181 / 545
第三章 荒れる聖域。しかしその聖なるは誰がためのものか
第十六話 もっと力を!(7)
しおりを挟む
◆◆◆
数日後――
「大変です!」
書類作業をしているルイスのもとに、一人の兵士が血相を変えて駆け込んできた。
「どうした?」
ルイスが尋ねると兵士は答えた。
「魔王が脱走しました!」
普通はこの報告に慌てるべきだろうが、ルイスは平然とした様子で聞き返した。
「どっちに逃げた? 方向は?」
「南です!」
その報告にルイスは危うく笑みを浮かべそうになった。
ちゃんと設定した通りに動いているな、思わずそんな心の声を大きく響かせそうになった。
だからルイスは小さく咳払いをして気を取り直した。
その咳払いの直後に兵士は再び口を開いた。
「偵察によると、魔王は南で残党と思わしき部隊と合流したようです!」
当然、この残党部隊はこちらで人格改造した兵士達である。
作戦は順調、それを確信したルイスは椅子から立ち上がった。
そしてルイスは真剣な表情を作りつつ、兵士に向かって命令した。
「全軍に伝えろ。これより我らは逃げた魔王の追撃と、残党の殲滅作戦に入ると」
◆◆◆
何もかも予定通りであった。
しかしそれはルイスが立てた予定とは違っていた。
事はアルフレッドの思い通りに進んでいた。
脱走したキーラは城下街からある程度離れたところで自我を完全に取り戻した。
ルイスを騙すための仮面が外れ、キーラは完全な自由を得た。
逃げてもいい。自分の意思で何でもできる。
が、
「……」
キーラはそうしなかった。
自分の背後には人形にされた兵士達が並んでいる。
彼らの洗脳を解いてもいい。
が、
「ごめんなさいね。少し私のわがままに付き合ってちょうだい」
キーラはそうしなかった。
キーラの意識は南に向いていた。
あれは放ってはおけない、誰かが立ち向かわなければ世界はメチャクチャになる、その確信があった。
そして自分は数少ない立ち向かえる人間の一人、そう思っていた。
だからキーラはその思いを声に出した。
「我々は南に進軍する! 化け物退治に行くわよ!」
人形達は返事はしなかったが、姿勢を一斉に正すことで忠実の意思を示した。
◆◆◆
一方、南でもキーラと同じように自我を取り戻した人間がいた。
「……?」
それはヘルハルト。
場所は知らぬ家の中。
原始的な作りの家屋。家主が出かけていることが一目でわかる狭さ。
ここはどこだ――情報を求めてヘルハルトが外に出ると、そこには想像通りの光景が広がっていた。
同じようなつくりの家屋が並んでいる。背景は森。
やはりここは部族の集落のようであった。
だが、人々の服装は違った。
簡素であったが、その格好は家屋よりは文明的であった。
外部との交流があることがわかる。
ヘルハルトがそんな人達を見回すと、視線が一斉に集まってきた。
その直後に声が響いた。
「*****!」
まだ十台と思われる女の子がこちらに向かって知らない言語を発している。
通じてない、それをすぐに察した女の子はヘルハルトのほうに近づきながら言いなおした。
「カラダ、ダイジョウブ?」
カタコトであるが、なんとか理解できた。
ヘルハルトが頷きを返すと、女の子は再び口を開いた。
「ゴメン、キタノコトバ、ニガテ」
目が少し泳いでいることから、女の子も困っているようであった。
だから女の子は、
「ヒトヲヨブ、マッテテ」
助けを呼びに走り出した。
◆◆◆
女の子は一人の大人を連れて戻ってきた。
同年代と見える男。
服装は女の子達よりも垢抜けており、同じ集落の人間には見えないほどであった。
まるで北の街からやってきたかのよう。
この場ではヘルハルトと同じくらい場違いに見えるその男は、目の前に立つと同時に口を開いた。
「気がついたようだな。調子はどうだ? 頭痛は残っていたりしないか?」
見た目どおりにその口調は滑らかであった。
ヘルハルトが首を振ると、男は次の質問に入った。
「何があったか覚えているか?」
「……」
ヘルハルトはしばし考えたが、思い出せなかった。
男はその沈黙を答えと受け取り、口を開いた。
「お前は森の中で倒れていた。それを彼女が見つけ、ここに運んできたというわけだ」
そう言われてもヘルハルトは思い出せなかった。
そして困惑し始めたヘルハルトに、男は決定的な質問をぶつけた。
「……名前は?」
この質問でようやく、ヘルハルトは自分がどれだけ深刻な状態にあるのか気付いた。
「……思い出せない」
しかしその答えを男は予想できていたようであった。
「だろうな」
ヘルハルトはそういうことなのか説明を求めようとしたが、先に男が口を開いた。
「私は外では商人を名乗っているが、ここでは精霊使いとして治療師もやっている」
その一言から男の服装が垢抜けている理由がはっきりしたが、男はさらに言葉を付け加えた。
「まあ、商人と言っても大したものじゃないがね。こちらにしか無い果物や野菜を北の人達の生活用品と交換してもらってるだけだ」
しかしその付け足された情報は今のヘルハルトにとってはどうでもいいことだった。
だからヘルハルトは気になっている単語について尋ねた。
「治療師、というのは?」
ヘルハルトは虫や魂のことも忘れてしまっていた。
これに、男は余分な情報をつけずに答えた。
「私は精霊が使えるから――と言っても何の事かわからないか? 要は、頭の中を修復できるということだ」
しかし今度は余分な情報が無さ過ぎるせいで、今のヘルハルトにはよくわからなかった。
それでも一つはっきりしたことについてヘルハルトは聞き返した。
「つまり、あなたが俺を助けてくれたということか?」
男は頷いた。
「ああ、そういうことになるな」
「そうか、ありがとう」
ヘルハルトは素直な礼を述べた後、再び尋ねた。
「俺は一体どうなってしまったんだ? 過去のことがほとんど思い出せない。この病気は治るのか?」
これに男は難しい顔で答えた。
「すまない。正直、私にもわからない」
「……」
その答えはヘルハルトの心に重くのしかかった。
それを感じ取った男は口を開いた。
「……あまり深刻に考えないほうがいい。治療師として長くやっているが、記憶障害は自然に治ったりするものだから。治療を続けていれば、きっと良くなる」
それは経験から生じた言葉であったが、それでもヘルハルトの心には響かなかった。
だから男は続けて口を開いた。
「……しばらくこの村にいるといい。気持ちの整理も必要だろう。ゆっくりするといい」
その言葉はヘルハルトの心に暖かく響いた。
ヘルハルトの心が少し軽くなったのを感じ取った男は安心して口を開いた。
「では、私は用事があるのでちょっと失礼するよ。明日にでもまた診てあげよう。今日は彼女の家に泊まるといい。彼女の親も了解済みだ」
「ああ、何から何まですまない」
そのお礼の言葉に男は「気にしなくていい」と答えながら背を向け、どこかに向かって歩き出した。
男のつま先はある場所を指していた。
ヘルハルトの隠れ家だ。
男はウソをついていた。色々と隠していた。
ヘルハルトに何があったのか男は知っている。記憶は残っていた。男はそれを覗き見た。
ヘルハルトがそれを思い出せないのは、男が細工をしたからだ。記憶領域に繋がる神経網を切ったのだ。
結論から言うと、記憶は大体残っていた。ヘルハルトの脳は果実による侵略にかろうじて打ち勝ったのだ。
男はその記憶を読み、ヘルハルトがどんな人間なのかを知った。
だから男はヘルハルトの記憶と能力を封印した。
それは村に危害が及ぶ可能性を排除するためであったが、それだけでは無かった。
ゆえに男はヘルハルトの隠れ家に向かっていた。
彼はもっと大きな商売がしたいとずっと思っていた。くすぶっていた。
そこに転機がやってきたのだ。
彼はヘルハルトの商売を乗っ取るつもりであった。
だから男は心の中でほくそ笑んでいた。
数日後――
「大変です!」
書類作業をしているルイスのもとに、一人の兵士が血相を変えて駆け込んできた。
「どうした?」
ルイスが尋ねると兵士は答えた。
「魔王が脱走しました!」
普通はこの報告に慌てるべきだろうが、ルイスは平然とした様子で聞き返した。
「どっちに逃げた? 方向は?」
「南です!」
その報告にルイスは危うく笑みを浮かべそうになった。
ちゃんと設定した通りに動いているな、思わずそんな心の声を大きく響かせそうになった。
だからルイスは小さく咳払いをして気を取り直した。
その咳払いの直後に兵士は再び口を開いた。
「偵察によると、魔王は南で残党と思わしき部隊と合流したようです!」
当然、この残党部隊はこちらで人格改造した兵士達である。
作戦は順調、それを確信したルイスは椅子から立ち上がった。
そしてルイスは真剣な表情を作りつつ、兵士に向かって命令した。
「全軍に伝えろ。これより我らは逃げた魔王の追撃と、残党の殲滅作戦に入ると」
◆◆◆
何もかも予定通りであった。
しかしそれはルイスが立てた予定とは違っていた。
事はアルフレッドの思い通りに進んでいた。
脱走したキーラは城下街からある程度離れたところで自我を完全に取り戻した。
ルイスを騙すための仮面が外れ、キーラは完全な自由を得た。
逃げてもいい。自分の意思で何でもできる。
が、
「……」
キーラはそうしなかった。
自分の背後には人形にされた兵士達が並んでいる。
彼らの洗脳を解いてもいい。
が、
「ごめんなさいね。少し私のわがままに付き合ってちょうだい」
キーラはそうしなかった。
キーラの意識は南に向いていた。
あれは放ってはおけない、誰かが立ち向かわなければ世界はメチャクチャになる、その確信があった。
そして自分は数少ない立ち向かえる人間の一人、そう思っていた。
だからキーラはその思いを声に出した。
「我々は南に進軍する! 化け物退治に行くわよ!」
人形達は返事はしなかったが、姿勢を一斉に正すことで忠実の意思を示した。
◆◆◆
一方、南でもキーラと同じように自我を取り戻した人間がいた。
「……?」
それはヘルハルト。
場所は知らぬ家の中。
原始的な作りの家屋。家主が出かけていることが一目でわかる狭さ。
ここはどこだ――情報を求めてヘルハルトが外に出ると、そこには想像通りの光景が広がっていた。
同じようなつくりの家屋が並んでいる。背景は森。
やはりここは部族の集落のようであった。
だが、人々の服装は違った。
簡素であったが、その格好は家屋よりは文明的であった。
外部との交流があることがわかる。
ヘルハルトがそんな人達を見回すと、視線が一斉に集まってきた。
その直後に声が響いた。
「*****!」
まだ十台と思われる女の子がこちらに向かって知らない言語を発している。
通じてない、それをすぐに察した女の子はヘルハルトのほうに近づきながら言いなおした。
「カラダ、ダイジョウブ?」
カタコトであるが、なんとか理解できた。
ヘルハルトが頷きを返すと、女の子は再び口を開いた。
「ゴメン、キタノコトバ、ニガテ」
目が少し泳いでいることから、女の子も困っているようであった。
だから女の子は、
「ヒトヲヨブ、マッテテ」
助けを呼びに走り出した。
◆◆◆
女の子は一人の大人を連れて戻ってきた。
同年代と見える男。
服装は女の子達よりも垢抜けており、同じ集落の人間には見えないほどであった。
まるで北の街からやってきたかのよう。
この場ではヘルハルトと同じくらい場違いに見えるその男は、目の前に立つと同時に口を開いた。
「気がついたようだな。調子はどうだ? 頭痛は残っていたりしないか?」
見た目どおりにその口調は滑らかであった。
ヘルハルトが首を振ると、男は次の質問に入った。
「何があったか覚えているか?」
「……」
ヘルハルトはしばし考えたが、思い出せなかった。
