【完結】偽りの花嫁 〜すり替えられた花嫁は冷血王子から身も心も蕩けるほどに溺愛される〜

葉月

文字の大きさ
上 下
106 / 109

重なり合う ③

しおりを挟む
「中が切ないのか?」

 アレクは僕の頭を撫でる。
 くさびを咥えたまま頷くと、抱き上げられそのままベッドに押し倒される。

「好きだ」
 唇と唇が重なる。
 どちらともなく口を開くと舌を絡め合い、唾液が混じる音がする。

「う…ぅん……ンン…」

 息が止まりそうになるほど深く口付けられ、身体の力が抜けていく。
 それでも求められるのが嬉しくて、アレクの首に腕を回した。肌と肌が触れ合うのが、今までよりも気持ちいい。

「今日は抱くぞ。いいか?」
 そう言われただけで、これからされることへの期待で胸が高鳴る。
「うん」
 そう答えるとアレクは僕の耳を甘噛みし、耳の中にふぅ~っと息を吹きかける。

「は、ぁぁ…」

 ずくんと楔の根本が疼く。
 アレクは首筋に啄むような口付けをする。
 肩に、鎖骨に脇腹に……。
 優しく、時折きつく吸われて、甘い吐息が漏れた。そして乳首を軽く口付けされると、

「あ…っ」

 甘くい声が漏れてしまった。
 乳首を口に含まれ、舌先で転がされ、甘噛みされ、じゅるりと吸われる。もう片方の乳首は人差し指と親指で摘まれ引っ張られたり、乳首の先を爪で引っ掻かれたり。

「う…ぅ、ん…ふぁ…ぁぁ……」

 熱の塊が乳首の根本から、楔の根本に広がた。早くそこを触って欲しくて、足元がもじもじしてしまう。
「ユベールは[乳首ここ、好きだろ?」

「ひぃ、やぁぁ……」

「好きか?」

「好…き…、吸われるの…好き……」

 乳首を吸い上げながら訊かれると、自分がとてもいやらしいのを気付かされる。
 でも、もっと虐められたい。

「もっと…舐めて…」

 我慢できずにアレクの顔の前に、乳首を突き出してしまう。
 アレクは愛おしそうに微笑むと、尖らせた舌で、円を描くように乳輪を舐める。
 気持ちいい。
 でも違う。
 期待している刺激は、もっと身体の芯を熱くするもの。

「ちが…う…」

 羞恥心に襲われながらも、また乳首を突き出す。
「違う?どうして欲しいんだ?」
 アレクは乳首に息を吹きかけるだけで、何もしてくれない。

「もっと、気持ちよく…して…」

 そういうとアレクはにやりっと口角をあげ、僕の両太腿を大きく開かせ、

「ああ……ぁぁ…っ!」

 快楽で反り返っている楔を、アレクは口淫した。

「ちがっ…ダメ……、ああ…や、だめ……」

 アレクの口から楔を抜こうとしても、アレクがガッチリと腰を掴み離してくれない。
 睾丸を揉まれながら尖らせた舌で裏筋を舐められると、涙が出るほど気持ちいい。

「はぁぁ、ああ……ァン…」

 蜜口から透明な蜜が滲み出すと、アレクはその蜜を人差し指につけ、指の腹で先端を撫でる。

「んんぅ、あっ…あぁ…っ、気持ち…いい…」

 時折爪で蜜口を広げられるたびに、甘い叫声をあげてしまう。
 先端ばかり弄られていると、急に口で咥えこまれ吸い上げられる。
 予期せぬ快楽に内股が痙攣し、蕾がパクパクと蠢く。

「アレク、だめ、抜いて…、ダメ…っ、あ、あぁっ…イく…い、いくぅぅ~~っ!」

 太腿を痙攣させながら、アレクの口の中に蜜を放ってしまい、アレクは喉を嚥下させながら蜜を飲み干す。
しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

「その想いは愛だった」騎士×元貴族騎士

倉くらの
BL
知らなかったんだ、君に嫌われていたなんて―――。 フェリクスは自分の屋敷に仕えていたシドの背中を追いかけて黒狼騎士団までやって来た。シドは幼い頃魔獣から助けてもらった時よりずっと憧れ続けていた相手。絶対に離れたくないと思ったからだ。 しかしそれと引き換えにフェリクスは家から勘当されて追い出されてしまう。 そんな最中にシドの口から「もうこれ以上俺に関わるな」という言葉を聞かされ、ずっと嫌われていたということを知る。 ショックを受けるフェリクスだったが、そのまま黒狼騎士団に残る決意をする。 夢とシドを想うことを諦められないフェリクスが奮闘し、シドに愛されて正式な騎士団員になるまでの物語。 一人称。 完結しました!

