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愛おしいということは、愛しているということは 〜内藤昴 スピンオフ〜
膝枕
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あの事件があってからN社から謝罪の電話や話し合いの場を持ちたいと連絡があったが全て断り、提携契約こちらから解約した。
あんなことをする企業とは仕事はできない。
晴人も鈴木のことをとても心配していて、何か心配事がったらすぐに連絡するようにと念押ししていた。
鈴木をストーカーしていたの足取りは未だつかめず、俺と鈴木の同居生活は半年が過ぎ鈴木の私物も増えた。
仕事は一緒、プライベートも一緒。風呂とトイレ、寝ている時以外はずっと一緒。
キスをしそうになった一件から、俺は距離感を間違わないように気をつけている。
鈴木はストーカーに襲われ、長野に襲われかけている。
家にいる時ぐらいは安心でしていてほしいと思い。
鈴木との距離をとりつつ、鈴木が安心して過ごせるようにしていこうと心がけていた。
そんなある休日。
いい香りに包まれ、俺はゆっくり目を開けた。
目の前には正面からの大型テレビが横向きに見える。
今どうなている?
記憶を呼び覚ましていく。
確か土曜でどこかに出かけようと話していたが、朝からの雨で出不精な俺たちは家でゆっくり海外ドラマの一気見しようということになって。
ああそうか。俺はそのままソファーで寝てしまったのか。
立ちあがろうとした時、自分の頭の下に誰かの足が見てた。
ゆっくり視線を上げると、そこには鈴木が俺を上から見下ろしている。
「よく眠られていましたよ」
微笑む鈴木と目が合う。
「!」
状況が把握できず、大きく瞬きを2回ほどすると、
「膝枕、気持ちよかったですか?」
今度は優しく鈴木が俺の頭を撫でた。
膝枕!?
俺は慌てて上半身を起こし、今さっきまで自分の頭があったであろうところを見ると、クッションの代わりに鈴木の太腿があった。
「え!?俺、鈴木に膝枕してもらってたのか?」
「はい」
元気な鈴木の返事に、
「本当に申し訳ない……」
俺は頭を抱えた。
「始めは2人でドラマ観てたんですよ。でもしばらくすると内藤さんうつらうつらされだして、俺の肩に頭を乗せられ寝はじめたので、その体勢はしんどいのではないかと思って、俺が膝枕しました。あの……だめでしたでしょうか?」
心配そうに鈴木が俺を覗き込む。
「鈴木は嫌じゃなかったのか?」
「そんな!とても面白かったです」
何かを思い出したのか、鈴木がクスリと笑う。
俺は膝枕をしてもらった以外にも、何かしでかしてしまったようだ。
「膝枕で眠り始めた時、はじめは眉間に皺を寄せられていたので、眉間の皺を指で伸ばしたら余計に皺を寄せられるので、今度は頭を撫でると安心したように眠られてて。小さな子みたいで可愛かったですよ」
可愛いって、俺34です……。
「悪い」
立ち上がろうとすると貧血でふらつき、またソファーに座ってしまった。
「急に立ち上がったらだめですよ。もう少しゆっくりしてください」
「わっ!」
鈴木が俺の腕を引っ張り、また俺を膝枕する。
「ここのところ忙しくて、あまり寝られてないですよね。目の下のクマすごいですよ。俺は大丈夫なんでもう少し[[rb:膝枕 > ここ]]でゆっくりしてください」
頭を撫でられると、一気にリラックスしていくのがわかる。
「はい、目を閉じて」
鈴木の掌で目隠しをされ視界が遮られ、嗅覚が敏感になる。
目覚めた時と同じ、いい香りがする。
甘く優しい、やわらかな香り。
これは鈴木の香りだったんだ。
「花畑にいる感じがする」
ポロッと呟くと、
「内藤さん、意外と少女っぽいところがあるんですね」
と笑われた。
バカにされた感はなく、嫌な気持ちはしなかった。
「今使っている柔軟剤、フローラルな香りですからね」
そう鈴木は言うが、それとはまた違う香り。
暖かくて柔らかい。
「安心する」
頭がぼんやりしてくる。
「ゆっくり休んでください」
頭を撫でられ、俺はそのまままた深い眠りについた。
あんなことをする企業とは仕事はできない。
晴人も鈴木のことをとても心配していて、何か心配事がったらすぐに連絡するようにと念押ししていた。
鈴木をストーカーしていたの足取りは未だつかめず、俺と鈴木の同居生活は半年が過ぎ鈴木の私物も増えた。
仕事は一緒、プライベートも一緒。風呂とトイレ、寝ている時以外はずっと一緒。
キスをしそうになった一件から、俺は距離感を間違わないように気をつけている。
鈴木はストーカーに襲われ、長野に襲われかけている。
家にいる時ぐらいは安心でしていてほしいと思い。
鈴木との距離をとりつつ、鈴木が安心して過ごせるようにしていこうと心がけていた。
そんなある休日。
いい香りに包まれ、俺はゆっくり目を開けた。
目の前には正面からの大型テレビが横向きに見える。
今どうなている?
