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最終章 そして戦士達は人類の未来のための戦いに挑む
第二十四話 神殺し、再び(27)
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その見た目はまさに人魂と呼べるものであった。
異常な表情をした顔に細長いヘビのような胴体。あるのはそれだけ。
ウミヘビのように身をくねらせて空中を泳ぎながら迫ってくる。
アルフレッド達の頭に食らいつかんと、口を大きく開きながら迫ってくる。
いや、食らいつこうとしているという表現は正しく無かった。
その口の開き方は異常に大きすぎた。
生身の肉体であればアゴが外れ、口が裂けている開き方。
頭を丸のみにできるほどに大きい。
そして迫ってくるそれらは正にそうしようとしているように思えた。
数はかなり多い。無限かと思えるほどの勢いで次々と新しい顔が生まれて飛び出している。
蝶の精霊だけで全ての迎撃は不可能。
近くにいる他の精霊達もそれぞれに迎撃しているが、やはり手数が足りない。
どう対処する? どうすればみんなを守れる? そんな思いがアルフレッドの脳裏に浮かび上がった直後、
「アルフレッド!」
答えとなるデュランの呼び声が響いた。
呼び声にはデュランの思念が強く混じっていた。
その思念を正確に受け取ったアルフレッドは即座に動いた。
二刀を納刀し、向かい合わせた両手を前に出して意識を集中させる。
間も無く、向かい合わせた両手の平の間に丸い球が生み出された。
魔力の弾では無い。魂の球。
そして攻撃的なものでも無い。
それは設計図であった。
アルフレッドはその設計図の球がよく見えるように、デュランに向かって高くかかげた。
直後にアルフレッドのそばに駆け寄ってきたデュランは、合流を果たすと同時に作業を開始した。
魂で出来た髪の毛がうごめき、デュランの両腕に巻き付いていく。
手の輪郭が見えなくなるほどに分厚くからみつくと同時に、デュランは両手を差し出し、アルフレッドから設計図を受け取った。
後は自動的だった。
デュランの両手に巻き付いていた魂が設計図の球にからみついていく。
速い。球に吸い込まれているかのような速度。
球はデュランから魂を受け取りながら、設計図通りに組み上げていった。
膨らみながら形が整っていく。
そして最初に明らかになった造形はドラゴンの頭部であった。
頭は一つでは無かった。
三つの頭が生まれ、続けて三本の首が完成する。
首の長さはデュランの背の高さと同等。
そこで造形は止まった。
胴体の部分は霧のようにあやふやでおぼろげ。
しかし問題は無かった。それが設計図通りの造形であった。
はっきりとした形の胴体は必要無かった。
なぜか、それは直後に明らかになった。
デュランにおぶさるように、背中に張り付く。
あやふやであった胴体からクラゲの触手のようなものが何本も伸び、デュランの背中と頭部に接続される。
直後に三つの頭は動き始めた。
迫ってくる人魂に向かって口を大きく開き、魂の弾丸を発射。
弾丸が次々と人魂を撃ち落としていく。
しかしまだ手数が足りない。
迎撃を突破し、アルフレッド達の目の前にまで迫ってくる。
すると直後、背負っているドラゴンに変化が起きた。
あやふやな胴体から巨大な腕のようなものが伸び生える。
デュランの右肩から伸びたそれは直後に薄く広がり、羽のようになった。
巨大な熊手のような、先端にいくつものかぎ爪がついた羽。
デュランは直後に上半身を鋭くひねり、その片翼の羽を豪快に振るった。
かぎ爪が迫る人魂を捕らえ、引き裂きながらなぎ払う。
直後、近くの茂みの中から別の異形が飛び出してきた。
敵の精霊使いが展開したと思われる、イカの触腕のような怪物。
蛇のように、ミミズのようにのたうちながらデュランに襲い掛かる。
これに対し、デュランは切り返すように上半身を先とは逆方向に捻った。
その動きに羽が連動する。
なぎ払うように振るわれた羽のかぎ爪が異形の触腕を捕らえる。
硬い。即座には引き裂けない。
だから羽は丸まり、触腕を包み込んだ。
羽から何本もの針が生え、イカの足のような何かに突き刺さっていく。
触腕はもがくが逃げられない。
触腕はなすすべも無く穴だらけになり、溶けるように消えた。
その成果を見たアルフレッドは思わず心の声を響かせた。
(よかった! 上手く動いてくれてる!)