貴族軍人と聖夜の再会~ただ君の幸せだけを~

倉くらの
BL
「こんな姿であの人に会えるわけがない…」 大陸を2つに分けた戦争は終結した。 終戦間際に重症を負った軍人のルーカスは心から慕う上官のスノービル少佐と離れ離れになり、帝都の片隅で路上生活を送ることになる。 一方、少佐は屋敷の者の策略によってルーカスが死んだと知らされて…。 互いを思う2人が戦勝パレードが開催された聖夜祭の日に再会を果たす。 純愛のお話です。 主人公は顔の右半分に火傷を負っていて、右手が無いという状態です。 全3話完結。

孤独な王弟は初めての愛を救済の聖者に注がれる

葉月めいこ
BL
ラーズヘルム王国の王弟リューウェイクは親兄弟から放任され、自らの力で第三騎士団の副団長まで上り詰めた。 王家や城の中枢から軽んじられながらも、騎士や国の民と信頼を築きながら日々を過ごしている。 国王は在位11年目を迎える前に、自身の治世が加護者である女神に護られていると安心を得るため、古くから伝承のある聖女を求め、異世界からの召喚を決行した。 異世界人の召喚をずっと反対していたリューウェイクは遠征に出たあと伝令が届き、慌てて帰還するが時すでに遅く召喚が終わっていた。 召喚陣の上に現れたのは男女――兄妹2人だった。 皆、女性を聖女と崇め男性を蔑ろに扱うが、リューウェイクは女神が二人を選んだことに意味があると、聖者である雪兎を手厚く歓迎する。 威風堂々とした雪兎は為政者の風格があるものの、根っこの部分は好奇心旺盛で世話焼きでもあり、不遇なリューウェイクを気にかけいたわってくれる。 なぜ今回の召喚されし者が二人だったのか、その理由を知ったリューウェイクは苦悩の選択に迫られる。 召喚されたスパダリ×生真面目な不憫男前 全38話 こちらは個人サイトにも掲載されています。

[BL]王の独占、騎士の憂鬱

ざびえる
BL
ちょっとHな身分差ラブストーリー💕 騎士団長のオレオはイケメン君主が好きすぎて、日々悶々と身体をもてあましていた。そんなオレオは、自分の欲望が叶えられる場所があると聞いて… 王様サイド収録の完全版をKindleで販売してます。プロフィールのWebサイトから見れますので、興味がある方は是非ご覧になって下さい

【完結】オーロラ魔法士と第3王子

N2O
BL
全16話 ※2022.2.18 完結しました。ありがとうございました。 ※2023.11.18 文章を整えました。 辺境伯爵家次男のリーシュ・ギデオン(16)が、突然第3王子のラファド・ミファエル(18)の専属魔法士に任命された。 「なんで、僕?」 一人狼第3王子×黒髪美人魔法士 設定はふんわりです。 小説を書くのは初めてなので、何卒ご容赦ください。 嫌な人が出てこない、ふわふわハッピーエンドを書きたくて始めました。 感想聞かせていただけると大変嬉しいです。 表紙絵 ⇨ キラクニ 様 X(@kirakunibl)

【完結】スイートハニーと魔法使い

福の島
BL
兵士アグネスは幼い頃から空に思い憧れた。 それはアグネスの両親が魔法使いであった事が大きく関係している、両親と空高く飛び上がると空に浮かんでいた鳥も雲も太陽ですら届く様な気がしたのだ。 そんな両親が他界して早10年、アグネスの前に現れたのは甘いという言葉が似合う魔法使いだった。 とっても甘い訳あり魔法使い✖️あまり目立たない幸薄兵士 愛や恋を知らなかった2人が切なく脆い運命に立ち向かうお話。 約8000文字でサクッと…では無いかもしれませんが短めに読めます。

銀の王子は金の王子の隣で輝く

明樹
BL
不幸な王子は幸せになれるのか? 異世界ものですが転生や転移ではありません。 素敵な表紙はEka様に描いて頂きました。

白金の花嫁は将軍の希望の花

葉咲透織
BL
義妹の身代わりでボルカノ王国に嫁ぐことになったレイナール。女好きのボルカノ王は、男である彼を受け入れず、そのまま若き将軍・ジョシュアに下げ渡す。彼の屋敷で過ごすうちに、ジョシュアに惹かれていくレイナールには、ある秘密があった。 ※個人ブログにも投稿済みです。

処理中です...