記憶を呼び覚ましていく。
確か土曜でどこかに出かけようと話していたが、朝からの雨で出不精な俺たちは家でゆっくり海外ドラマの一気見しようということになって。
ああそうか。俺はそのままソファーで寝てしまったのか。
立ちあがろうとした時、自分の頭の下に誰かの足が見てた。
ゆっくり視線を上げると、そこには鈴木が俺を上から見下ろしている。
「よく眠られていましたよ」
微笑む鈴木と目が合う。
「!」
状況が把握できず、大きく瞬きを2回ほどすると、
「膝枕、気持ちよかったですか?」
今度は優しく鈴木が俺の頭を撫でた。
膝枕!?
俺は慌てて上半身を起こし、今さっきまで自分の頭があったであろうところを見ると、クッションの代わりに鈴木の太腿があった。
「え!?俺、鈴木に膝枕してもらってたのか?」
「はい」
元気な鈴木の返事に、
「本当に申し訳ない……」
俺は頭を抱えた。
「始めは2人でドラマ観てたんですよ。でもしばらくすると内藤さんうつらうつらされだして、俺の肩に頭を乗せられ寝はじめたので、その体勢はしんどいのではないかと思って、俺が膝枕しました。あの……だめでしたでしょうか?」
心配そうに鈴木が俺を覗き込む。
「鈴木は嫌じゃなかったのか?」
「そんな!とても面白かったです」
何かを思い出したのか、鈴木がクスリと笑う。
俺は膝枕をしてもらった以外にも、何かしでかしてしまったようだ。
「膝枕で眠り始めた時、はじめは眉間に皺を寄せられていたので、眉間の皺を指で伸ばしたら余計に皺を寄せられるので、今度は頭を撫でると安心したように眠られてて。小さな子みたいで可愛かったですよ」
可愛いって、俺34です……。
「悪い」
立ち上がろうとすると貧血でふらつき、またソファーに座ってしまった。
「急に立ち上がったらだめですよ。もう少しゆっくりしてください」
「わっ!」
鈴木が俺の腕を引っ張り、また俺を膝枕する。
「ここのところ忙しくて、あまり寝られてないですよね。目の下のクマすごいですよ。俺は大丈夫なんでもう少し[[rb:膝枕 > ここ]]でゆっくりしてください」
頭を撫でられると、一気にリラックスしていくのがわかる。
「はい、目を閉じて」
鈴木の掌で目隠しをされ視界が遮られ、嗅覚が敏感になる。
目覚めた時と同じ、いい香りがする。
甘く優しい、やわらかな香り。
これは鈴木の香りだったんだ。
「花畑にいる感じがする」
ポロッと呟くと、
「内藤さん、意外と少女っぽいところがあるんですね」
と笑われた。
バカにされた感はなく、嫌な気持ちはしなかった。
「今使っている柔軟剤、フローラルな香りですからね」
そう鈴木は言うが、それとはまた違う香り。
暖かくて柔らかい。
「安心する」
頭がぼんやりしてくる。
「ゆっくり休んでください」
頭を撫でられ、俺はそのまままた深い眠りについた。
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