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お茶会 ②

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「俺の言動が違いすぎて戸惑ってるのか?」
 そういいながら、紫の茶葉が入ったお茶を僕のために淹れてくれる。

 おかしい!おかしすぎる!
「はい……」
 正直に答えると、
「俺はレオナルドと仲良くなりたい」
 予想もしていなかった言葉を言われた。

「お前は理由も言わず、俺の前からいなくなろうとして、俺は怒っていた。以前の手紙では、あんなにいろんなことを話してきたのに、肝心なところは何も教えてくれなかった。レオナルドにとって俺との文通は、取るに足らないものだったのか?」

「そんなこと、絶対にありません!僕にとって、ルーカス様との文通はミカのことを何でも話せて、素直な僕の気持ちもルーカス様の気持ちも言い合える、かけがえのないものでした。でもサイモンとのことがあって、行くあてのない僕がルーカス様の手紙を受け取ることも、送ることもできなくなる。だから黙って文通をやめたくなかったんです」

「それが本心?」
「はい、そうです」
 そう答えると、
「では許す」
 ルーカス様は微笑んだ。

「昨日、ミカエルからの手紙を読み返していた。ミカエルはずっとお前のことばかり書いていて、ミカエルが大好きだったレオナルドのことを、俺はもっと知りたいと思った。これからは本当のレオナルドを俺に教えて欲しい。見せて欲しいんだ」
「……」
「俺は他人との関わり方がよくわからない。もし不快な想いをさせたら、その、教えて、欲しい……」

 ルーカス様はそう言って、不安気に僕の様子を伺う。
 あの何でも完璧なルーカス様とは思えないような、心配そうなお顔。

「ぷ、あはははっ!」
 思わず笑ってしまった。
「!な、なぜ笑う!?」
 恥ずかしさからか顔を真っ赤にしながら、ルーカス様は僕を睨む。
 睨むと言っても全く怖くない。
 どちらかといえば、拗ねながら怒っているように見える。

「可愛いな、と思いまして」
「俺に向かって可愛いとはなんだ。可愛いとは!さてはレオナルドもミカエルと同じで、俺を年下の弟みたいに思っているな」
 ミカエルもそう思ってたんだ。
 そう思うとおかしくて、また笑ってしまった。
「やっぱりそう思っているな」
 怒っているけれど、可愛い。

 帝国の第二王子に思ってはいけないけど、可愛いものは可愛い。
 文通をしていた時も、色々話はしてた。でもここまで表情豊かだったとは思わなかった。
 宮殿ここに来てから辛いことばかりだったけれど、今、ルーカス様との話で僕は救われている。
「ルーカス様、ありがとうございます」
 そう言うと、
「なんの礼かわからならいが、レオナルドが俺に感謝してるなら、そてれでいい」
 いつもは大人びていても、こんな些細なことで少し嬉しそうなルーカス様は、年相応の16歳の青年に見えた。
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