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第四章 偽りの象徴。偽りの信仰。そして偽りの神

第二十三話 偶然と気まぐれと運命の収束点(1)

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   ◆◆◆

 偶然と気まぐれと運命の収束点

   ◆◆◆

 生物が長い時と共にその形を変えていったように、魂の在り方も太古の時代では違っていた。
 されど自然の摂理は今と何も変わらない。強い生物が支配していた。
 魂においてもそれは同じだった。現代において神と呼ばれるような圧倒的な存在がいた。
 しかしその者達は現代では残っていない。
 みな絶滅してしまった。
 地球上の生物のほとんどが死に絶える大絶滅と呼ばれる現象。それが地球上では何度も起きていた。
 初の大絶滅の原因は惑星同士の衝突によるものだった。
 しかし次の大絶滅を引き起こしたのは地球上の生物、植物の先祖だった。
 光合成を行う細菌が圧倒的多数となってしまったことが原因だ。
 地球上の二酸化炭素が激減したことで、それに依存していた生物が死に絶え、その死に絶えた生物達が生み出していたものが地球上から消えた。
 その連鎖によって空気の組成が変わり、引き起こされた環境変化によって植物の先祖も自滅した。
 そして生物は一からやり直すこととなった。
 生物はそのような大絶滅を、やり直しを何度か繰り返した。
 みな本能的であった。
 望むがままに食べ、好き勝手に増える、ただそれだけであった。
 周りのことを意識できるものはいなかった。全体を管理する能力のある生物など存在しなかった。
 だがある時、危機感を覚えたものがいた。
 それは上から眺めていた。ある大絶滅を空から見下ろしていた。当時の神と呼ばれる存在だった。
 だからぼんやりと思った。
 今回は自分は巻き込まれなかったが、次はどうだろうか、と。
 だから思った。
 これまでとは違う能力を持った生物が必要だと。
 大きいのでも、筋力が強いのでも、魔法力が強いのでも無い、これまでとはまったく違う可能性を持った存在が必要だと。
 そう思ったそれは行動を開始した。
 その者に名は無い。名前という概念がまだ存在しない。そんな思考と言語能力を有する生物が存在しない。
 しかし今の知恵ある生物がその者のことを知れば、きっとこう名付けるだろう。
「大工の神」と。
 そして長い時を経て人類は誕生した。
 だが大工の神はもういない。次の大絶滅を生き残ることが出来なかった。誰もその存在を知ることは無い。
 されど、もしも大工の神が生き残っていて、今の人類を見ればきっとこう思うだろう。
 この者達ならばもしかしたら、と。
 どんな試練でも乗り越えてくれるかもしれない、と。
 きっとそう思うだろう。
 しかし一度の大絶滅を乗り越えた大工の神ですら知らないことがあった。見落としていたことがあった。
 ある隕石と共に、部外者がやってきていたことだ。
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