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第三章 荒れる聖域。しかしその聖なるは誰がためのものか
第十七話 地獄の最後尾(24)
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その声が路地に響いたと同時に皆は走り出した。
そして響き始めた兵士達の足音は路地を埋め尽くしたが、
「「「―――ッ!」」」
直後に光と共に響いた轟音が、全てをかき消した。
兵士達の悲鳴も認識できないほどの轟音。
防御魔法を突き破って繰り出された光の濁流は、路地の壁を削りながら全てを押し流した。
その轟音をやりすごした一部の兵士達は反撃のために遮蔽から身を乗り出して銃口を向けようとしたが、
「ぅあっ!」「くっ!」
それは読まれており、狙われていた。
ゆえに場に銃声を響かせのは女の両翼にいる狂人達の銃口のみ。
その銃声の直後に女は槍を再び輝かせ、光の濁流を放った。
「「「ぐあああぁっ!」」」
響いた悲鳴が直後に光の濁流に飲まれて消える。
その凄惨な声に、他の兵士達は引きこもるように遮蔽物の陰に身を隠したが、
「「「!?」」」
直後、声が心に響いた。
あの槍から放たれた女の声。
女はこう言った。
「隠れても無駄」と。
直後に女は光の濁流を放った。
白い蛇の群れのような濁流はある路地に滑り込んだ。
蛇の群れは壁を削りながら反射を繰り返し、
「「「うああああ!」」」
曲がり角の向こう側にいる兵士達を襲った。
距離を取っていたおかげで難を逃れた兵士の一人は、その惨状を見て声を上げた。
「ダメだ! ここは逃げるしかない!」
遮蔽に隠れていても濁流の射程に入っていたら意味が無い、そんな思いを込めた声であった。
その声に場の全員は同調し、走り出した。
もう曲がり角でも止まらない。ひたすら距離を取るためだけに走り続ける。
ナンティ達も同じように足を走らせていたが、
「「「!」」」
次の標的は自分達であることをナンティ達は感じ取った。
そして響き始めた兵士達の足音は路地を埋め尽くしたが、
「「「―――ッ!」」」
直後に光と共に響いた轟音が、全てをかき消した。
兵士達の悲鳴も認識できないほどの轟音。
防御魔法を突き破って繰り出された光の濁流は、路地の壁を削りながら全てを押し流した。
その轟音をやりすごした一部の兵士達は反撃のために遮蔽から身を乗り出して銃口を向けようとしたが、
「ぅあっ!」「くっ!」
それは読まれており、狙われていた。
ゆえに場に銃声を響かせのは女の両翼にいる狂人達の銃口のみ。
その銃声の直後に女は槍を再び輝かせ、光の濁流を放った。
「「「ぐあああぁっ!」」」
響いた悲鳴が直後に光の濁流に飲まれて消える。
その凄惨な声に、他の兵士達は引きこもるように遮蔽物の陰に身を隠したが、
「「「!?」」」
直後、声が心に響いた。
あの槍から放たれた女の声。
女はこう言った。
「隠れても無駄」と。
直後に女は光の濁流を放った。
白い蛇の群れのような濁流はある路地に滑り込んだ。
蛇の群れは壁を削りながら反射を繰り返し、
「「「うああああ!」」」
曲がり角の向こう側にいる兵士達を襲った。
距離を取っていたおかげで難を逃れた兵士の一人は、その惨状を見て声を上げた。
「ダメだ! ここは逃げるしかない!」
遮蔽に隠れていても濁流の射程に入っていたら意味が無い、そんな思いを込めた声であった。
その声に場の全員は同調し、走り出した。
もう曲がり角でも止まらない。ひたすら距離を取るためだけに走り続ける。
ナンティ達も同じように足を走らせていたが、
「「「!」」」
次の標的は自分達であることをナンティ達は感じ取った。
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