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オメガバース
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この世界には性別ほかに、特殊な性質を持って人々は生まれてくる。
特殊な性質それはα(アルファ)、β(ベータ)、Ω(オメガ)だ。
α≪アルファ≫
生まれつきエリートでリーダー的、ボス的な気質を持っており、家系が強く影響し、社会的地位や職業的地位の高い者が多く、企業や政界でトップに君臨している人は、このアルファが多い。
β。≪ベータ≫
人口の8割りほどをしめ、特に大きな特徴はない人がほとんどだが、アルファほどの能力者はいなくとも、能力の高いものも少なからずいる。
そして最後がΩ。≪オメガ≫
オメガの人口はアルファより少なく、またオメガだという事を隠している人も多いため、正確な人数はわからない。
オメガの特徴は大きく分けて2つある。
まず1つ目は、15歳ぐらいを境に『ヒート』という生理現象が起こり、その時期は女性であっても男性であっても妊娠するということだ。
『ヒート』は約3ヶ月に一度訪れ、その期間は7~10間ほど。
ヒート期間中はベータや、特にアルファを誘惑してしまうフェロモンが出、このフェロモンにあたると、特にアルファは見境なく欲情してしまうので、『ヒート』前にはかならず、『ヒート抑制剤』の服用する事が必須となる。
だが、このフェロモンを抑える方法はもう一つある。
それは生涯を共にするアルファに頸を噛んでもらい、番(つがい)になること。
番になればその2人には強い絆が生まれ、そのオメガのフェロモンは頸を噛んだアルファだけに反応し、他の人には反応しない。
だからもう闇雲にヒート時に襲われる心配はなくなるのだった。
そして2つ目の特徴。
それはオメガのほぼ100%といっていいほど、容姿がとても美しく、人々を魅了する力を持っている。
そんな世界の中、伊吹や蒼は生きている。
蒼は容姿、能力、頭脳、全てに関してアルファの特質を兼ね備えている。
だが、伊吹の容姿はベータにしては珍しく、可愛さの中にあり、時折見せるオメガ特有の艶かしさで、他の人を惹きつけた。
伊吹もそれは自覚していたようで、もしオメガなら早くに準備をしないと大変な事になると、2度も検査を受けたが、その度に出る結果は決まって同じ、
『あなたはベータです』
の、通知だった。
今日は祝日で土曜日。
明日も大学が休みなので2人ともゆっくり起きて、2人で作った朝食を楽しんでいた。
「ねぇ、伊吹。今日、本屋に行くの付き合って」
「いいけど、どうしたの?いつも本は電子書籍なのに」
伊吹と蒼。
どちらも読書が好きだが、
伊吹は紙媒体派。
蒼は電子書籍派だった。
「昨日、夢に出てきたんだ。伊吹と一緒に初めて読んだ、あの本」
「あー確か高校生だったころに流行った、あの本」
ホームルームが長かった伊吹のクラスが終わるまで待っている間、いつも蒼が読んでいた本格推理本。
『今回は騙されないぞ‼︎って思いながら読んでいても、最終最後のどんでん返しで、いつも驚かされる』
って言って、2人で一緒に読んだっけ。
「その本がどうしたの?」
「あれ、記念に置いておいて、また伊吹と一緒に読みたくて。そうしたら、またあの時のこと思い出すだろ?」
「?そんな事しなくても、忘れるほど前の話じゃないのに」
特に蒼の記憶力は凄いから、忘れる方が難しいと思うんだけど…
「だって、あの本読んでた時、伊吹が初めて誘ってくれたじゃん」
「?」
「ほら、半年記念に、セッ……」
「あーーーーーー‼︎‼︎」
蒼が最後まで言ってしまう前に、蒼がなんと言おうとしているかわかった伊吹は、慌てて言葉を遮るように蒼の口を両手で塞ぎ、大きな声を出した。
「蒼‼︎なんて事を言おうとしてるんだよ‼︎」
その時のことを思い出して、伊吹が顔を真っ赤にした。
「……。そんなに慌てなくても、俺達2人しかいないじゃん」
ゆっくり伊吹に塞がれた手を離し、蒼が楽しそうに笑う。
「そういう問題じゃない‼︎蒼のバカ!」
伊吹が蒼の肩をポカポカ叩くと、蒼はまた楽しそうに笑い、
