クトゥルフの魔法少女アイリスの名状しがたき学園生活

稲田シンタロウ(SAN値ぜろ!)

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第五話 わたし、島を出ます! (4)

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   ◆◆◆

 ブリッジでは艦長の声が響き続けていた。

「全砲門開け! 精霊による照準演算も開始!」

 これに、通信士の一人が応えた。

「既に精霊によるレーダーを展開中! ……情報来ました!」

 その言葉を聞いた艦長は伝声管に向かって声を上げた。

「全砲門狙え! 私の合図は待たなくていい! 当てられると思ったらそれぞれの判断で撃て!」

 直後、もう一人の通信士が口を開いた。

「敵が進路を変更! 背後を狙っています!」

 これに対し、艦長は即座に次の指示を出した。

「取り舵いっぱい! こちらの火力が最大になる位置関係を維持しろ!」

 その指示に操舵手が従った直後、最初の通信士が再び口を開いた。
 
「敵が大量の小型精霊を展開! 海中と空の両方から接近してきます!」

 これに対しても、艦長は即座に指示を返した。

「こちらも迎撃精霊を展開! 機銃の射手はもう配置についているな?! 一匹もこの船に近づけさせるな!」

 直後、口をはさむには頃合いと判断したルイスが口を開いた。

「艦長、一つよろしいか?」
「なにかね? ルイス殿」
「この船には私の私兵も乗せている。私の判断で彼らを動かしてもかまわないか?」

 艦長は悩んだが、すぐに返事を返した。

「問題無い。ただし、その者達の身の安全は保障しかねるぞ」

 その返事は予想できていたものであり、ゆえにルイスは既に頭の中にあった答えを返した。

「かまいません。その者達とはそういう契約になっていますので」

 丁寧にそう答えた後、ルイスは伝声管に声を響かせた。

「ルイスの名において命じる。魔導重装甲部隊、出動せよ。甲板に出て敵精霊の迎撃を行え」
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