αとβとΩと俺 〜αの番には運命のΩがいて… βの俺が出来ることは…〜

出会い ① 伊吹sideー

蒼のバカ‼︎
俺が気が付かないとでも思っているのか⁉︎


蒼が行ってしまってから、伊吹は自分自身と葛藤していた。

蒼と柚が会ってるのは確かだと思う。
じゃあなんで言ってくれないの？
どうして、あんな悲しそうな顔するの？

頭の中では『どうして？どうして？』が繰り返されていたが…………


えーーーーーーい‼︎
決めたじゃないか‼︎
もうマイナスなことは考えない！
明るくいこうって‼︎
蒼が蒼の判断で言わないって決めたんだったら、蒼を信じるだけだよ！
うじうじ悩んでいる伊吹になんかに、負けない！

伊吹は丸くくるまっていた布団から飛び起きると、
「俺だって、出かけてやるんだ‼︎」
1人、宣言のように叫んだ。

ま、どこに行くかは決まってないけどね。

伊吹は心の中でそう呟くと部屋を出た。