337 / 545
第四章 偽りの象徴。偽りの信仰。そして偽りの神
第二十一話 そして聖域は地獄に変わる(11)
しおりを挟む
大鎌の刃が真後ろにいくまで体を捻るのが初動。
そこから腰を回転させ、鎌を前に送りつつ刃を斜め下に振り下ろす。
クラリスの体が正面に向き直ると同時に、振り下ろされた刃が体のほぼ真横で地面に突き刺さる。
そして魔力を勢いよく地中に流し込む。
行き場を失った魔力が地中で暴れ始めたのを確認してから鎌を前に振り抜き、石つぶてと小規模の光の濁流を繰り出す。
振り抜いた鎌を斜め上に振り上げつつ、刃から魔力を放出。巨大な三日月を放つ。
振り上げた勢いを利用しつつ腰を回転させ、構えを左右反転。そして初動に戻る。これを高速で繰り返す。
墓荒らしと同時に放つ三日月には速度に緩急があり、途中で重なるようにぶつかり合って光の嵐となる。
この一連の動きによって大規模の嵐と石つぶての連発を実現している。
その激しさはクラリスの周囲の地面がすぐに大きくえぐれて使えなくなってしまうほど。ゆえに、時折地面を鋭く蹴って移動している。
魔力の消費が激しく、内臓への負担が尋常では無いが、いまのクラリスには関係の無いこと。
残り少ない命を振り絞っているかのような、激しい攻撃がバークを襲う。
しかしそれよりもバークは激しかった。
「ぅ雄雄雄雄雄ぉぉっ!」
気勢を響かせ続けながら爆発魔法を連打。
次々と繰り出される石つぶてをすべて吹き飛ばし、抵抗値を上げた膜で荒らしを受け流しながら前へ前へ。
クラリスは位置調整をかねた後退動作を繰り返しているが、それでもバークのほうがはるかに速い。
あっという間に双方の距離がつまる。
しかし距離が詰まると爆発との距離も近くる。
ゆえに、バークは、
(ここだ!)
ある距離で勝負をかけた。
爆発魔法を放つと同時に両足の中で魔力を爆発させる。
投げた爆発魔法の真後ろに張り付こうとするかのように急加速。
そして目の前の青い球が弾ける瞬間、バークは防御魔法を展開しつつ、背を低くしながらさらに力強く地を蹴った。
光の盾を構えながら目の前で起きた青い爆発の中に突っ込む。
「っ!」
轟音と共に防御魔法が砕け、衝撃波と炎がバークを襲う。
瞬間、バークは「耐えろ!」と己に活を入れた。
衝撃波がバークの体を打ち揺らし、炎が全身に激痛を走らせる。
そして一瞬の浮遊感。
その浮遊感の直後、バークの右足が再び勢いよく地を蹴った。
青い爆炎の中からバークの体が飛び出す。
直後に巨大な三日月がバークに直撃したが、強固な膜に守られている今のバークには何の問題にもならない。
三日月を体の上で滑らせるように受け流す。
既にクラリスは目の前。近接戦闘の間合い。
そこから腰を回転させ、鎌を前に送りつつ刃を斜め下に振り下ろす。
クラリスの体が正面に向き直ると同時に、振り下ろされた刃が体のほぼ真横で地面に突き刺さる。
そして魔力を勢いよく地中に流し込む。
行き場を失った魔力が地中で暴れ始めたのを確認してから鎌を前に振り抜き、石つぶてと小規模の光の濁流を繰り出す。
振り抜いた鎌を斜め上に振り上げつつ、刃から魔力を放出。巨大な三日月を放つ。
振り上げた勢いを利用しつつ腰を回転させ、構えを左右反転。そして初動に戻る。これを高速で繰り返す。
墓荒らしと同時に放つ三日月には速度に緩急があり、途中で重なるようにぶつかり合って光の嵐となる。
この一連の動きによって大規模の嵐と石つぶての連発を実現している。
その激しさはクラリスの周囲の地面がすぐに大きくえぐれて使えなくなってしまうほど。ゆえに、時折地面を鋭く蹴って移動している。
魔力の消費が激しく、内臓への負担が尋常では無いが、いまのクラリスには関係の無いこと。
残り少ない命を振り絞っているかのような、激しい攻撃がバークを襲う。
しかしそれよりもバークは激しかった。
「ぅ雄雄雄雄雄ぉぉっ!」
気勢を響かせ続けながら爆発魔法を連打。
次々と繰り出される石つぶてをすべて吹き飛ばし、抵抗値を上げた膜で荒らしを受け流しながら前へ前へ。
クラリスは位置調整をかねた後退動作を繰り返しているが、それでもバークのほうがはるかに速い。
あっという間に双方の距離がつまる。
しかし距離が詰まると爆発との距離も近くる。
ゆえに、バークは、
(ここだ!)
ある距離で勝負をかけた。
爆発魔法を放つと同時に両足の中で魔力を爆発させる。
投げた爆発魔法の真後ろに張り付こうとするかのように急加速。
そして目の前の青い球が弾ける瞬間、バークは防御魔法を展開しつつ、背を低くしながらさらに力強く地を蹴った。
光の盾を構えながら目の前で起きた青い爆発の中に突っ込む。
「っ!」
轟音と共に防御魔法が砕け、衝撃波と炎がバークを襲う。
瞬間、バークは「耐えろ!」と己に活を入れた。
衝撃波がバークの体を打ち揺らし、炎が全身に激痛を走らせる。
そして一瞬の浮遊感。
その浮遊感の直後、バークの右足が再び勢いよく地を蹴った。
青い爆炎の中からバークの体が飛び出す。
直後に巨大な三日月がバークに直撃したが、強固な膜に守られている今のバークには何の問題にもならない。
三日月を体の上で滑らせるように受け流す。
既にクラリスは目の前。近接戦闘の間合い。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
夫から国外追放を言い渡されました
杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。
どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。
抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。
そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる