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Ep3 あの時こうしていれば、そんな二人の章(6)
しおりを挟む◆◆◆
その後はいろいろと大変だった。
手足を動かす力が尽きかけた頃、あなたと友人はようやくオーナーが気絶していることに気付いた。
そしてあなたと友人は二人でロープやらガムテープやら、細長いタオルやら、使えるものはなんでも使ってオーナーを縛り上げ、そのあとに警察を呼んだ。
あなたと友人の心が本当の意味で落ち着いたのは、サイレンの音が聞こえ始めてからのことであった。
◆◆◆
一週間後――
「次のニュースです」
あなたは実際に当事者となったその事件のニュースをディスプレイで見ていた。
画面の中にいる女性が喋り始める。
「山奥にある宿泊施設で、とても凄惨な事件が発生しました」
ドローンからの撮影だと思われる、上空からのペンションの映像が映し出される。
「警察は私情のもつれではないかという線で捜査を進めており――」
うさんくさい有識者の勝手な推測などを聞きながら、あなたは思った。
もしも、ボタンを掛け間違えるように、選択を少し間違えていただけで、悲惨な結末をむかえていたのではないか、と。
もしかしたら、もっと違う結末もあったのではないか、と。
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