【完結】偽りの花嫁 〜すり替えられた花嫁は冷血王子から身も心も蕩けるほどに溺愛される〜

葉月

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重なり合う ④

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「アレク、もう…我慢、できない……」

 はしたないとわかっていている。
 でも自分から進んで四つん這いになり、アレクに双丘を向けると両手で押し広げ、縦に割れた蕾を見せつける。

「解さなくていいから、もう、挿れて」
 そう言ったのにアレクは楔は挿れてくれず、蕾の周りを指で撫でた。

「可愛くおねだりしてもダメだ」
 耳元で囁き、ぷつりと指を入れる。
 媚肉を押し上げるように広げられ、足の先からと熱が込み上げてくる。
 でも欲しい刺激じゃない。

「早く…早く、挿れて…」

 アレクの指がより奥に入ってくるように腰を振る。
「ダメだ。たっぷり解さないと」
 一本だった指が二本に増やされ、弱いところをぐっと押されて、腰を大きく反り返す。
「ほら、こうしたらもっと気持ちよくなるぞ」
 そう言い終わらないうちに、アレクは媚肉と楔を同時に擦る。 

「ひぃ、やぁぁ…あぁ…っ」

 頭が焼き切れそうな刺激。シーツを掴み、そこから逃げ出そうと思うのに、その力が出ない。
 楔から滴る蜜がアレクの手の中で、グチュグチュと音を鳴らし、媚肉の中の液も蕾から流れ出て太腿を伝う。

「ふ、んん…ぁ、あぁぁ…はぁ…ぁぁ」

 指は三本に増やされ、弱いところを不規則に押される。もう頭の中は何も考えられない。
 ただただアレクの手に翻弄されるだけ。

「アレク…もう、挿れて…、ぐちゃぐちゃに、して…、アレク…しか、考えられないように…してっ!」

 中が切なすぎて苦しくて、涙が浮かんでくる。
「優しくしたかっただけで、泣かせるつもりはなかったんだ」
 アレクは優しく頭を撫でてくれてから、蕾に楔の先端を当てる。
 やっとアレクと繋がれると思うと、背中がゾクゾクとわななく。

 ゆっくりと楔が入ってきて媚肉を押し広げ、アレクの形に変わる。
 じわりじわりとこじ開けられ、指が届かなかった場所も広げ、弱いところをカリで引っ掛けたと思った途端、

「んっ、ああぁぁ…ーーーっ」

 一気に最奥まで貫かれ、目の前に火花を散らせながら楔がから蜜が放たれた。全身が粟立ち、ガクガク震える。
 まだ余韻が残っているのにも関わらず、アレクは止まることなく、深く浅く楔を律動させる。

「アレ、クっ…まだ、イッ…てる…ひぃや、ぁぁ…っ」

 早く挿れて欲しいといったけど、こんなに早急にされると意識が飛びそう。

 打ち付けられるたび、叫声に似た喘ぎ声を出してしまい、閉じられない口角から唾液が流れた。
 弱いところをごりごりと突き上げられ、虐められる。耐えられない快楽の波に襲われる。

「もう、もうっ…また、イッく….イクうぅ…~~っ!」

 頭の先から足の先まで電流が走り、腰の中で熱い塊となった悦楽が楔の先端からはぜた。
 達したばかりの媚肉はアレクの楔を締め上げ離さず、アレクは律動を緩めず、より早める。

「ダメ…っ、アレク…、イクっ…また…また…っ、あああ、あぁぁ…ーーーーーっ!」

 蜜を放ちながら頭が真っ白になり、気が遠くなる。全身が小刻みに震え、これ以上は無理だと感じた。

「アレク…、もう、もう……」

 もう無理。
 そういいたいけれど、喘ぎすぎて言えない。

「止まっ……って……」

 哀願しても止めてもらえない。止まらない律動と共に背後からアレクの荒い息が聞こえ、その息遣いでより感じてしまった。
 急に身体が宙に浮いたかと思うと、あぐらをかいたアレクの膝の上に対面になるように座らさせれ、挿入される。

「あ、あっ…ひぃ……ぃ、あぁぁ~~っ!」

 最奥の壁をさらに押し上げられ、限界まで身体を仰け反らせで達してしまう。

 この体勢で突かれ続けたら、どうなるのだろう。
 そんなことが頭を掠めたが、気付くより先に最奥を何度も何度も突かれ、ぐりっと押し込まれ、その度に絶頂へと誘われ、もう蜜が出ないほどイキ狂う。

「アレク……アレク…」

 名前を呼べば、
「愛してる。ユベール愛してる」
 口付けを交わしてくれる。快楽と幸せが入り混じり、涙が溢れる。 

「アレク…愛してる……」

 自ら腰を揺らして、アレクをより奥で受け止める。身体の芯から快楽で震え、絶え間なく与えられる快楽が電流のように身体を貫く。

「アレク…もっ、無理……、中に、中に出し…て…っ!」

 欲しい。アレクの精を最奥にぶち当てて欲しい。
「愛しいユベール、一緒にイこう…」
 コクコクと頷くと、僕をベッドに押し倒し覆い被さりながら、媚肉を擦り上げる。

 蕾近くまで楔を抜かれて、そのまま一気に弱いところもすぼまった媚肉も広げられ、最奥を楔の先端で押し込まれる。

 汗ばんだ互いの肌が触れ合い、一つになってどこまでも溶けてしまいそう。

「ん…ンン…ふぅ…ぅん…」

 深く口付けをされ舌を吸われると、喘ぎ声がアレクの口の中にこもる。
 口付けをされながら律動されると、身体の中で淫楽が蠢き波のように襲ってくる。

「ああっ…ああ…っ」

 熱を帯びた身体が甘く痺れ、たまらない。もう快楽で、身体がバラバラになってしまいそう。

「あっ、ひぃ…ダメ……壊、れる…壊れ、ちゃう…っ、イく…イっちゃ…うぅぅ…っ!」

 アレクの首に腕を回すと、アレクは抱きしめ返してくれる。
「ユベール、俺も限界だ。一緒に、イこう」
 荒い息遣いでアレクがそういうと、一段と大きく腰を振り、

「んんああぁああ…っ!」
「っつ!」

 二人同時に達し、僕はアレクの精を最奥で受け止めると、そのまま意識を手放した。
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