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お別れ遠足 ⑤
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楽しい動物園遠足も終わり、解散となった。
「じゃ千景、雫くんと内藤さんにさよならして、帰ろうか」
瑞稀が手を差し出すと、
「やだ……」
サッと千景が両手を背中に回し、隠した。
「でも、もう先生や他のお友達ともさよならしたよ。だから雫くんにもさよならしようね」
「やだ!」
千景がフルフルと頭を横に振る。
眠たくなったのかな?
朝から大はしゃぎで、雫と一緒に動物園を回っていた千景。
大きくなってきたといえ、まだまだ4歳だ。
体力もしれている。
瑞稀はしゃがみ、
「雫くんとさよならした後、ママが抱っこして帰ろっか」
千景のプライドを守るように、耳元で囁いた。
それでも千景は頭を縦にふらず「嫌だ」と駄々をこねだした。
楽しすぎてまだ帰りたくないし、眠たいしで甘えたモードになってる。
駄々をこねている千景も可愛いと思ってしまう。
それでも困ったな……。
「雫くん、千景がさよならできなくてごめんね。また明日からも遊んでやってくれる?」
「うん! わかった!」
雫は大きく頷く。
「内藤さん、すみません。千景、まだ帰りたくなさそうなので、もう少しここにいたいと思います。今日は一緒に回ってくださり、ありがとうございました」
礼を言い、その場から立ち去ろうとすると、
「あの……」
昴に呼び止められた。
「もしよかったら、途中まで送らせてもらえないか?」
「え?」
「実は近くのパーキングに車を停めていて。眠たくなった千景くんを連れて、電車で帰るのは大変だろ?」
確かに、今から眠たくなりぐずる千景と一緒に電車とバスに乗って帰るのは大変だ。
だからと言って、昴の言葉に甘えてもいいものだろうか……。
瑞稀は迷った。
「千景くん、雫と一緒に車で帰る?」
瑞稀が迷っていることを気づいてか、昴は千景に直接声をかけた。
「え!? いいの? 前みたいに雫くんと車で帰れるの?」
さっきまで甘えたでグズグズモードの千景だったが、昴の一声で一気に明るい表情となる。
「もちろん! 成瀬さん、千景くんもこう言ってますし、一緒にかえりませんか?」
「千景くんと一緒に帰りたい!」
「僕も雫くんと帰りたい! ねぇママいいでしょ?」
まだ心のどこかで『迷惑ではないだろうか……』と言う気持ちがあるが、子ども達のうるうるした瞳で見つめられると『いいよ』としか言えなくなってくる。
「すみません内藤さん。お世話になります」
瑞稀がそう言うと、千景と雫はぴょんぴょん飛び跳ね喜ぶ。
「子どもは笑顔が一番」
子どもたちの姿を見て、昴も微笑んだ。
「じゃ千景、雫くんと内藤さんにさよならして、帰ろうか」
瑞稀が手を差し出すと、
「やだ……」
サッと千景が両手を背中に回し、隠した。
「でも、もう先生や他のお友達ともさよならしたよ。だから雫くんにもさよならしようね」
「やだ!」
千景がフルフルと頭を横に振る。
眠たくなったのかな?
朝から大はしゃぎで、雫と一緒に動物園を回っていた千景。
大きくなってきたといえ、まだまだ4歳だ。
体力もしれている。
瑞稀はしゃがみ、
「雫くんとさよならした後、ママが抱っこして帰ろっか」
千景のプライドを守るように、耳元で囁いた。
それでも千景は頭を縦にふらず「嫌だ」と駄々をこねだした。
楽しすぎてまだ帰りたくないし、眠たいしで甘えたモードになってる。
駄々をこねている千景も可愛いと思ってしまう。
それでも困ったな……。
「雫くん、千景がさよならできなくてごめんね。また明日からも遊んでやってくれる?」
「うん! わかった!」
雫は大きく頷く。
「内藤さん、すみません。千景、まだ帰りたくなさそうなので、もう少しここにいたいと思います。今日は一緒に回ってくださり、ありがとうございました」
礼を言い、その場から立ち去ろうとすると、
「あの……」
昴に呼び止められた。
「もしよかったら、途中まで送らせてもらえないか?」
「え?」
「実は近くのパーキングに車を停めていて。眠たくなった千景くんを連れて、電車で帰るのは大変だろ?」
確かに、今から眠たくなりぐずる千景と一緒に電車とバスに乗って帰るのは大変だ。
だからと言って、昴の言葉に甘えてもいいものだろうか……。
瑞稀は迷った。
「千景くん、雫と一緒に車で帰る?」
瑞稀が迷っていることを気づいてか、昴は千景に直接声をかけた。
「え!? いいの? 前みたいに雫くんと車で帰れるの?」
さっきまで甘えたでグズグズモードの千景だったが、昴の一声で一気に明るい表情となる。
「もちろん! 成瀬さん、千景くんもこう言ってますし、一緒にかえりませんか?」
「千景くんと一緒に帰りたい!」
「僕も雫くんと帰りたい! ねぇママいいでしょ?」
まだ心のどこかで『迷惑ではないだろうか……』と言う気持ちがあるが、子ども達のうるうるした瞳で見つめられると『いいよ』としか言えなくなってくる。
「すみません内藤さん。お世話になります」
瑞稀がそう言うと、千景と雫はぴょんぴょん飛び跳ね喜ぶ。
「子どもは笑顔が一番」
子どもたちの姿を見て、昴も微笑んだ。
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