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Ep1 あなたひとりの章(10)
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「あれ? ご友人はどちらへ?」
友人が玄関から出たのとほぼ同時に、飲み物を持ってきたオーナーはあなたに尋ねた。
友人はコンビニに行ったことをあなたが答えると、オーナーは少し悩ましそうな顔で口を開いた。
「うぅん、ちょっと困りましたね。私も買い物に出ないといけないのですよ」
だからオーナーはあなたに尋ねた。
「申し訳ありませんが、お一人で留守をお任せしてよろしいでしょうか?」
これにあなたが「いいですよ」と答えると、オーナーは笑顔を見せ、
「ああ、よかった! では、申し訳ありませんがよろしくお願いしますね!」
そう言って、廊下の奥に消えていった。
重そうな玄関のドアの開閉音が響く。
そしてペンションから人の気配が無くなったのを感じたあなたは、正面のディスプレイのほうに意識を戻した。
いま観ているのはアクション映画。
もう既に何度か観たことがある映画だったので興奮は無かったが、それでも退屈しのぎにはなった。
「~~……っ」
ゆえに、あなたの口からはあくびが漏れた。
スキー疲れのせいだろう。少々眠い。
だからあなたはソファーの上に横になった。
睡魔が強くなってくるのを感じる。
このままだと確実に寝てしまうだろうなと、あなたは思ったが、別に寝てしまっても問題無いだろうとも思った。
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