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お茶会 ②
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「殿下からの伝言をお伝えにまいりました」
「殿下から?」
「もしユベール様がよろしければ殿下は昼食後、ユベール様とお茶をしたいそうです」
「殿下とお茶!?」
したいと思っていたので、こんなに早く殿下とお茶ができるなんて思ってもみなかった。
「いかがなさいましょう?」
「それはもちろん、殿下とのお茶会がしたいです!」
前のめりに返事をしてしまい、ヒューゴ様にクスリと笑われる。
「わかりました。そうお伝えいたします」
ヒューゴ様は美しく頭をさげてから、また殿下の元に帰って行った。
「ね、ね、ね!殿下はユベール様のことが大好きなんですよ」
殿下の僕への気持ちが『好き』から『大好き』に変わってる。
「そんなの殿下から聞いてないから、わからないよ」
「決まってますって!大好きじゃない人をお茶に誘う人なんて、聞いたことがありません」
クロエはまるで自分のことのように興奮しすぎたのか、目をキラキラさせながら鼻息をふんふんさせている。
「クロエは可愛いね」
ポロリと本音が出てしまうと、さっきまで興奮気味だったクロエだっのに、
「あ、ありがとう……ございます……」
顔を真っ赤にさせながら、ごにょごにょ言った。
ヒューゴ様から殿下の伝言を聞いてからが、大忙し。
特別おいしい茶葉を用意して、僕おすすめのお茶菓子を準備する。
銀食器にティーセット。
ガゼボ内に葉っぱ一枚落ちていないぐらい、綺麗に掃除をする。
僕は殿下にもらった服に着替える。
ずっとクロエとバタバタしている。
でもこんな楽しいバタバタは久しぶりだった。
ちょうど準備が整った頃。
殿下がガゼボにやってきた。
僕の姿を見た殿下は、目を見開き動かなくなる。
やっぱりこんな素敵な服、僕には似合ってなかったのかな……。
恥ずかしくて下を向いてしまっていると、ヒューゴ様が僕に近づいてきて、
「とてもお綺麗ですよ」
僕の手の甲に口付けをしようと、手を握り顔を近づける。
すると何か力強いものに、引き寄せられた。
見上げると、
「殿下」
殿下がヒューゴ様を睨みつけている。
「いくらヒューゴでも許さんぞ」
「ユベール様があまりにもお綺麗だったのでつい……。殿下もそうお思いになりませんか?」
殿下はどう思っているんだろう……。
ちらりと殿下を見上げると、視線と視線がぶつかった。
「……」
でも殿下は無言のまま。
やっぱり殿下は何も思われていない。
殿下とのお茶会が楽しみすぎてはしゃいでしまった自分が、恥ずかしい。
殿下とぶつかった視線を逸らした。
すると
「殿下。先ほどの話をお忘れになったのですか?」
ヒューゴ様が殿下に言う。
「忘れてはいないが……はずかしい……」
殿下も視線をずらしたけれど、頬は真っ赤だ。
「恥ずかしくなんてありません。はい、言ってください」
ヒューゴ様は殿下から、何かいわせたいみたい。
なんだろう?
殿下から外した視線を元に戻すように見上げる。
そうすると殿下は目が泳ぎながらも僕の方を見た。
「き……綺麗だと……思う……」
「!」
き、綺麗だなんて……!
予想外のことを言われ、バフっと音が出てしまったかと思うぐらい、顔が真っ赤なるのがわかった。
「よく似合ってる」
あの殿下に褒められた。
嬉しすぎて殿下をじっと見つめていると、殿下に顎を掴まれ、ぐいっと上げられた。
殿下は僕に覆い被さるように顔を近づけてきて、もう少しで唇と唇がふれあいそうになったとき、
「殿下それはやりすぎです」
僕と殿下の間にヒューゴ様が、割って入ってくる。
「殿下から?」
「もしユベール様がよろしければ殿下は昼食後、ユベール様とお茶をしたいそうです」
「殿下とお茶!?」
したいと思っていたので、こんなに早く殿下とお茶ができるなんて思ってもみなかった。
「いかがなさいましょう?」
「それはもちろん、殿下とのお茶会がしたいです!」
前のめりに返事をしてしまい、ヒューゴ様にクスリと笑われる。
「わかりました。そうお伝えいたします」
ヒューゴ様は美しく頭をさげてから、また殿下の元に帰って行った。
「ね、ね、ね!殿下はユベール様のことが大好きなんですよ」
殿下の僕への気持ちが『好き』から『大好き』に変わってる。
「そんなの殿下から聞いてないから、わからないよ」
「決まってますって!大好きじゃない人をお茶に誘う人なんて、聞いたことがありません」
クロエはまるで自分のことのように興奮しすぎたのか、目をキラキラさせながら鼻息をふんふんさせている。
「クロエは可愛いね」
ポロリと本音が出てしまうと、さっきまで興奮気味だったクロエだっのに、
「あ、ありがとう……ございます……」
顔を真っ赤にさせながら、ごにょごにょ言った。
ヒューゴ様から殿下の伝言を聞いてからが、大忙し。
特別おいしい茶葉を用意して、僕おすすめのお茶菓子を準備する。
銀食器にティーセット。
ガゼボ内に葉っぱ一枚落ちていないぐらい、綺麗に掃除をする。
僕は殿下にもらった服に着替える。
ずっとクロエとバタバタしている。
でもこんな楽しいバタバタは久しぶりだった。
ちょうど準備が整った頃。
殿下がガゼボにやってきた。
僕の姿を見た殿下は、目を見開き動かなくなる。
やっぱりこんな素敵な服、僕には似合ってなかったのかな……。
恥ずかしくて下を向いてしまっていると、ヒューゴ様が僕に近づいてきて、
「とてもお綺麗ですよ」
僕の手の甲に口付けをしようと、手を握り顔を近づける。
すると何か力強いものに、引き寄せられた。
見上げると、
「殿下」
殿下がヒューゴ様を睨みつけている。
「いくらヒューゴでも許さんぞ」
「ユベール様があまりにもお綺麗だったのでつい……。殿下もそうお思いになりませんか?」
殿下はどう思っているんだろう……。
ちらりと殿下を見上げると、視線と視線がぶつかった。
「……」
でも殿下は無言のまま。
やっぱり殿下は何も思われていない。
殿下とのお茶会が楽しみすぎてはしゃいでしまった自分が、恥ずかしい。
殿下とぶつかった視線を逸らした。
すると
「殿下。先ほどの話をお忘れになったのですか?」
ヒューゴ様が殿下に言う。
「忘れてはいないが……はずかしい……」
殿下も視線をずらしたけれど、頬は真っ赤だ。
「恥ずかしくなんてありません。はい、言ってください」
ヒューゴ様は殿下から、何かいわせたいみたい。
なんだろう?
殿下から外した視線を元に戻すように見上げる。
そうすると殿下は目が泳ぎながらも僕の方を見た。
「き……綺麗だと……思う……」
「!」
き、綺麗だなんて……!
予想外のことを言われ、バフっと音が出てしまったかと思うぐらい、顔が真っ赤なるのがわかった。
「よく似合ってる」
あの殿下に褒められた。
嬉しすぎて殿下をじっと見つめていると、殿下に顎を掴まれ、ぐいっと上げられた。
殿下は僕に覆い被さるように顔を近づけてきて、もう少しで唇と唇がふれあいそうになったとき、
「殿下それはやりすぎです」
僕と殿下の間にヒューゴ様が、割って入ってくる。
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