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決意 13
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続きから読み始めると、膝の上に座るカイト君はすぐさま話の中の世界に入りこみ、真剣に聞き入る。
膝の上に子どもが座る重みがありながら、本を読んであげるのは懐かしい。
孤児院子たちは、元気でやっているだろうか?
心配だけど殿下が金銭的な援助をしてくれていると思うと、孤児院を出た時よりも安心できる。
本を読み進めていると、
「え~カイトだけいいな~」
どこからか、数人の子供たちが周りに集まってきた。
「僕もご本、読んでもらいたい」
一人の子どもが持っていた本を僕に差し出しながら言い出すと、他の子どもたち「僕も!」「私も!」と言い出す。
「ダメだよ!僕が読んでもらうの」
カイト君は僕に抱きついて、他の子には渡さないという素振りを見せる。
するとあちらこちらから「そんなのずるい!」「カイトだけずるい!」と、みんなから責められたカイトくんは今にも泣きそうだ。
「だったらこうしない?今読んでるカイト君の絵本をみんなで一緒に読んで、次はじゃんけんして順番を決めて読んでくっていうのはどう?それだとみんないろんなお話聞けて、楽しいよ」
「本当に?やった~!」
子どもたちは大喜び。
「カイト君。みんなが見やすいように、膝から降りてみんなと一緒に見られる?」
提案すると、
「うん!」
カイト君は嫌がることなく膝の上から降りた。
「ねぇ続き読んで読んで!」
子どもたちに急かされながら続きを読み出す。
孤児院にいた時も、子どもたちはよく喧嘩をしていた。
そんな時は子どもたちの話をよく聞き、誰も喧嘩になることなく楽しく過ごせるよう導いていて、その方法が今でも役立に立っていた。
そんな些細なことでも、とっては懐かしかった。
抑揚をつけながら物語を読むと、子どもたちは驚いたり笑ったり困ったり、主人公を応援したり。
すっかり読み聞かせに夢中になり、本の中に入ってしまってるかのように心奪われている。
なんて素直なんだろう。
子ども達の反応が可愛らしくて癒されていく。
いつの間にかガゼボの周りに、小鳥たちも集まる。
子供たちと一緒に心休まる時を過ごしていると、バサバサっと周りにいた小鳥達がいっせいに飛び立った。
膝の上に子どもが座る重みがありながら、本を読んであげるのは懐かしい。
孤児院子たちは、元気でやっているだろうか?
心配だけど殿下が金銭的な援助をしてくれていると思うと、孤児院を出た時よりも安心できる。
本を読み進めていると、
「え~カイトだけいいな~」
どこからか、数人の子供たちが周りに集まってきた。
「僕もご本、読んでもらいたい」
一人の子どもが持っていた本を僕に差し出しながら言い出すと、他の子どもたち「僕も!」「私も!」と言い出す。
「ダメだよ!僕が読んでもらうの」
カイト君は僕に抱きついて、他の子には渡さないという素振りを見せる。
するとあちらこちらから「そんなのずるい!」「カイトだけずるい!」と、みんなから責められたカイトくんは今にも泣きそうだ。
「だったらこうしない?今読んでるカイト君の絵本をみんなで一緒に読んで、次はじゃんけんして順番を決めて読んでくっていうのはどう?それだとみんないろんなお話聞けて、楽しいよ」
「本当に?やった~!」
子どもたちは大喜び。
「カイト君。みんなが見やすいように、膝から降りてみんなと一緒に見られる?」
提案すると、
「うん!」
カイト君は嫌がることなく膝の上から降りた。
「ねぇ続き読んで読んで!」
子どもたちに急かされながら続きを読み出す。
孤児院にいた時も、子どもたちはよく喧嘩をしていた。
そんな時は子どもたちの話をよく聞き、誰も喧嘩になることなく楽しく過ごせるよう導いていて、その方法が今でも役立に立っていた。
そんな些細なことでも、とっては懐かしかった。
抑揚をつけながら物語を読むと、子どもたちは驚いたり笑ったり困ったり、主人公を応援したり。
すっかり読み聞かせに夢中になり、本の中に入ってしまってるかのように心奪われている。
なんて素直なんだろう。
子ども達の反応が可愛らしくて癒されていく。
いつの間にかガゼボの周りに、小鳥たちも集まる。
子供たちと一緒に心休まる時を過ごしていると、バサバサっと周りにいた小鳥達がいっせいに飛び立った。
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