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最終話 そして二人は
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◆◆◆
そして二人は
◆◆◆
俺は無事に志望校に合格した。
そして俺は彼女の両親に挨拶にいった。
彼女と同棲したい、彼女をつれていきたいということは去年のうちに伝えていたが、やはりもう一度会う必要があると思った。
彼女の両親は応援してくれた。
だから俺は頑張らないといけないなと思った。
バラ色の大学生活というものはあまり期待していなかった。ただ緊張のようなものだけがあったのを俺は覚えている。
それが将来というものに対してのプレッシャーだったことに気付いたのは、大学を卒業した後だった。
◆◆◆
カズノリが大学に行っているあいだに、わたしは調理師免許を取った。
そしてわたしは大学の近くで資格を活かした仕事に就き、彼にはバイトをやめてもらった。
勉学に集中してもらうためだ。
カズノリの成績は優秀と呼べるものになっていた。
カズノリはそれを活かしたほうがいい、活かすべきだとわたしは思った。
だからわたしは彼に大学院に進むように言った。
彼は最初迷っていたが、奨学金が取れたことをきっかけに院生になることを決断した。
院生になると二人の生活は少し変わった。
彼は夜遅くまで帰ってこないことが多くなった。
理系で、しかもバリバリの技術系の研究室ではそれは普通のことらしい。
しかしその甲斐あって、彼は名の知れた企業の研究開発部に就職することができた。
そして今のわたし達がどうなっているのかというと――
◆◆◆
そして今の俺達がどうなっているのかというと――
「朝だよ、起きて!」
彼女のこの一言で大体わかるだろう。
俺と彼女の関係はあまり変わっていない。
……いや、すまない。それはやっぱり正しくない。男女としての関係は変わった。
いまでは二人の将来では無く、家族としての将来をお互いに強く意識するようになった。将来どんな家庭築こうかとか、そんな話をするようになった。
やはりそれは二人が経済的に自立したことが大きいのだと思う。親のスネをかじっていた高校時代では芽生えにくい考え方だ。
しかし面と向かって「子供は何人ほしい?」なんて話し合うのは今でもちょっとドキドキする。
しかし彼女は積極的だ。今の部屋は三人以上で住むには手狭だからという理由で、もう不動産を回っている。
だが、俺はそんな彼女の元気さと行動力に支えられてきたのだろう。
そしてそれはこれからもきっと変わらない。そう思う。
Fin
そして二人は
◆◆◆
俺は無事に志望校に合格した。
そして俺は彼女の両親に挨拶にいった。
彼女と同棲したい、彼女をつれていきたいということは去年のうちに伝えていたが、やはりもう一度会う必要があると思った。
彼女の両親は応援してくれた。
だから俺は頑張らないといけないなと思った。
バラ色の大学生活というものはあまり期待していなかった。ただ緊張のようなものだけがあったのを俺は覚えている。
それが将来というものに対してのプレッシャーだったことに気付いたのは、大学を卒業した後だった。
◆◆◆
カズノリが大学に行っているあいだに、わたしは調理師免許を取った。
そしてわたしは大学の近くで資格を活かした仕事に就き、彼にはバイトをやめてもらった。
勉学に集中してもらうためだ。
カズノリの成績は優秀と呼べるものになっていた。
カズノリはそれを活かしたほうがいい、活かすべきだとわたしは思った。
だからわたしは彼に大学院に進むように言った。
彼は最初迷っていたが、奨学金が取れたことをきっかけに院生になることを決断した。
院生になると二人の生活は少し変わった。
彼は夜遅くまで帰ってこないことが多くなった。
理系で、しかもバリバリの技術系の研究室ではそれは普通のことらしい。
しかしその甲斐あって、彼は名の知れた企業の研究開発部に就職することができた。
そして今のわたし達がどうなっているのかというと――
◆◆◆
そして今の俺達がどうなっているのかというと――
「朝だよ、起きて!」
彼女のこの一言で大体わかるだろう。
俺と彼女の関係はあまり変わっていない。
……いや、すまない。それはやっぱり正しくない。男女としての関係は変わった。
いまでは二人の将来では無く、家族としての将来をお互いに強く意識するようになった。将来どんな家庭築こうかとか、そんな話をするようになった。
やはりそれは二人が経済的に自立したことが大きいのだと思う。親のスネをかじっていた高校時代では芽生えにくい考え方だ。
しかし面と向かって「子供は何人ほしい?」なんて話し合うのは今でもちょっとドキドキする。
しかし彼女は積極的だ。今の部屋は三人以上で住むには手狭だからという理由で、もう不動産を回っている。
だが、俺はそんな彼女の元気さと行動力に支えられてきたのだろう。
そしてそれはこれからもきっと変わらない。そう思う。
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