男はその沈黙を答えと受け取り、口を開いた。
「お前は森の中で倒れていた。それを彼女が見つけ、ここに運んできたというわけだ」
そう言われてもヘルハルトは思い出せなかった。
そして困惑し始めたヘルハルトに、男は決定的な質問をぶつけた。
「……名前は?」
この質問でようやく、ヘルハルトは自分がどれだけ深刻な状態にあるのか気付いた。
「……思い出せない」
しかしその答えを男は予想できていたようであった。
「だろうな」
ヘルハルトはそういうことなのか説明を求めようとしたが、先に男が口を開いた。
「私は外では商人を名乗っているが、ここでは精霊使いとして治療師もやっている」
その一言から男の服装が垢抜けている理由がはっきりしたが、男はさらに言葉を付け加えた。
「まあ、商人と言っても大したものじゃないがね。こちらにしか無い果物や野菜を北の人達の生活用品と交換してもらってるだけだ」
しかしその付け足された情報は今のヘルハルトにとってはどうでもいいことだった。
だからヘルハルトは気になっている単語について尋ねた。
「治療師、というのは?」
ヘルハルトは虫や魂のことも忘れてしまっていた。
これに、男は余分な情報をつけずに答えた。
「私は精霊が使えるから――と言っても何の事かわからないか? 要は、頭の中を修復できるということだ」
しかし今度は余分な情報が無さ過ぎるせいで、今のヘルハルトにはよくわからなかった。
それでも一つはっきりしたことについてヘルハルトは聞き返した。
「つまり、あなたが俺を助けてくれたということか?」
男は頷いた。
「ああ、そういうことになるな」
「そうか、ありがとう」
ヘルハルトは素直な礼を述べた後、再び尋ねた。
「俺は一体どうなってしまったんだ? 過去のことがほとんど思い出せない。この病気は治るのか?」
これに男は難しい顔で答えた。
「すまない。正直、私にもわからない」
「……」
その答えはヘルハルトの心に重くのしかかった。
それを感じ取った男は口を開いた。
「……あまり深刻に考えないほうがいい。治療師として長くやっているが、記憶障害は自然に治ったりするものだから。治療を続けていれば、きっと良くなる」
それは経験から生じた言葉であったが、それでもヘルハルトの心には響かなかった。
だから男は続けて口を開いた。
「……しばらくこの村にいるといい。気持ちの整理も必要だろう。ゆっくりするといい」
その言葉はヘルハルトの心に暖かく響いた。
ヘルハルトの心が少し軽くなったのを感じ取った男は安心して口を開いた。
「では、私は用事があるのでちょっと失礼するよ。明日にでもまた診てあげよう。今日は彼女の家に泊まるといい。彼女の親も了解済みだ」
「ああ、何から何まですまない」
そのお礼の言葉に男は「気にしなくていい」と答えながら背を向け、どこかに向かって歩き出した。
男のつま先はある場所を指していた。
ヘルハルトの隠れ家だ。
男はウソをついていた。色々と隠していた。
ヘルハルトに何があったのか男は知っている。記憶は残っていた。男はそれを覗き見た。
ヘルハルトがそれを思い出せないのは、男が細工をしたからだ。記憶領域に繋がる神経網を切ったのだ。
結論から言うと、記憶は大体残っていた。ヘルハルトの脳は果実による侵略にかろうじて打ち勝ったのだ。
男はその記憶を読み、ヘルハルトがどんな人間なのかを知った。
だから男はヘルハルトの記憶と能力を封印した。
それは村に危害が及ぶ可能性を排除するためであったが、それだけでは無かった。
ゆえに男はヘルハルトの隠れ家に向かっていた。
彼はもっと大きな商売がしたいとずっと思っていた。くすぶっていた。
そこに転機がやってきたのだ。
彼はヘルハルトの商売を乗っ取るつもりであった。
だから男は心の中でほくそ笑んでいた。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる