361 / 545
第四章 偽りの象徴。偽りの信仰。そして偽りの神
第二十二話 Deus Vult(主はそれを望まれた)(20)
しおりを挟む
声を上げると同時に、ベアトリスの前に飛び出すように加速。
その背中を見た瞬間、ベアトリスは「はっ」となった。
そうだ、止まるわけにはいかない。そんな時間は無い。
引きずられるようにベアトリスも加速する。
前を走るバークの進路は中央突破。立ち並ぶ三体のど真ん中。
直後にバークがさらに加速。一瞬遅れてベアトリスも続く。
目の前に立ちふさがるドラゴンとの距離が一気に詰まる。
そしてバークとドラゴンは同時に動いた。
ドラゴンは一斉にブレスを放射。
体内に蓄えられている光の魔力を含んだ銀色の吐息。
左右のドラゴンのブレスはバークとベアトリスを挟み込むなぎ払いの軌道。
こうなると逃げ場は上空にしか無い。
しかし中央のドラゴンが上からかぶせるような軌道のブレスでそれを封じている。
斜め上に飛んでもなぎ払いのブレスが追尾可能。人間の機動力では回避不能の連携。
であったが、バークの頭の中に回避という選択肢は無かった。
バークの中にある選択肢はただ一つのみ。
まっすぐ最短距離を走って押し通る、ただそれだけ。
ゆえに、何をするかも加速した時にもう決まっていた。
両手の中に青い爆発魔法を生み出し、両腕を後ろに引き絞る。
そしてバークはその腕にためた筋肉のバネの力を開放し、青い弾を投げた。
しかしその腕の振り方は投擲動作には見えなかった。
まるで大きなものを抱きしめようとするかのような動き。
両手が大きく水平に弧を描き、眼前で交差。
「!」
ベアトリスの両眼が驚きに見開く。
なぜなら、その一動作で投げられた爆発魔法は二発では無かったからだ。
両手から三発ずつ。計六発。
弾の形成が凄まじく速い。
やはり、アルフレッドと戦った時は本気を出していなかったのだ。
そして投げた方向は真横と斜め前と正面の三方向。
挟み撃ちに対処しつつ正面を突破するための連続範囲攻撃だ。
その背中を見た瞬間、ベアトリスは「はっ」となった。
そうだ、止まるわけにはいかない。そんな時間は無い。
引きずられるようにベアトリスも加速する。
前を走るバークの進路は中央突破。立ち並ぶ三体のど真ん中。
直後にバークがさらに加速。一瞬遅れてベアトリスも続く。
目の前に立ちふさがるドラゴンとの距離が一気に詰まる。
そしてバークとドラゴンは同時に動いた。
ドラゴンは一斉にブレスを放射。
体内に蓄えられている光の魔力を含んだ銀色の吐息。
左右のドラゴンのブレスはバークとベアトリスを挟み込むなぎ払いの軌道。
こうなると逃げ場は上空にしか無い。
しかし中央のドラゴンが上からかぶせるような軌道のブレスでそれを封じている。
斜め上に飛んでもなぎ払いのブレスが追尾可能。人間の機動力では回避不能の連携。
であったが、バークの頭の中に回避という選択肢は無かった。
バークの中にある選択肢はただ一つのみ。
まっすぐ最短距離を走って押し通る、ただそれだけ。
ゆえに、何をするかも加速した時にもう決まっていた。
両手の中に青い爆発魔法を生み出し、両腕を後ろに引き絞る。
そしてバークはその腕にためた筋肉のバネの力を開放し、青い弾を投げた。
しかしその腕の振り方は投擲動作には見えなかった。
まるで大きなものを抱きしめようとするかのような動き。
両手が大きく水平に弧を描き、眼前で交差。
「!」
ベアトリスの両眼が驚きに見開く。
なぜなら、その一動作で投げられた爆発魔法は二発では無かったからだ。
両手から三発ずつ。計六発。
弾の形成が凄まじく速い。
やはり、アルフレッドと戦った時は本気を出していなかったのだ。
そして投げた方向は真横と斜め前と正面の三方向。
挟み撃ちに対処しつつ正面を突破するための連続範囲攻撃だ。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
夫から国外追放を言い渡されました
杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。
どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。
抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。
そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる