335 / 545
第四章 偽りの象徴。偽りの信仰。そして偽りの神
第二十一話 そして聖域は地獄に変わる(9)
しおりを挟む
青い炎を纏ったムカデと刃の嵐がアーティット達に襲い掛かる。
これに対し、アーティット達は回避行動を取らなかった。
既にアーティット達は迎撃のために構えていた。
直後にアーティット達はその構えから力を解き放った。
「デェヤァッ!」
アーティットが豪快に大太刀を振るう。
瞬間、切り返して二閃。
刃から放たれた二つの大きな三日月が×字型にぶつかり合い、回転しながら混ざって濁流と化す。
その濁流の真後ろをクラリスが放った墓荒らしの石つぶてが追従する。
直後に三体のドラゴンが放ったブレスが追いつき、まざってつぶての嵐となった。
双方が放った二つの嵐がぶつかり合う。
石つぶてと炎を纏った光る刃がぶつかり合い、青い火の粉を散らす。
ドラゴンが放った小さな虫の群れとムカデが溶け合うように互いを食い合う。
全てのぶつかり合いは混ざり合い、その力は逃げ場を求めるように、いや、追いかけるように回転を始めた。
全ての力が混ざって一つの渦となり、小さな青い竜巻と化す。
数秒も経てば散って消える竜巻。
であったが、その数秒すら待てない者がいた。
それはバーク。
いや、バークだけでは無かった。
ほぼ真後ろにベアトリスも追従していた。
バークは竜巻に向かって走りながら心の声を響かせていた。
これ以上の二人の体を汚させない、すぐに終わらせる、そんな複数の声が混ざって響き合っていた。
できるだけ早く終わらせたいのはベアトリスも同じであった。
ゆえに、二人の息は組んだばかりとは思えないほどに合っていた。
バークが竜巻に爆発魔法を叩き込み、青く染め直しながら吹き飛ばす。
しかしこの強引な突破と接近をアーティットは読んでいた。
青く染まった視界が回復した直後、バークに眼前にはアーティットが放った三日月が迫っていた。
だが、感じ取って読んでいたのはバークも同じであった。
ゆえにバークは既に受ける準備を整えていた。持ち前の小さな精霊を展開し、膜の抵抗力を強化していた。
バークその膜を分厚く纏った左手を構え、
「疾ッ!」
気勢と共に鋭く振り上げ、三日月を真上に押し払った。
同時に右手の中に爆発魔法を作成。
石つぶてを飛ばそうとしているベアトリスに向かって投げ放ち、その動作を中断させる。
その隙を突いてアーティットがバークに斬りかかったが、
「させない!」
直後にバークの前にベアトリスが割り込み、槍と大太刀はぶつかり合った。
これに対し、アーティット達は回避行動を取らなかった。
既にアーティット達は迎撃のために構えていた。
直後にアーティット達はその構えから力を解き放った。
「デェヤァッ!」
アーティットが豪快に大太刀を振るう。
瞬間、切り返して二閃。
刃から放たれた二つの大きな三日月が×字型にぶつかり合い、回転しながら混ざって濁流と化す。
その濁流の真後ろをクラリスが放った墓荒らしの石つぶてが追従する。
直後に三体のドラゴンが放ったブレスが追いつき、まざってつぶての嵐となった。
双方が放った二つの嵐がぶつかり合う。
石つぶてと炎を纏った光る刃がぶつかり合い、青い火の粉を散らす。
ドラゴンが放った小さな虫の群れとムカデが溶け合うように互いを食い合う。
全てのぶつかり合いは混ざり合い、その力は逃げ場を求めるように、いや、追いかけるように回転を始めた。
全ての力が混ざって一つの渦となり、小さな青い竜巻と化す。
数秒も経てば散って消える竜巻。
であったが、その数秒すら待てない者がいた。
それはバーク。
いや、バークだけでは無かった。
ほぼ真後ろにベアトリスも追従していた。
バークは竜巻に向かって走りながら心の声を響かせていた。
これ以上の二人の体を汚させない、すぐに終わらせる、そんな複数の声が混ざって響き合っていた。
できるだけ早く終わらせたいのはベアトリスも同じであった。
ゆえに、二人の息は組んだばかりとは思えないほどに合っていた。
バークが竜巻に爆発魔法を叩き込み、青く染め直しながら吹き飛ばす。
しかしこの強引な突破と接近をアーティットは読んでいた。
青く染まった視界が回復した直後、バークに眼前にはアーティットが放った三日月が迫っていた。
だが、感じ取って読んでいたのはバークも同じであった。
ゆえにバークは既に受ける準備を整えていた。持ち前の小さな精霊を展開し、膜の抵抗力を強化していた。
バークその膜を分厚く纏った左手を構え、
「疾ッ!」
気勢と共に鋭く振り上げ、三日月を真上に押し払った。
同時に右手の中に爆発魔法を作成。
石つぶてを飛ばそうとしているベアトリスに向かって投げ放ち、その動作を中断させる。
その隙を突いてアーティットがバークに斬りかかったが、
「させない!」
直後にバークの前にベアトリスが割り込み、槍と大太刀はぶつかり合った。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
夫を愛することはやめました。
杉本凪咲
恋愛
私はただ夫に好かれたかった。毎日多くの時間をかけて丹念に化粧を施し、豊富な教養も身につけた。しかし夫は私を愛することはなく、別の女性へと愛を向けた。夫と彼女の不倫現場を目撃した時、私は強いショックを受けて、自分が隣国の王女であった時の記憶が蘇る。それを知った夫は手のひらを返したように愛を囁くが、もう既に彼への愛は尽きていた。
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~
楠富 つかさ
ファンタジー
地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。
そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。
できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!!
