56 / 77
真実 ⑥
しおりを挟む
嶺塚は子どもの細胞を見たが、異常は見当たらなかった。
だがもしもに備えて研究を続けながら、子どもを見守ろうと決める。
そのためには多額の資金が必要だった。
嶺塚はため研究者ををやめ、家業を継ぎ、密かに研究資金を作った。
だがそれだけは資金は足らず、闇の世界に足を踏み入れると、薬物、誘拐、人身売買が蔓延っていた。
嶺塚は施設を作り、人身売買で売られる子どもをできる限り保護した。
森本は「誘拐され売られそうになったのを旦那様に保護していただき、その施設で育ったのが私です」と付け加えた。
雅成の母親には女神の兆候は見られなかったが、それでも見守り続けていると、雅成に女神の兆候が現れていたことに気付いた。
その頃、雅成の前の女神の存在を知っていた人達の中で新しい女神のの話が上がるようになり、嶺塚が急いで雅成を養子にし、女神がいる闇オークションを開催し、誰が女神の主かを周知させたとのことだった。
「本当は旦那様は雅成様にあんなことさせたくないんです。でもそうしないと誰かに誘拐され、薬漬けにされもっと酷いことをさせられるかもと危惧なさっていました。雅成様はどうして女神に挿入できるのは伴侶だけだとご存じですか?」
「それは……伴侶以外が挿入すると女神の効力がなくなるからなんじゃないんですか?」
「建前上そうなんですが、本当は違うんです」
「え?」
「本当はそんなことないんです。でもそう言えば、雅成様は拓海様……愛する人以外と行為をしなくていいからです。旦那様は雅成様にも拓海様にも辛い思いをさせたくなかったんです」
「!」
考えもしなかったことに、雅成は言葉をなくす。
「それは他のキャストも同じです。彼らは愛し合った者同士です。しかもキャストになると志願した施設出身者ばかりです」
「え? みんなそうなんですか?」
「はい。オークションでの売り上げは全て人身売買で売られそうになった子ども達の保護のために、研究費は旦那様の資産を削って出されています」
「……」
「旦那様はみんなには美味しいものを食べなさいとたくさんご馳走してくださるのに、自分はお茶漬けでいいと決して贅沢をされない方です。だから私たちは旦那様のため、旦那様が大切に思われてている雅成様、拓海様のため、キャストになったり研究者になったり専属のSPになったり、料理人になったりしてお仕えしているんです」
嶺塚の周りにいる人達のほとんどが、嶺塚が助けた子ども達だった。
そして今、拓海は嶺塚から子ども達保護の仕事を任されるようになってきたと聞かされた。
だがもしもに備えて研究を続けながら、子どもを見守ろうと決める。
そのためには多額の資金が必要だった。
嶺塚はため研究者ををやめ、家業を継ぎ、密かに研究資金を作った。
だがそれだけは資金は足らず、闇の世界に足を踏み入れると、薬物、誘拐、人身売買が蔓延っていた。
嶺塚は施設を作り、人身売買で売られる子どもをできる限り保護した。
森本は「誘拐され売られそうになったのを旦那様に保護していただき、その施設で育ったのが私です」と付け加えた。
雅成の母親には女神の兆候は見られなかったが、それでも見守り続けていると、雅成に女神の兆候が現れていたことに気付いた。
その頃、雅成の前の女神の存在を知っていた人達の中で新しい女神のの話が上がるようになり、嶺塚が急いで雅成を養子にし、女神がいる闇オークションを開催し、誰が女神の主かを周知させたとのことだった。
「本当は旦那様は雅成様にあんなことさせたくないんです。でもそうしないと誰かに誘拐され、薬漬けにされもっと酷いことをさせられるかもと危惧なさっていました。雅成様はどうして女神に挿入できるのは伴侶だけだとご存じですか?」
「それは……伴侶以外が挿入すると女神の効力がなくなるからなんじゃないんですか?」
「建前上そうなんですが、本当は違うんです」
「え?」
「本当はそんなことないんです。でもそう言えば、雅成様は拓海様……愛する人以外と行為をしなくていいからです。旦那様は雅成様にも拓海様にも辛い思いをさせたくなかったんです」
「!」
考えもしなかったことに、雅成は言葉をなくす。
「それは他のキャストも同じです。彼らは愛し合った者同士です。しかもキャストになると志願した施設出身者ばかりです」
「え? みんなそうなんですか?」
「はい。オークションでの売り上げは全て人身売買で売られそうになった子ども達の保護のために、研究費は旦那様の資産を削って出されています」
「……」
「旦那様はみんなには美味しいものを食べなさいとたくさんご馳走してくださるのに、自分はお茶漬けでいいと決して贅沢をされない方です。だから私たちは旦那様のため、旦那様が大切に思われてている雅成様、拓海様のため、キャストになったり研究者になったり専属のSPになったり、料理人になったりしてお仕えしているんです」
嶺塚の周りにいる人達のほとんどが、嶺塚が助けた子ども達だった。
そして今、拓海は嶺塚から子ども達保護の仕事を任されるようになってきたと聞かされた。
7
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
お客様と商品
あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる