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覚悟 ②
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晴人と瑞稀は再会した後、二人で話をしたレンガの壁に緑の屋根の喫茶店に行き、窓辺に座っ。
「カフェオレで……いいかな?」
席に着くと、晴人は瑞稀に確認を取る。
「なんでもいいです」
席に着くなり机に肘をつき頰杖をつくと、ずっと外の景色をながら、そっけなく答えた。
「それで、話ってなんですか?」
注文をした後、頬杖をついたまま晴人を横目で見、瑞稀はすぐに話を切り出す。
瑞稀の問いかけに、晴人は気持ちを落ち着かせるためか、小さく息を吸い込んだ。
「単刀直入に聞くね。俺、瑞稀に失礼なことをしてしまったんんだろうか……?」
答えを待つ晴人の瞳は、不安で揺れている。
「特に何も」
瑞稀は両腕を前で組み、背もたれにもたれかかりながら足を組み、ぞんざいな態度をとった。
「俺が失礼な態度をとってしまったなら、申し訳なかった、瑞稀、ごめん。許してほしい……」
机に額がつきそうなほど、晴人は頭を下げる。
晴人さんは何も悪くないんです!
そう叫びたかった。だが、
「理由もわからないのに、山﨑さんは頭を下げられるんですね。プライドはないんですか?」
晴人の気持ちを踏みにじるような言葉を選び、蔑んだような視線を送った。
「理由を教えてもらえれば、直していきたいと思う。俺は瑞稀と一緒にいられるだけで…それだけでいいんだ……」
愁いの満ちた目で見つめられると、瑞稀の胸は張り裂けそうだ。
本当は、今の言動全て晴人に嫌われるようにしていることだと言いたかった。
でもそんなことをして、どうなる?
晴人さんに対してしたことや傷つけたことを、許してほしいだけなんじゃないのか?
また自分可愛さに、同じ過ちを犯すの?
自問自答するが、瑞稀の中での答えは出ている。
ーもう顔も見たくないほど、嫌われないといけないー
と。
「もう瑞稀の中に、俺と一緒にいてくれるっていう選択肢は……全くないの?」
瑞稀のどんな言葉も聞き逃さないというように、晴人は正面んからしっかりと見つめた。
「それは……」
『一緒にいたいです』
咄嗟に本当の気持ちが口をついてしまいそうになる。だが、
「だから、ずっとそう言ってるじゃないですか」
一生懸命、不快感を表に出して言ったが、本当は胸がズタズタに引き裂かれ血が流れ出しているようだ。
「どうしても?」
「……ええ……」
「今までみたいなやりとりも?」
「そういうこと嫌だから、毎日断ってるんじゃないいですか。そろそろ気づいてください」
こんなことを言うのは、最低な人間だなと自分で言っておきながらそう思った。
「そう……か……」
瑞稀の返事を聞いた晴人が、今まで見たことがないほど傷ついた顔をした。
苦しかった。
心の底から愛する人に、そんな顔をさせてしまったことが。
苦しかった。
愛する人と会う機会を、自分で無くしてしまったことが。
「もう仕事に戻っていいですか?」
「……」
「幸恵さんたちに負担をかけているんです」
「……」
「あの……聞いてます?」
「………」
「はぁ……。何も言われないなら、僕、仕事に戻りますね」
瑞稀が立ち上がった時、
「お待たせしました」
喫茶店のマスターが、注文していたコーヒーとカフェオレを持ってきて、テーブルの上に置いた。
そしてコーヒーとカフェオレとともに、瑞稀が好きなあのチョコチップクッキーをのせた白い皿を、机の中央に置いた。
「クッキーは私からのサービスです」
マスターが微笑む。
「山崎さんには、いつもご贔屓にしていただいていますので。それに山崎さんはコーヒーと一緒に、よくこのチョコチップクッキーを召し上がられるんですよ」
「え……?」
どうして晴人さんはコーヒーと一緒にこのクッキーを食べられてるの?