「繋がってる時は積極的なのに、こういう時は恥ずかしがる伊吹も好きだよ」
伊吹の額にキスをした。
特殊な性質それはα(アルファ)、β(ベータ)、Ω(オメガ)だ。
α≪アルファ≫
生まれつきエリートでリーダー的、ボス的な気質を持っており、家系が強く影響し、社会的地位や職業的地位の高い者が多く、企業や政界でトップに君臨している人は、このアルファが多い。
β。≪ベータ≫
人口の8割りほどをしめ、特に大きな特徴はない人がほとんどだが、アルファほどの能力者はいなくとも、能力の高いものも少なからずいる。
そして最後がΩ。≪オメガ≫
オメガの人口はアルファより少なく、またオメガだという事を隠している人も多いため、正確な人数はわからない。
オメガの特徴は大きく分けて2つある。
まず1つ目は、15歳ぐらいを境に『ヒート』という生理現象が起こり、その時期は女性であっても男性であっても妊娠するということだ。
『ヒート』は約3ヶ月に一度訪れ、その期間は7~10間ほど。
ヒート期間中はベータや、特にアルファを誘惑してしまうフェロモンが出、このフェロモンにあたると、特にアルファは見境なく欲情してしまうので、『ヒート』前にはかならず、『ヒート抑制剤』の服用する事が必須となる。
だが、このフェロモンを抑える方法はもう一つある。
それは生涯を共にするアルファに頸を噛んでもらい、番(つがい)になること。
番になればその2人には強い絆が生まれ、そのオメガのフェロモンは頸を噛んだアルファだけに反応し、他の人には反応しない。
だからもう闇雲にヒート時に襲われる心配はなくなるのだった。
そして2つ目の特徴。
それはオメガのほぼ100%といっていいほど、容姿がとても美しく、人々を魅了する力を持っている。
そんな世界の中、伊吹や蒼は生きている。
蒼は容姿、能力、頭脳、全てに関してアルファの特質を兼ね備えている。
だが、伊吹の容姿はベータにしては珍しく、可愛さの中にあり、時折見せるオメガ特有の艶かしさで、他の人を惹きつけた。
伊吹もそれは自覚していたようで、もしオメガなら早くに準備をしないと大変な事になると、2度も検査を受けたが、その度に出る結果は決まって同じ、
『あなたはベータです』
の、通知だった。
今日は祝日で土曜日。
明日も大学が休みなので2人ともゆっくり起きて、2人で作った朝食を楽しんでいた。
「ねぇ、伊吹。今日、本屋に行くの付き合って」
「いいけど、どうしたの?いつも本は電子書籍なのに」
伊吹と蒼。
どちらも読書が好きだが、
伊吹は紙媒体派。
蒼は電子書籍派だった。
「昨日、夢に出てきたんだ。伊吹と一緒に初めて読んだ、あの本」
「あー確か高校生だったころに流行った、あの本」
ホームルームが長かった伊吹のクラスが終わるまで待っている間、いつも蒼が読んでいた本格推理本。
『今回は騙されないぞ‼︎って思いながら読んでいても、最終最後のどんでん返しで、いつも驚かされる』
って言って、2人で一緒に読んだっけ。
「その本がどうしたの?」
「あれ、記念に置いておいて、また伊吹と一緒に読みたくて。そうしたら、またあの時のこと思い出すだろ?」
「?そんな事しなくても、忘れるほど前の話じゃないのに」
特に蒼の記憶力は凄いから、忘れる方が難しいと思うんだけど…
「だって、あの本読んでた時、伊吹が初めて誘ってくれたじゃん」
「?」
「ほら、半年記念に、セッ……」
「あーーーーーー‼︎‼︎」
蒼が最後まで言ってしまう前に、蒼がなんと言おうとしているかわかった伊吹は、慌てて言葉を遮るように蒼の口を両手で塞ぎ、大きな声を出した。
「蒼‼︎なんて事を言おうとしてるんだよ‼︎」
その時のことを思い出して、伊吹が顔を真っ赤にした。
「……。そんなに慌てなくても、俺達2人しかいないじゃん」
ゆっくり伊吹に塞がれた手を離し、蒼が楽しそうに笑う。
「そういう問題じゃない‼︎蒼のバカ!」
伊吹が蒼の肩をポカポカ叩くと、蒼はまた楽しそうに笑い、
「繋がってる時は積極的なのに、こういう時は恥ずかしがる伊吹も好きだよ」
伊吹の額にキスをした。
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