αとβとΩと俺 〜αの番には運命のΩがいて… βの俺が出来ることは…〜

葉月

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ーーまさか① 蒼sideーー

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「柚。確かなのは今のままは絶対にダメだ。そうしないと……」
「でも、俺が怒らせなかったら大丈夫な話だよ」
柚は自分の言葉に何の疑問もたないように、蒼に言った。

!!
これは今の柚に言ってもダメだ。
俺が対策を考えないと……

「あ、蒼。この事はこの前一緒にいた伊吹くんには言わないで」
柚は少し困った顔をした。
「どうして?」
「伊吹くんに迷惑かけられない。孝司はいい人だけど、伊吹くんみたいな人には危害を加えるかもしれない…」
「?どういう意味?」
「蒼はアルファだから大丈夫だけど、彼はオメガの気配がしたから…」
「??伊吹はベータだよ」

そう伊吹はベータ。
なのにどうしてオメガの気配がした?

「オメガの気配っていっても、ほんの少しだけだったけど、したんだ。本当に。俺そういうの敏感だから…」
「…」
「もしかしてら伊吹くん家族にオメガの人がいるのかも…。ごく稀に家族にオメガがいたら検査でベータの結果が出ても、微量のオメガ体質が混ざってる事があるみたいなんだ。容姿や香りがオメガよりになってたり…」
「‼︎」

蒼はハッとした。
それは伊吹の寝顔を初めて見たとき、身体全体の血液が逆流したかと思うぐらいの衝撃を受け、

『俺の番だ』

と、確信したからだ。
それは初めて感じた本能のようなものだった。
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