αとβとΩと俺 〜αの番には運命のΩがいて… βの俺が出来ることは…〜

葉月

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ー蒼の寝坊 ③ 伊吹sideー

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「実は抑制剤、新しいのに変えたんだ」
「え?どうして?」
「前のより少し効果の持続時間が長いのにしたくて、和臣兄さんに変えてもらったんだ」
蒼は新しい薬を伊吹に見せた。
白と紫のカプセル錠。

こんな薬、初めて見た。

伊吹は蒼が抑制剤を飲むのをよく見ていたので、初めて見る薬に戸惑った。

いつもは水無しでも飲める錠剤だけど、これは本格的な薬みたい。

「一日何錠とかあるの?」
「頓服みたいな物だから、6時間に一回、1日3錠まで」
伊吹が薬をもう一度見ると、すでに3錠飲んだ形跡がある。

昨日家に帰ってきたのが夕方。
その後いつもの薬は飲んでいたけど、この飲んでいるところをは見ていない。
ということは、夜中起きた時に飲んでた?
3錠も?

「6時間空けてないじゃん!」
「初めて飲む薬だから、効きがあまり良くなくて…。でも、そんな飲み方もうしないから大丈夫」
「蒼はさっきから『大丈夫、大丈夫』ばっかり。全然大丈夫じゃない‼︎」
伊吹は心配のあまり、声が少し大きくなる。
「ごめん。でも本当に、もう大丈夫。それより今日の講義は一回ぐらい休んでも大丈夫だから、もう帰ろ」
蒼は自分の荷物と伊吹の荷物を片付けだした。

蒼が講義休もうなんて初めて…

「どうして?」
伊吹が聞くと、
「伊吹、少しだけだけどフェロモン出てる」
蒼は言った。
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