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Ep1 あなたひとりの章(14)
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広間に戻ってきたあなたは映画を選びなおすことにした。
とにかく明るいもので気分を紛らわせよう、そう思った。
ゆえに選んだのはコメディ映画だった。
普段よりも音量を高くし、ソファーの上に体を横たえる。
このまま眠れたらいいのにと、あなたは思った。
そして何事も無く朝が来ればいいのに、と。
しかし眠気が来る気配は無かった。
ずっと窓がガタガタとうるさい、そのせいだ、そう思い込もうとしていた。
本当は分かっていた。不気味なのだ。本当は怖いのだ。
その恐怖のせいで映画の内容がまったく頭に入ってこない。
だから余計なことをあなたは考えてしまった。
この異常事態は祟りによるものなのだろうか? と。
馬鹿な、ありえない、あなたは理性で即座に否定した。
なぜなら、罰当たりなことをしたのは目覚めたあとだからだ。
だからこの異常事態は関係無い。
そのはずだ。
そう、そのはずだ。
あなたはその言葉を何度も心の中で唱えた。
自分を落ち着かせるために。
そしてそれは効果を発揮した。
「……」
ため息に見せかけた深呼吸でさらに気を紛らわせる。
が、直後、
「!」
耳に届いた異変の音に、あなたはソファーから跳ね起きた。
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