設計に誤りが無かったことに対しての安堵の思い。
しかしその安堵の感覚は瞬く間に消えた。
デュランの髪の毛がアルフレッドの予想よりも短くなってしまっていたからだ。
異常な表情をした顔に細長いヘビのような胴体。あるのはそれだけ。
ウミヘビのように身をくねらせて空中を泳ぎながら迫ってくる。
アルフレッド達の頭に食らいつかんと、口を大きく開きながら迫ってくる。
いや、食らいつこうとしているという表現は正しく無かった。
その口の開き方は異常に大きすぎた。
生身の肉体であればアゴが外れ、口が裂けている開き方。
頭を丸のみにできるほどに大きい。
そして迫ってくるそれらは正にそうしようとしているように思えた。
数はかなり多い。無限かと思えるほどの勢いで次々と新しい顔が生まれて飛び出している。
蝶の精霊だけで全ての迎撃は不可能。
近くにいる他の精霊達もそれぞれに迎撃しているが、やはり手数が足りない。
どう対処する? どうすればみんなを守れる? そんな思いがアルフレッドの脳裏に浮かび上がった直後、
「アルフレッド!」
答えとなるデュランの呼び声が響いた。
呼び声にはデュランの思念が強く混じっていた。
その思念を正確に受け取ったアルフレッドは即座に動いた。
二刀を納刀し、向かい合わせた両手を前に出して意識を集中させる。
間も無く、向かい合わせた両手の平の間に丸い球が生み出された。
魔力の弾では無い。魂の球。
そして攻撃的なものでも無い。
それは設計図であった。
アルフレッドはその設計図の球がよく見えるように、デュランに向かって高くかかげた。
直後にアルフレッドのそばに駆け寄ってきたデュランは、合流を果たすと同時に作業を開始した。
魂で出来た髪の毛がうごめき、デュランの両腕に巻き付いていく。
手の輪郭が見えなくなるほどに分厚くからみつくと同時に、デュランは両手を差し出し、アルフレッドから設計図を受け取った。
後は自動的だった。
デュランの両手に巻き付いていた魂が設計図の球にからみついていく。
速い。球に吸い込まれているかのような速度。
球はデュランから魂を受け取りながら、設計図通りに組み上げていった。
膨らみながら形が整っていく。
そして最初に明らかになった造形はドラゴンの頭部であった。
頭は一つでは無かった。
三つの頭が生まれ、続けて三本の首が完成する。
首の長さはデュランの背の高さと同等。
そこで造形は止まった。
胴体の部分は霧のようにあやふやでおぼろげ。
しかし問題は無かった。それが設計図通りの造形であった。
はっきりとした形の胴体は必要無かった。
なぜか、それは直後に明らかになった。
デュランにおぶさるように、背中に張り付く。
あやふやであった胴体からクラゲの触手のようなものが何本も伸び、デュランの背中と頭部に接続される。
直後に三つの頭は動き始めた。
迫ってくる人魂に向かって口を大きく開き、魂の弾丸を発射。
弾丸が次々と人魂を撃ち落としていく。
しかしまだ手数が足りない。
迎撃を突破し、アルフレッド達の目の前にまで迫ってくる。
すると直後、背負っているドラゴンに変化が起きた。
あやふやな胴体から巨大な腕のようなものが伸び生える。
デュランの右肩から伸びたそれは直後に薄く広がり、羽のようになった。
巨大な熊手のような、先端にいくつものかぎ爪がついた羽。
デュランは直後に上半身を鋭くひねり、その片翼の羽を豪快に振るった。
かぎ爪が迫る人魂を捕らえ、引き裂きながらなぎ払う。
直後、近くの茂みの中から別の異形が飛び出してきた。
敵の精霊使いが展開したと思われる、イカの触腕のような怪物。
蛇のように、ミミズのようにのたうちながらデュランに襲い掛かる。
これに対し、デュランは切り返すように上半身を先とは逆方向に捻った。
その動きに羽が連動する。
なぎ払うように振るわれた羽のかぎ爪が異形の触腕を捕らえる。
硬い。即座には引き裂けない。
だから羽は丸まり、触腕を包み込んだ。
羽から何本もの針が生え、イカの足のような何かに突き刺さっていく。
触腕はもがくが逃げられない。
触腕はなすすべも無く穴だらけになり、溶けるように消えた。
その成果を見たアルフレッドは思わず心の声を響かせた。
(よかった! 上手く動いてくれてる!)
設計に誤りが無かったことに対しての安堵の思い。
しかしその安堵の感覚は瞬く間に消えた。
デュランの髪の毛がアルフレッドの予想よりも短くなってしまっていたからだ。
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