αとβとΩと俺 〜αの番には運命のΩがいて… βの俺が出来ることは…〜

葉月

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蜘蛛と巣と蝶 ③

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(あ、これ、孝司が学園に遊びきてくれるようになった時だ……)
  

学園の園庭にいる孝司の周りに集まってくる子供たちの姿の中には、柚の姿も。

「孝司お兄ちゃん、今日はなにして遊んでくれるの?」
柚が尋ねると、
「今日はね、清美先生から、『今月のお誕生日会に来てください』って誘っていただいてね」
孝司は嬉しそうに微笑む。
「この前のお誕生日会は孝司お兄ちゃん来てなかったのに、どうして?」
孝司の答えが不思議でたまらないと言うふうに、柚は孝司を見上げた。
「それは、僕が今月お誕生日だから一緒にお祝いしてくれるんだって。清美先生がおっしゃってたよ」
「孝司お兄ちゃん、お誕生日なの⁉︎すごい‼︎お兄ちゃんは何歳になるの?」
「もうすぐ15歳」
「15歳‼︎大きいね~。僕は8歳だから、お兄ちゃんは僕より………。15一8だから………‼︎あ!僕より7歳年上だね!」
歳の差を計算できるた事を得意げに、柚は孝司を見上げる。
「‼︎凄いね柚くん‼︎」
孝司は驚き、目を丸くした。
「僕、お勉強好きなんだ」
楽しそうに柚は笑うと、
「凄いね。僕はあんまり好きじゃないというか……苦手…」
孝司は何かを思い出したかのように、苦笑いをした。
「孝司お兄ちゃんは勉強好きじゃないんだ……。
じゃあ、今度僕が教えてあげるよ‼︎きっと楽しいよ」
柚の言葉に、孝司はまた目を丸くした。
「‼︎‼︎ありがとう。楽しみにしてる」
孝司は笑いを堪えた。

すると、また水面が波打ち、次の映像が映し出される。
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