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最終章 そして戦士達は人類の未来のための戦いに挑む

第二十四話 神殺し、再び(11)

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 ヨグ=ソトースの指示に従い、配下の精霊達は一斉に突撃を開始した。
 空を埋め尽くすように展開されていたドラゴンの群れが一斉に急降下を開始。
 ほぼ同時に地上の部隊も動きだした。
 精霊達が一斉に森の中から飛び出す。
 地上部隊の構成はドラゴンを主力としたものでは無かった。
 イカのような触手の群れ。
 蛇のように身をくねらせながら地面の上を疾走している。
 そして触手の根元は波立っていた。
 まるで波に乗って走っているかのよう。
 粘菌のような精霊が地面の上をのたうちながら、触手型の精霊と共に突撃していた。
 これに対し、ルイスは叫んだ。

「こちらも精霊を突撃させろ!」

 その声に精霊達は即座に応じた。
 森の中から豹と熊型の精霊が走り出し、鷹の精霊とドラゴンが飛び立つ。
 先にぶつかり合ったのは地上の精霊部隊。
 どちらが優勢なのか、それを見た目で判断するのは困難なぶつかり合いであった。
 液状の部分に対して攻撃がどの程度通じているのかがよくわからない。
 さらに液状の部分は乱戦をぬるりと通り抜け、触手の形状を取り直してシャロン達に向かって突っ込んできた。
 これに対し、シャロンとキーラが森の中から爆発魔法を発射。
 迫る触手を次々と吹き飛ばす。
 銃兵も応戦。
 重なった銃声と共に、触手が穴だらけとなって砕け散る。
 しかし触手は直後に波の中から再び伸び生えた。
 効いているのか? そんな疑問がある銃兵の心から響いた。
 これに対し、ルイスが声を上げた。

「確実に効いている! 迷わず撃ち続けろ!」

 それは根拠の無い励ましでは無かった。
 再生するにも養分などのエネルギーを使う。無限の再生など不可能。そして再生は消費が重い。損傷の程度によっては一から作り直すよりも消費が大きくなる。
 補給には人間か精霊の宿り木が必要。そして近くに精霊の宿り木の密集地は無い。
 補給係の人間の体力が尽きれば終わりだ。
 その点においては条件は同じだが、有利はこちらにある、ルイスはそう考えていた。
 なぜなら、敵の銃が旧式だからだ。発射間隔でわかる。
 さらにこちらには精霊に有効な爆発魔法持ちが二人いる。
 そして敵のほうが大型精霊の数が多い。特に、後方に控えているあの山のように巨大な怪物は維持するだけでも消費がでかいだろう。
 ゆえにこちらが仕掛けるべきは持久戦、こちらは節約しつつ有効な防御をくり返していれば勝てる、ルイスはそう思っていた。
 が、

“人間達は持久戦の構えか。つまらん。そんな戦術に付き合う気は無い”
 
 ヨグ=ソトースは違う戦いを思い描いていた。
 だからヨグ=ソトースは思念を大きく響かせた。

“早速出番だ、アザトースの幼子(おさなご)よ! 敵の守りを押し崩せ!”
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