【完結】それでも僕は貴方だけを愛してる 〜大手企業副社長秘書α×不憫訳あり美人子持ちΩの純愛ー

葉月

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新たな生活 ①

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「みーくん、無理しちゃだめだよ」

 麦わら帽子を被り、肩からかけたタオルで額の汗を拭きながら、収穫したばかりのナスやきゅうりをオレンジ色の収穫かごに入れる瑞稀に、畑の畦道あぜみちから祖母が声を掛ける。

「大丈夫だよ、おばあちゃん」

 額の汗を拭きつつ、瑞稀は祖母に歩み寄る。

千景ちかげは、お利口にしてる?」

「ああ、いい子にしているよ。今だってほら…」

 祖母の背負われている生後3ヶ月の千景を、瑞稀に見せた。

「ほらいい子で眠ってるでしょ?」

 祖母の背中で、千景は気持ちよさそうに眠っている。
 今は眠って見えないが、瞳は瑞稀と同じサファイヤのように蒼いが、その他の容姿は幼い頃の晴人そっくりで、髪は漆黒しっこくのように深い黒。

「ミルクをよく飲んで、よく笑って、よく眠って、時々泣いて…。本当に元気に大きくなっていってるよ」

 ぐっすり眠る千景の顔を見ると、さっきまでの疲れが、瑞稀の中からなくなっていくようだ。

「それにしても最近の抱っこ紐は便利だね。すぐに抱っこもおんぶもできるよ。それに腰の負担も少ないから、ずっとおぶってられるよ」

 祖母はそう言ってくれているが、千景は日に日に大きくなる。
 日中千景の世話をお願いしている瑞稀としては、祖母の体も心配だ。

「おばあちゃん、いつも千景の世話を任せてしまって、ごめんね。保育園に通えるようになったら、畑の手伝いも千景の世話も、全部僕がするから…」

 1人で何もできない瑞稀自分が不甲斐ない。

「なに言ってるの。可愛い孫とひ孫と一緒にいられるんだよ。それにみーくんには私の代わりに畑仕事をしてもらってるんだ。私の方こそ、いつもありがとう。みーくんがママになっても、みーくんは私の可愛い孫にかわりないんだからね」

 祖母はシワのある手で、瑞稀の頭を撫でた。
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