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第四章 偽りの象徴。偽りの信仰。そして偽りの神
第二十二話 Deus Vult(主はそれを望まれた)(12)
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ナチャさんにはしばらく頼れない。そしてそのしばらくをこの場で待っている時間は無い。
だからベアトリスはすぐに一人で動き出した。
蝶の精霊の群れを再展開しながら走る。
次の安全地帯の当ては無い。探しながらの移動。
ねじれた巨人に意識を向けながらアルフレッドに近づく、ただそれだけ。
直後、巨人はベアトリスに向かって二発目の巨大光弾を放った。
先と同じように光弾に対して円の動きを取る。
だが、次の安全地帯の情報がなかなか来ない。
さらに今回は巨大光弾だけでは無かった。
「っ!」
上空から三つの気配が近づいてくるのをベアトリスは感じ取った。
それは先の巨大光弾を運んでいた三体のドラゴン。
巻き込まれたナチャとは違い、この三体は光弾が爆発する前に切り離して距離を取っていたのだ。
そして三体のドラゴンは容赦無い光のブレス攻撃を開始した。
「!!」
立ち並ぶ木を盾にしながら走る。
上手く凌げてる、ベアトリスはそう思った。
が、すぐに気付いた。
敵の攻撃が予想よりも緩いことに。
こちらを直接狙っているのは二体だけであることに。
もう一体は何を?
その答えもすぐに分かった。
なぜなら、
(!? 蝶が撃ち落とされた?!)
蝶からの通信が次々と途絶えたからだ。
即座に蝶を再展開する。
だが産み出すそばから次々と撃ち落とされていく。
このドラゴンには思考力がある、自分の考えを読んでそれを潰しにきている、その事実はベアトリスの心に焦りを生んだ。
その焦りに突き動かされるままに、ベアトリスは感知能力を研ぎ澄ませた。
自身の感知能力で少しでも情報を多く拾おうとする。
頭痛がするほどに脳が酷使されても無視する。
なにか、どこか安全な場所は?! ベアトリスは走りながらそんな思いを響かせた。
瞬間、
「!」
ベアトリスはそれを見つけた。
正確には聞こえた。
水の音だ。
強く激しい音。
間も無く、生きてそこに辿り着いた蝶からその音についての正確な情報が送られた。
やはり滝。
そこそこの高さ。水の深さもある。
ならば使える? ベアトリスはそう思った。
直後、想定される危険性が次々とベアトリスの脳裏に浮かび上がった。
しかしそれについて考える時間は無かった。
周囲は白く染まり始めていた。
巨大光弾が迫っている。
もう既にベアトリスの背中が白く照らされ始めている。
他の場所を探す時間も、考える時間も無い! ベアトリスはそんな思いと共に迷いを断ち、その場所に向かって走り出した。
だからベアトリスはすぐに一人で動き出した。
蝶の精霊の群れを再展開しながら走る。
次の安全地帯の当ては無い。探しながらの移動。
ねじれた巨人に意識を向けながらアルフレッドに近づく、ただそれだけ。
直後、巨人はベアトリスに向かって二発目の巨大光弾を放った。
先と同じように光弾に対して円の動きを取る。
だが、次の安全地帯の情報がなかなか来ない。
さらに今回は巨大光弾だけでは無かった。
「っ!」
上空から三つの気配が近づいてくるのをベアトリスは感じ取った。
それは先の巨大光弾を運んでいた三体のドラゴン。
巻き込まれたナチャとは違い、この三体は光弾が爆発する前に切り離して距離を取っていたのだ。
そして三体のドラゴンは容赦無い光のブレス攻撃を開始した。
「!!」
立ち並ぶ木を盾にしながら走る。
上手く凌げてる、ベアトリスはそう思った。
が、すぐに気付いた。
敵の攻撃が予想よりも緩いことに。
こちらを直接狙っているのは二体だけであることに。
もう一体は何を?
その答えもすぐに分かった。
なぜなら、
(!? 蝶が撃ち落とされた?!)
蝶からの通信が次々と途絶えたからだ。
即座に蝶を再展開する。
だが産み出すそばから次々と撃ち落とされていく。
このドラゴンには思考力がある、自分の考えを読んでそれを潰しにきている、その事実はベアトリスの心に焦りを生んだ。
その焦りに突き動かされるままに、ベアトリスは感知能力を研ぎ澄ませた。
自身の感知能力で少しでも情報を多く拾おうとする。
頭痛がするほどに脳が酷使されても無視する。
なにか、どこか安全な場所は?! ベアトリスは走りながらそんな思いを響かせた。
瞬間、
「!」
ベアトリスはそれを見つけた。
正確には聞こえた。
水の音だ。
強く激しい音。
間も無く、生きてそこに辿り着いた蝶からその音についての正確な情報が送られた。
やはり滝。
そこそこの高さ。水の深さもある。
ならば使える? ベアトリスはそう思った。
直後、想定される危険性が次々とベアトリスの脳裏に浮かび上がった。
しかしそれについて考える時間は無かった。
周囲は白く染まり始めていた。
巨大光弾が迫っている。
もう既にベアトリスの背中が白く照らされ始めている。
他の場所を探す時間も、考える時間も無い! ベアトリスはそんな思いと共に迷いを断ち、その場所に向かって走り出した。
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