瑞稀は咄嗟に晴人の方を見ると、マスターは続けた。
「しかもメーカー指定。他の甘いものは召し上がらないのに、このクッキーだけ特別なんでしょうね」
それだけ言うと、マスターは「ごゆっくり」と、カウンターの方へ帰っていった。
「カフェオレで……いいかな?」
席に着くと、晴人は瑞稀に確認を取る。
「なんでもいいです」
席に着くなり机に肘をつき頰杖をつくと、ずっと外の景色をながら、そっけなく答えた。
「それで、話ってなんですか?」
注文をした後、頬杖をついたまま晴人を横目で見、瑞稀はすぐに話を切り出す。
瑞稀の問いかけに、晴人は気持ちを落ち着かせるためか、小さく息を吸い込んだ。
「単刀直入に聞くね。俺、瑞稀に失礼なことをしてしまったんんだろうか……?」
答えを待つ晴人の瞳は、不安で揺れている。
「特に何も」
瑞稀は両腕を前で組み、背もたれにもたれかかりながら足を組み、ぞんざいな態度をとった。
「俺が失礼な態度をとってしまったなら、申し訳なかった、瑞稀、ごめん。許してほしい……」
机に額がつきそうなほど、晴人は頭を下げる。
晴人さんは何も悪くないんです!
そう叫びたかった。だが、
「理由もわからないのに、山﨑さんは頭を下げられるんですね。プライドはないんですか?」
晴人の気持ちを踏みにじるような言葉を選び、蔑んだような視線を送った。
「理由を教えてもらえれば、直していきたいと思う。俺は瑞稀と一緒にいられるだけで…それだけでいいんだ……」
愁いの満ちた目で見つめられると、瑞稀の胸は張り裂けそうだ。
本当は、今の言動全て晴人に嫌われるようにしていることだと言いたかった。
でもそんなことをして、どうなる?
晴人さんに対してしたことや傷つけたことを、許してほしいだけなんじゃないのか?
また自分可愛さに、同じ過ちを犯すの?
自問自答するが、瑞稀の中での答えは出ている。
ーもう顔も見たくないほど、嫌われないといけないー
と。
「もう瑞稀の中に、俺と一緒にいてくれるっていう選択肢は……全くないの?」
瑞稀のどんな言葉も聞き逃さないというように、晴人は正面んからしっかりと見つめた。
「それは……」
『一緒にいたいです』
咄嗟に本当の気持ちが口をついてしまいそうになる。だが、
「だから、ずっとそう言ってるじゃないですか」
一生懸命、不快感を表に出して言ったが、本当は胸がズタズタに引き裂かれ血が流れ出しているようだ。
「どうしても?」
「……ええ……」
「今までみたいなやりとりも?」
「そういうこと嫌だから、毎日断ってるんじゃないいですか。そろそろ気づいてください」
こんなことを言うのは、最低な人間だなと自分で言っておきながらそう思った。
「そう……か……」
瑞稀の返事を聞いた晴人が、今まで見たことがないほど傷ついた顔をした。
苦しかった。
心の底から愛する人に、そんな顔をさせてしまったことが。
苦しかった。
愛する人と会う機会を、自分で無くしてしまったことが。
「もう仕事に戻っていいですか?」
「……」
「幸恵さんたちに負担をかけているんです」
「……」
「あの……聞いてます?」
「………」
「はぁ……。何も言われないなら、僕、仕事に戻りますね」
瑞稀が立ち上がった時、
「お待たせしました」
喫茶店のマスターが、注文していたコーヒーとカフェオレを持ってきて、テーブルの上に置いた。
そしてコーヒーとカフェオレとともに、瑞稀が好きなあのチョコチップクッキーをのせた白い皿を、机の中央に置いた。
「クッキーは私からのサービスです」
マスターが微笑む。
「山崎さんには、いつもご贔屓にしていただいていますので。それに山崎さんはコーヒーと一緒に、よくこのチョコチップクッキーを召し上がられるんですよ」
「え……?」
どうして晴人さんはコーヒーと一緒にこのクッキーを食べられてるの?
瑞稀は咄嗟に晴人の方を見ると、マスターは続けた。
「しかもメーカー指定。他の甘いものは召し上がらないのに、このクッキーだけ特別なんでしょうね」
それだけ言うと、マスターは「ごゆっくり」と、カウンターの方へ帰っていった。
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