上 下
23 / 105

結婚初夜 ⑤

しおりを挟む
 サイモンの舌が口の中に入ってきて、舌と舌を絡め合わせる。

 舌を吸われたり上顎を舐め上げられると、そのまま意識がどこかにいってしまいそうになるぐらい、気持ちいい。
 どう息をしていいかわからず、頭がボーっとしてくる。

 身体に力が入らなくなってきて、ぐらりと倒れそうになった時、サイモンが片腕で支えてくれ、もう片方の手は前開きのネグリジェのボタンを外していく。

「違う場所にもキスしていい?」
「どこ……?」
 濃厚なキスで身体がとろけてしまいそう。

「こことか、こことか、こことか……」
 サイモンは人差し指で、僕の耳から首筋、肩をつーっとひと撫でする。
「それと、ここも」
 サイモンの手が乳首に触れると、

「っあ……」

 と、ビクンっと身体の奥の方で、何かが蠢いた。
 自分でも驚くほど吐息まじりの甘い声が出て、腰がビクッと少し跳ねた。

「キス、してもいい?」
 触れられたところに微量の電気が流れたように、ジンジンする。
 少し触れられただけなのに、もっと触れてほしくなる。

 うん。と頷くと、サイモンは僕の服を全て脱がせ床に落とす。
 そして僕をベッドの上に寝かせると、耳にキスをし、優しく触れるように首筋や肩にキスを落とす。
 キスをされるたび身体がふわふわし、心臓がドキドキする。

 肩に落とされたキスは徐々に下に降りていき、サイモンは乳首にキスをしてから、口の中で乳首を転がす。

「ふぁぁ…、あぁぁ……」

 得体の知れない刺激が、ビリッと乳首から腰の奥に響く。どうにも我慢できない感覚が走り、腰がベッドから浮く。

 片方の乳首は根本から舌で転がされ、もう片方の乳首は指先でこねられる。
 下ら舐め上げられ、乳首の先を甘噛みされると、

「ひやぁぁ……ああ…ッ」

 今まで聞いとことのないような甘い声が出てしまい、腰が跳ねる。
 きつく吸い上げられたり指先でこねられると、ピリっとした快楽の電流が走り、乳首の周りを円を描くように舐められたり。人差し指の先端で乳首の先を撫でられると、ゾクゾクするような刺激が背中を伝う。

 乳首を吸われながら色々な場所にキスをされ、身体がどんどん熱くなっていく。
 先ほど塗り込まれたバラの香りと、少しずつ濃くなっていく甘い香りが混ざると、お腹の奥がキュンキュンと疼く。

 この感じは……ヒート!
 そう思った途端、むせかえるほどのフェロモンが身体から発せられた。

 急激に体温が上がり胸が苦しい。
 お腹の奥が切なく疼き、楔の根本に熱い塊が集まってくる。
しおりを挟む
感想 158

あなたにおすすめの小説

僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました

楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたアルフォン伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。 ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。 喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。   「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」 契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。 アルフォンのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。

ふしだらオメガ王子の嫁入り

金剛@キット
BL
初恋の騎士の気を引くために、ふしだらなフリをして、嫁ぎ先が無くなったペルデルセ王子Ωは、10番目の側妃として、隣国へ嫁ぐコトが決まった。孤独が染みる冷たい後宮で、王子は何を思い生きるのか? お話に都合の良い、ユルユル設定のオメガバースです。

5回も婚約破棄されたんで、もう関わりたくありません

くるむ
BL
進化により男も子を産め、同性婚が当たり前となった世界で、 ノエル・モンゴメリー侯爵令息はルーク・クラーク公爵令息と婚約するが、本命の伯爵令嬢を諦められないからと破棄をされてしまう。その後辛い日々を送り若くして死んでしまうが、なぜかいつも婚約破棄をされる朝に巻き戻ってしまう。しかも5回も。 だが6回目に巻き戻った時、婚約破棄当時ではなく、ルークと婚約する前まで巻き戻っていた。 今度こそ、自分が不幸になる切っ掛けとなるルークに近づかないようにと決意するノエルだが……。

運命の番?棄てたのは貴方です

ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。 番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。 ※自己設定満載ですので気を付けてください。 ※性描写はないですが、一線を越える個所もあります ※多少の残酷表現あります。 以上2点からセルフレイティング

キンモクセイは夏の記憶とともに

広崎之斗
BL
弟みたいで好きだった年下αに、外堀を埋められてしまい意を決して番になるまでの物語。 小山悠人は大学入学を機に上京し、それから実家には帰っていなかった。 田舎故にΩであることに対する風当たりに我慢できなかったからだ。 そして10年の月日が流れたある日、年下で幼なじみの六條純一が突然悠人の前に現われる。 純一はずっと好きだったと告白し、10年越しの想いを伝える。 しかし純一はαであり、立派に仕事もしていて、なにより見た目だって良い。 「俺になんてもったいない!」 素直になれない年下Ωと、執着系年下αを取り巻く人達との、ハッピーエンドまでの物語。 性描写のある話は【※】をつけていきます。

獣人王と番の寵妃

沖田弥子
BL
オメガの天は舞手として、獣人王の後宮に参内する。だがそれは妃になるためではなく、幼い頃に翡翠の欠片を授けてくれた獣人を捜すためだった。宴で粗相をした天を、エドと名乗るアルファの獣人が庇ってくれた。彼に不埒な真似をされて戸惑うが、後日川辺でふたりは再会を果たす。以来、王以外の獣人と会うことは罪と知りながらも逢瀬を重ねる。エドに灯籠流しの夜に会おうと告げられ、それを最後にしようと決めるが、逢引きが告発されてしまう。天は懲罰として刑務庭送りになり――

僕はあなたに捨てられる日が来ることを知っていながらそれでもあなたに恋してた

いちみやりょう
BL
▲ オメガバース の設定をお借りしている & おそらく勝手に付け足したかもしれない設定もあるかも 設定書くの難しすぎたのでオメガバース知ってる方は1話目は流し読み推奨です▲ 捨てられたΩの末路は悲惨だ。 Ωはαに捨てられないように必死に生きなきゃいけない。 僕が結婚する相手には好きな人がいる。僕のことが気に食わない彼を、それでも僕は愛してる。 いつか捨てられるその日が来るまでは、そばに居てもいいですか。

【完結】選ばれない僕の生きる道

谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。 選ばれない僕が幸せを選ぶ話。 ※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです ※設定は独自のものです

処理中です...