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第九話 もう一つの告白(2)

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   ◆◆◆

 進路相談の紙になんと書くか、わたしは少し悩んだ。
 だけど結局、わたしは「就職希望」で「調理師」と記入した。
 悩んだ理由、それは彼のことだ。
 彼はどうするんだろう、それが気になった。
 もしも高校卒業後に離れることになってしまったら? 遠距離でも今の関係を維持できるのだろうか? そんな不安があった。
 だからわたしは彼に聞いてみることにした。

   ◆◆◆

 そして時は訪れた。
 彼女が俺の進路について聞いてきたのだ。
 だから俺は今まで言えなかったことを告白することにした。

「実は、その進路について大事な話があるんだ」
「ん? なに?」

 いつも通りの調子で聞き返してくる彼女。
 対し、俺は緊張していた。顔にも表れていたはずだ。
 だから言葉を噛まないように気をつけていたのを覚えている。

「前から言おうと思っていたことなんだけど」

 しかし本番になると上手く言葉が出てこないものだ。
 だから俺は時間稼ぎになるセリフを使いながら、言葉を選んでいった。

「俺は大学に行こうと思ってる」

 彼女は「そうなんだ」とは答えなかった。
 気付いていたからだろう。

「バイトしてるのもそのためなんだ。うちはそんなに裕福じゃ無いから」

 だから次の言葉にも彼女は頷きを返しただけだった。
 ここまでは簡単に言えた。
 しかし本番はここからだった。

「でも君と付き合うようになってから思うようになった。高校を卒業したら俺達はどうなるのかなって」
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