第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!
Re:征服者〜1000年後の世界で豚公子に転生した元皇帝が再び大陸を支配する〜
鴉真似≪アマネ≫
ファンタジー
大陸統一。誰もが無理だと、諦めていたことである。
その偉業を、たった1代で成し遂げた1人の男がいた。
幾多の悲しみを背負い、夥しい屍を踏み越えた最も偉大な男。
大統帝アレクサンダリア1世。
そんな彼の最後はあっけないものだった。
『余の治世はこれにて幕を閉じる……これより、新時代の幕開けだ』
『クラウディアよ……余は立派にやれたかだろうか』
『これで全てが終わる……長かった』
だが、彼は新たな肉体を得て、再びこの世へ舞い戻ることとなる。
嫌われ者の少年、豚公子と罵られる少年レオンハルトへと転生する。
舞台は1000年後。時期は人生最大の敗北喫した直後。
『ざまあ見ろ!』
『この豚が!』
『学園の恥! いや、皇国の恥!』
大陸を統べた男は再び、乱れた世界に牙を剝く。
これはかつて大陸を手中に収めた男が紡ぐ、新たな神話である。
※個人的には7話辺りから面白くなるかと思います。
※題名が回収されるのは3章後半になります。
錬金術師カレンはもう妥協しません
山梨ネコ
ファンタジー
「おまえとの婚約は破棄させてもらう」
前は病弱だったものの今は現在エリート街道を驀進中の婚約者に捨てられた、Fランク錬金術師のカレン。
病弱な頃、支えてあげたのは誰だと思っているのか。
自棄酒に溺れたカレンは、弾みでとんでもない条件を付けてとある依頼を受けてしまう。
それは『血筋の祝福』という、受け継いだ膨大な魔力によって苦しむ呪いにかかった甥っ子を救ってほしいという貴族からの依頼だった。
依頼内容はともかくとして問題は、報酬は思いのままというその依頼に、達成報酬としてカレンが依頼人との結婚を望んでしまったことだった。
王都で今一番結婚したい男、ユリウス・エーレルト。
前世も今世も妥協して付き合ったはずの男に振られたカレンは、もう妥協はするまいと、美しく強く家柄がいいという、三国一の男を所望してしまったのだった。
ともかくは依頼達成のため、錬金術師としてカレンはポーションを作り出す。
仕事を通じて様々な人々と関わりながら、カレンの心境に変化が訪れていく。
錬金術師カレンの新しい人生が幕を開ける。
※小説家になろうにも投稿中。
僕は性奴隷になりたい~異世界にTS転移したんだけど、宗教戦争に駆り出されて辛いです~
初夏終冬
ファンタジー
性奴隷になりたい。
僕はそう思う一心で、女装生活を始めてから7年目の今日、2017年7月7日に、思いがけない出来事に出会った。
ありえない。こんなことが現実に起こるはずがない。そう否定したくて、でも、否定すれば理想の形にまた遠のいてしまう。
僕がこの状況を受け入れないわけがないのだ。
※小説家になろう様、カクヨム様でも掲載しています。
異世界でゆるゆる生活を満喫す
葉月ゆな
ファンタジー
辺境伯家の三男坊。数か月前の高熱で前世は日本人だったこと、社会人でブラック企業に勤めていたことを思い出す。どうして亡くなったのかは記憶にない。ただもう前世のように働いて働いて夢も希望もなかった日々は送らない。
もふもふと魔法の世界で楽しく生きる、この生活を絶対死守するのだと誓っている。
家族に助けられ、面倒ごとは優秀な他人に任せる主人公。でも頼られるといやとはいえない。
ざまぁや成り上がりはなく、思いつくままに好きに行動する日常生活ゆるゆるファンタジーライフのご都合主義です。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる