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デート ②
しおりを挟む最近のサイモンはおかしい。
仕事の時はもちろん、仕事以外でもずっと僕と一緒にいてくれる。
書斎で書き物をしている時なんて、僕を膝の上に座らせたまま書き物をしようとして、アボットさんに怒られてたし、僕がアボットさんに質問してただけで、「どうして俺に聞いてくれない?」と拗ねたり。
自意識過剰かもしれないけど、サイモンは僕を甘やかしてくれている。
その度に、僕は嬉しくなって、くすぐったくなって、頬が赤くなってしまう。
僕が頬を赤らめるとサイモンは必ず「ミカエルは可愛いね」って、額や頬にキスをしてくれる。
そんなことをされると、本当にサイモンは僕のことが好きなんじゃないかと、思い違いをしてしまいそうだ。
大人のキスで、熱ってしまった身体と楔がなんとか落ち着いた時に、僕たちを乗せた馬車が街に着き降りると、そこにはいつもの街の雰囲気とは全く違っていた。
「わぁ、凄い!」
祭のように街中が飾られ屋台がたくさん並んでいる。
今日は年に一度、隣国からきた商人達が店を出すお祭りの日とサイモンが教えてくれた。
どこから見ていこうかとキョロキョロしていたら、珍しいと宝石で作られた指輪やネックレスにブローチのお店があったり、見たことのない果物が並んだ店もある。
子供達は琥珀色の鳥の形をしたお菓子を食べていて、お店の人に何かと聞くと、柔らかくした飴を練って色々な形を作る『ねり飴』というものだと教えてくれた。
僕は欲しそうな顔をしていたのか、サイモンが犬の形にしたねり飴を買ってくれ、食べたら本当に飴でびっくりした。
可愛い犬だったので、どこから食べるか迷っちゃう。
他にはミルクと卵と砂糖を合わせて冷やした『アイスクリーム』というものがあって、食べると本当に冷たくて甘くて、でもミルクな味もして、美味しすぎて2つも食べてしまった。
サイモンはたくさんの珍しい種類のお菓子をたくさん買っていると思ったら、どうやらそれは邸宅で働く使用人さんへのお土産らしい。
サイモンはよく気がついて、誰にでも優しい。
そんなサイモンだから、僕は大好きだ。
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