αとβとΩと俺 〜αの番には運命のΩがいて… βの俺が出来ることは…〜

葉月

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孝司との出会い ③

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「さて、どうしようか……」
ポツンと残された孝司が呟くと、
「お兄ちゃんお名前は?」
「どこから来たの?」
「おじさんとは仲良しなの?」
「何して遊ぶ?」
子供達から嵐のような質問攻めにあう。
「‼︎沢山の聞きたいことが、あるんだね。じゃあ、その質問に答えるから…、あの木の下のベンチに座って、みんなでお話ししよう」
孝司が大きな木の下にあるベンチを指差す。
「やったー‼︎最初の質問はぼくだからね‼︎」
子供達は大喜びでベンチに向かう。
そんな中、
「君は行かないの?」
たちすくむ柚に孝司は声をかけた。
「だって先生が『知らない人にはついて行ちゃダメ』って…」
柚がこわごわいうと、
「あはははは‼︎」
孝司は楽しそうに笑い、柚と同じ目線になるようしゃがむ。
「はじめまして、僕は堀内孝司。堀内おじさんの息子だよ」
孝司は微笑みながら、自己紹介をした。
「ムスコってなに?」
柚が尋ねる。
「うーん。堀内おじさんの、子供ってこと」
「じゃあ堀内のおじさんは、お兄ちゃんのお父さん?」
「そうだよ。僕のお父さん。君の名前は?」
「ぼく、南部柚‼︎小学2年生です‼︎」
柚は元気に自己紹介をし、孝司に手を差し出すと、
「はじめまして、柚くん。よろしくね」
その手を孝司は握り返した。
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