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第三話 V・A (7)
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翌日――
わたしは森の中に呼び出された。
場所は完全な茂みの中。
野生動物が作ったと思われる細い道を頼りに、わたしはその場所にやってきたのだけど、
「ヴィーさん? どこですか?」
ヴィーさんは待ち合わせ場所にはいなかった。
おかしいなあ。ヴィーさんはわたしよりも先に家を出たはずなんだけど。わたしの朝のシャワーが長すぎて怒ったんだろうか?
それとも場所を間違えたのかなあ? でもわたしの感知能力はここだって言ってるんだけどなあ。
そんなことを考えながら周囲を見回した瞬間、
「!?」
ぞくりと、背中を何かが駆け上がった。
強烈な悪寒が沸き上がる。
違う。駆け上がったんじゃない。ぶつけられたんだ。それに反応して悪寒が生じたんだ。
それに気付くのと同時に、わたしは振り返りながら剣を抜き放った。
背後から迫っていた悪寒の正体と、わたしの剣がぶつかり合って火花を散らす。
見ると、殺意の正体はヴィーさんだった。
ヴィーさんは振り抜いた大太刀を鞘に戻しながら口を開いた。
「とりあえず、殺意に反応はできるか。ギリギリだったが、まずは良し」
そう言ってヴィーさんは腰のホルスターに左手を伸ばし、
「ではこれはどうだ?」
迷うことなく、ソレを抜いてわたしに向けた。
銀色に輝く大型の拳銃。装填されているのは象も殺せる大薬莢(だいやっきょう)。
直後に引き金が引かれ、火薬の炸裂音が響いた。
(え?)
銃で撃たれた、その事実をすぐに認識できなかった。
右肩が熱い。痛い。
その痛みでようやくわたしは何が起こったのかを理解した。
慌てて左手を右肩に当てる。
穴は開いてない。かすっただけ。
それを確認した瞬間、次の銃声が響いた。
今度はふとももに熱い痛みが走る。
痛みの大きさでわかる。これも当たってない。かすっただけ。
しかしそれに安堵する間も無く、ヴィーさんは冷たく言った。
「次は当てるぞ」
その言葉と共に、再びぶつけられた。
悪寒が背中を駆け上がるほどの強烈な殺意。
その悪寒に突き動かされるように、わたしは全力で地面を蹴っていた。
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