の戦い方だからだ。
ルイスさんもまだ迷っているのかもしれない。
接近戦で戦場を荒らして時間を稼ぐ、その作戦にどこまで賭けるべきか悩んでいるのだろう。
正直、状況は良くない。
敵の大盾兵は接近戦にも対応できるように作られていた。どいつもこいつもかなり動ける。
対し、こちら側からまともに仕掛けられるのは自分とデュランさんだけ。
「……っ」
思わず、アルフレッドの表情は少し曇ってしまった。
敵の主力である大神官さえ崩せば一気に逆転できる可能性があるが、今のままでは厳しい。
せめて何か強力な援護があれば――アルフレッドはそう願った。
◆◆◆
フレディは他の銃兵達と共にアルフレッドの後方から援護射撃を行っていた。
「……」
しかし引き金にかけられた指は重く、あまり動かなくなっていた。
狙いはずっとつけている。
だが、照準の先にあるものは敵の大盾だけだ。
狙えるものがそれしか無い。
見回しても、他にあるのは味方の背中と木だけだ。
それらの隙間から見えるのは敵の大盾だけ。
大盾兵の後ろにいるであろう敵の魔法使いや精霊使いは顔すら出さない。
狙えるものがそれしか無いからしょうがなく引き金を引く。
銃声が響き、当然のように大盾に止められる。
しばらく前からこんなことしかできていない。
けん制にすらなっていない、その苛立ちをフレディは正直に声に出した。
「くそ、ここからじゃ駄目だ! 木が多すぎて何も狙えねえ!」
ならばどうするのか、それをフレディは続けて叫んだ。
「俺達も前に出るぞ!」
「「「!?」」」
その指示に仲間の銃兵達は驚いて即答できなかった。
唯一返ってきた声は、
「正気か?!」
フレディの精神を疑う言葉だけであった。
狙撃が本来の仕事なのだから無理も無い。
しかし今は前に出なければならない、その理由をフレディは声に出した。
「木の上に敵がいるせいでアルフレッド達が上手く動けなくなっちまってる! そいつらを下から撃ち落とす!」
それはもっともな理由であったが、
「「「……」」」
部下達は声を返すことができなかった。
が、フレディは、
「俺は一人でも行くぞ。前で踏ん張っている大盾持ちを見殺しにするようなことはしたくねえ。あいつらのために出来るかもしれないことはやってやりたいからな」
そう言って一人で走り出そうとした。
そんなフレディに対して一人の銃兵が口を開いた。
それは先ほどフレディの正気を疑った者であった。
「……しょうがねえな! 付き合うよ! だが、囲まれそうになったらすぐ逃げる、それでいいな?」
その声には少し恐怖の色が滲んでいたが、フレディにはそれでも十分頼もしかった。
だからフレディはありがたく言葉を返した。
「ああ、十分だ! それでかまわない!」
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