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第五話 ふたりで迎える新年(1)

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   ◆◆◆

  ふたりで迎える新年

   ◆◆◆

 付き合い始めたことをきっかけに、わたし達は二人で初詣に行くことになった。

「どうかな? 変じゃない?」

 浴衣とは違う着心地に、自信が無かったわたしは尋ねたが、

「ぜんぜん変じゃないよ。よく似合ってる」

 彼はわたしの着物姿を褒めてくれた。

 クリスマスの直後にも二人でお出かけはしていたが、気持ち的にはこれが初デートという感じであった。
 新年であることが気持ちに作用しているのかもしれない。
 だからわたし達は少し遠出して、ちょっと名の知れた神社に行くことにした。

「やっぱり混んでるね」

 到着した直後、わたしはその第一印象を即座にこぼした。
 すると、彼は、

「手をつなごう」

 そう言ってわたしの手を握り締めた。
 それは俗に言う「恋人つなぎ」というやつであった。
 急なことで驚いたが、それ以上に照れくさかった。
 だから、

「……うん」

 わたしにはあまり意味の無い生返事を返すことしか出来なかった。

 そしてわたしは彼と並んで御参りした。
 何を願ったのかって?
 それは、彼と良い交際が出来ますように、だ。付き合い始めたばかりだからそれくらいしか思いつかなかった。
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