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第四章 偽りの象徴。偽りの信仰。そして偽りの神
第二十話 母なる海の悪夢(16)
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そして動く敵がいなくなったのを確認してからシャロンは指を止めた。
やはりこの場面でこの武器を選んだのは正解だった。そう思った。
そこら中に木くずが散乱しているが、重大な被害は見当たらない。
大砲は無事。航行にも問題無し。
それを確認してからシャロンは部屋から走り出た。
廊下を塞いでいた狂人達を切り伏せ、階段を駆け上る。
そして甲板に躍り出ると、そこには数十人の狂人達が待ち構えていた。
しかしどいつも銃を持っていない。
やはり南側にはまだあまり流通していないようだ。生産自体が開始されていない可能性がある。
だからシャロンは安心して踏み込んだ。
それを見た狂人達は一斉に襲い掛かった。
全方位からの同時攻撃。
ゆえにシャロンも同じ全方位攻撃で迎え撃った。
右手の剣から魔力を放出しながらの回転斬り。
まるで稲妻を振り回しているかのよう。
回転しながら左手の銃も撃ちまくる。
一回転したところで足を一瞬止めて反転。刃を切り返す。
甲板の上に大きな満月を描くように回り続ける。
剣から伸びた稲妻が敵をなぎ払い、銃口から放たれた稲妻が敵をみだれ撃つ。
間も無く全ての狂人達は動かなくなったが、すぐに増援が現れた。
海の中から首長竜が伸び現れる。
当然だ。真下に雲がいるのだから。
だからシャロンは下に意識を払い、備えていた。
気配察知と同時に左手から爆発魔法を生み出し、登場と同時に爆発魔法を叩き込む。
だがこれで終わりでは無い。次の首長竜の気配が感じ取れる。
雲を倒さない限り、恐ろしい長期戦になる。
だからシャロンは新たな目標に狙いを定めた。
それは味方のドラゴンとぶつかり合っている敵のドラゴン。
その胴体に狙いを定め、爆発魔法を放った。
赤い槍がその巨体を貫き、衝撃波がその穴をえぐり広げる。
敵のドラゴンの数が減れば味方のドラゴンが動きやすくなる。
その思考を察したのか、援護を受けたドラゴンはシャロンのほうに近づいてきた。
シャロンはそのドラゴンに向かって声を上げた。
「下のやつをお願い!」
思考の波を光る剣で増幅しながら叫ぶ。
その叫びは即座に操縦者に通じた。
近づいてきていたドラゴンが海中に潜る。
間も無く、下で戦いが始まった。
お互いを食い合うだけの、野蛮なぶつかり合い。
その単純なぶつかり合いにシャロンが一工夫を加えた。
爆発魔法を内蔵した精霊を展開。
突撃した精霊が雲の中で次々と炸裂。轟音と共に船が揺れる。
その振動が落ち着いた直後に、下での戦いはドラゴンの勝利に終わった。
それと同時に小型船の仲間達も到着。
縄はしごを投げかけ、大型船に乗り込む。
シャロンはその仲間たちのほうに振り返り、声を上げた。
「この船を使って戦うわよ! 配置について!」
やはりこの場面でこの武器を選んだのは正解だった。そう思った。
そこら中に木くずが散乱しているが、重大な被害は見当たらない。
大砲は無事。航行にも問題無し。
それを確認してからシャロンは部屋から走り出た。
廊下を塞いでいた狂人達を切り伏せ、階段を駆け上る。
そして甲板に躍り出ると、そこには数十人の狂人達が待ち構えていた。
しかしどいつも銃を持っていない。
やはり南側にはまだあまり流通していないようだ。生産自体が開始されていない可能性がある。
だからシャロンは安心して踏み込んだ。
それを見た狂人達は一斉に襲い掛かった。
全方位からの同時攻撃。
ゆえにシャロンも同じ全方位攻撃で迎え撃った。
右手の剣から魔力を放出しながらの回転斬り。
まるで稲妻を振り回しているかのよう。
回転しながら左手の銃も撃ちまくる。
一回転したところで足を一瞬止めて反転。刃を切り返す。
甲板の上に大きな満月を描くように回り続ける。
剣から伸びた稲妻が敵をなぎ払い、銃口から放たれた稲妻が敵をみだれ撃つ。
間も無く全ての狂人達は動かなくなったが、すぐに増援が現れた。
海の中から首長竜が伸び現れる。
当然だ。真下に雲がいるのだから。
だからシャロンは下に意識を払い、備えていた。
気配察知と同時に左手から爆発魔法を生み出し、登場と同時に爆発魔法を叩き込む。
だがこれで終わりでは無い。次の首長竜の気配が感じ取れる。
雲を倒さない限り、恐ろしい長期戦になる。
だからシャロンは新たな目標に狙いを定めた。
それは味方のドラゴンとぶつかり合っている敵のドラゴン。
その胴体に狙いを定め、爆発魔法を放った。
赤い槍がその巨体を貫き、衝撃波がその穴をえぐり広げる。
敵のドラゴンの数が減れば味方のドラゴンが動きやすくなる。
その思考を察したのか、援護を受けたドラゴンはシャロンのほうに近づいてきた。
シャロンはそのドラゴンに向かって声を上げた。
「下のやつをお願い!」
思考の波を光る剣で増幅しながら叫ぶ。
その叫びは即座に操縦者に通じた。
近づいてきていたドラゴンが海中に潜る。
間も無く、下で戦いが始まった。
お互いを食い合うだけの、野蛮なぶつかり合い。
その単純なぶつかり合いにシャロンが一工夫を加えた。
爆発魔法を内蔵した精霊を展開。
突撃した精霊が雲の中で次々と炸裂。轟音と共に船が揺れる。
その振動が落ち着いた直後に、下での戦いはドラゴンの勝利に終わった。
それと同時に小型船の仲間達も到着。
縄はしごを投げかけ、大型船に乗り込む。
シャロンはその仲間たちのほうに振り返り、声を上げた。
「この船を使って戦うわよ! 配置について!」
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