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可愛い人 ②
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身支度を済ませるとクロエと一緒に、お茶と子ども達に配ってあげられるようなクッキーと子ども向けの本を持って、ガゼボに向かった。
「ユベール様~」
ガゼボに着く前に子ども達はすで集まっていて、僕を見つけると周りに駆けてきた。
どうやらクロエが子ども達に僕がガゼボに来ると事前に伝えておいたようだ。
「この前は大丈夫だった?」
「殿下に怒られなかった?」
子ども達は僕の手を引きながら、口々に言う。
「アレク様はお優しい方だから、何も心配いらないよ」
「本当に?僕は母さんに物凄~く怒られた」
カイトは怒られたことを思い出したのか、体を小さくして見せてから、ペロリとしたを出し冗談ぽく笑った。
「あはは。この前は怒られちゃったけど、アレク様がこれからはずっと一緒に遊んでいいって、言ってくださったんだよ」
そういうと、子ども達の瞳はみるみるうちにきらきらと輝き出す。
「これからずっと?」
「うん。ずっとだよ」
「やった~」
子ども達がバンザイをして喜ぶ。
誰も知り合いのいなかった後宮での居場所を見つけられて、とても嬉しい。
僕達はお茶とお菓子を楽しんだ後、子ども達に読み聞かせをした。
子ども達が一喜一憂する反応が可愛くて、時間を忘れて子ども達と過ごした。
「今日はすっごく楽しかった。ありがとうユベール様」
カイトが僕に抱きつくと、他の子ども達も次々と抱きついてくる。
「僕も楽しかったよ」
自然と笑みが溢れた。
「ねぇ、明日もご本、読んでくれる?」
「今日みたいにたくさん読んでくれる?」
「ねぇ、ユベール様」
子ども達の質問攻めに合う。
「もちろん。そうだ、明日はどんな本がいい?」
「えっとね、明日は字を教えてほしい」
「字?」
「うん。僕ね、字は読めるけど書けないんだ。字が書けるようになったら、お母さんにお手紙あげたいんだ」
カイトは自分が持ってきていた本を、胸の前でぎゅっと抱きしめている。僕はカイトと同じ目の高さになるようにしゃがむ。
「それ凄くいいね。じゃあ明日、必ず字の勉強をしようね」
僕はカイトと指切りをした。
「ユベール様~」
ガゼボに着く前に子ども達はすで集まっていて、僕を見つけると周りに駆けてきた。
どうやらクロエが子ども達に僕がガゼボに来ると事前に伝えておいたようだ。
「この前は大丈夫だった?」
「殿下に怒られなかった?」
子ども達は僕の手を引きながら、口々に言う。
「アレク様はお優しい方だから、何も心配いらないよ」
「本当に?僕は母さんに物凄~く怒られた」
カイトは怒られたことを思い出したのか、体を小さくして見せてから、ペロリとしたを出し冗談ぽく笑った。
「あはは。この前は怒られちゃったけど、アレク様がこれからはずっと一緒に遊んでいいって、言ってくださったんだよ」
そういうと、子ども達の瞳はみるみるうちにきらきらと輝き出す。
「これからずっと?」
「うん。ずっとだよ」
「やった~」
子ども達がバンザイをして喜ぶ。
誰も知り合いのいなかった後宮での居場所を見つけられて、とても嬉しい。
僕達はお茶とお菓子を楽しんだ後、子ども達に読み聞かせをした。
子ども達が一喜一憂する反応が可愛くて、時間を忘れて子ども達と過ごした。
「今日はすっごく楽しかった。ありがとうユベール様」
カイトが僕に抱きつくと、他の子ども達も次々と抱きついてくる。
「僕も楽しかったよ」
自然と笑みが溢れた。
「ねぇ、明日もご本、読んでくれる?」
「今日みたいにたくさん読んでくれる?」
「ねぇ、ユベール様」
子ども達の質問攻めに合う。
「もちろん。そうだ、明日はどんな本がいい?」
「えっとね、明日は字を教えてほしい」
「字?」
「うん。僕ね、字は読めるけど書けないんだ。字が書けるようになったら、お母さんにお手紙あげたいんだ」
カイトは自分が持ってきていた本を、胸の前でぎゅっと抱きしめている。僕はカイトと同じ目の高さになるようにしゃがむ。
「それ凄くいいね。じゃあ明日、必ず字の勉強をしようね」
僕はカイトと指切りをした。
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