【完結】偽りの花嫁 〜すり替えられた花嫁は冷血王子から身も心も蕩けるほどに溺愛される〜

葉月

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重なり合う ②

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「ん、う……ン……フゥ、ンン……」

 ベッドに押し倒され深い口付けをすると、アレクの手が服の中に入ってくる。
 それだけで期待してしまった身体はビクンと跳ね、乳首も楔も反応してしまう。
 もっと触って欲しいのに、婚礼衣装がそれを阻む。

「アレク……、待って……」

 キスに溺れそうになりながらも、覆い被さってきていたアレクの胸を押した。

「どうした。今日も怖いか?」
 アレクが怪我をして以来、傷口が塞がり肌を重ねようとすると、アレクが刺され倒れ、絨毯に血溜まりが広がっていくことが思い出されてしまい、どうしてもその先に進めなかった。

 またアレクの傷が開いてしまったらどうしよう。そこから血が溢れたら、どうしよう。

 そんなことばかり考えてしまうと恐ろしい。
 でもその反面、アレクに激しく抱かれたいとも思う。

「傷口は完全に塞がっている。でもユベールがまだ怖いと言うなら、今日もこのまま添い寝しよう」
 服の中に入ってきていたアレクの手が、抜かれる。
「待って!」  
 咄嗟にアレクの手を掴んだ。

「肌を重ねようとすると、あの時のことを思い出してしまって、本当は怖い」
 そういうと、アレクの瞳が悲しそうに揺らぐ。
「でもアレクと肌を重ねたいと思うのも本当。深く愛されて繋がりたい。矛盾してるよね」
「……」
「だから今日は、僕にさせて」
 僕はアレクの服のボタンに手を伸ばす。婚礼衣装なのですぐには脱がせられない。 

 アレクはゆっくり立ち上がると、僕が脱がせやすいようにしてくれる。
「手伝わなくていいか?」
「うん。僕がしたいんだ」
 そう言ったけど、複雑な作りすぎて何がどうなしたら服を脱がせられるかわからない。

「う~ん、やっぱり手伝って」
「ああ、その方が良さそうだ」
 二人でアレクの服を脱がせていく。
「引っ張ったら装飾取れちゃうから、気をつけてね」
「そうだな」
「ユベールも脱ぐ?」
「うん。アレク脱がせて」
 なんて話しながら脱がせていく。

「何だかこうして二人で脱がせあいっこしていると、全然雰囲気ないね」
「そうだな。全く雰囲気がない」
 二人顔を見合わせて笑ってしまった。

 二人とも裸になってベッドに潜り込むと、アレクが僕を抱きしめてくれる。
「このまま抱き合って寝るのも俺は好きだけど、ユベールはどうしたい?」
「僕は……」
 アレクの傷跡に手で触れる。縫った跡があって、皮膚もボコボコしている。

「痛い?」
「もう痛くない。俺は強いからな」
「強いから痩せ我慢してる場合があるんだよ」
 僕がそう言うと、アレクはアハハと笑った。

「おやすみユベール」
 いつものようにアレクが僕の額に口付けをしたから、僕はモゾモゾと布団の中に潜っていく。
「ユベール?」
 アレクは布団をめぐり、僕の様子を見るために上半身を起こす。

「僕はこうしたい」

 アレクの傷跡に口付けをする。
 見れば見るほど痛々しいし、あの時のことを鮮明に思い出す。
 アレクが死んでしまうと、恐怖が襲ってくる。
 でも恐怖があるからって何もしないと、次に進めない。
 僕はアレクと愛を確かめ合いたい。熱っぽい瞳で射抜かれたい。繋がりたい。

「無理しなくていいんだぞ」
 アレクはそう言っているが、楔はすでに硬く立ち上がっている。
「ううん。アレクと繋がりたいんだ」
 僕は完全に立ち上がったアレクの楔を、口に含む。アレクの楔は大きく太く長く、僕の口の中には収まらない。でも喉の奥にあたるぐらい、深く咥え込み上下する。

「っく」
 短くアレクが唸った。
 アレクはもう感じてくれてたんだ。
 嬉しい。

 今度は睾丸を揉みながら、楔を吸い上げる。先端から精が滲み出てアレクの味がする。それが嬉しくて、もっと奥に咥え込む。
 咥え込めば咥え込むほどお腹の中が切なくて、自分の指を蕾から蜜壺の中に入れる。

「はぁ…ぁぁ…」

 身体はアレクの指も楔も覚えていて、僕の指では切なさが増していく。
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