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2度目の… ②

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 タクシーの女性運転手とかすみに支えられながら、瑞稀は部屋に帰り、ベッドに倒れ込んだ。
 微かに晴人の香りがし、不安な気持ちが薄れ、涙が溢れる。

 時計の針は午後10時を回ったあたり。

「瑞稀くんはゆっくりしてて。もう10時を過ぎてるし、さすがに懇親会も終わってると思うの。その時に晴人さんに連絡入れるね。私はリビングにいるから、何かあったら電話してね」

 そう言って、かすみが瑞稀のそばから離れようとすると、

「晴人さんには…言わないで…」

 かすみの服の裾を引っ張る。

「かすみさん…、僕、一人で大丈夫です…」

「でも…」

「ご迷惑をおかけして…すみません…」

 瑞稀は重い体を起こそうとすると、かすみが慌てて瑞稀をベッドに寝かせた。

「今の瑞稀君は心細いし大丈夫なわけない。私、迷惑だなんて思ってないわ」

 息の上がる瑞稀の頭を、かすみは優しく撫でる。

「それにね、恋人がヒートで苦しんでるのに、自分だけ知らなかったら、晴人さん『自分は頼ってもらえないんだ』って悲しいと思うわよ。瑞稀くんが辛い時、一番に頼ってもらいたいのは、晴人さん自身なんじゃないかな?」

「…」

「私から晴人さんに連絡入れておくから、瑞稀くんは自分が一番落ち着けるようにしていてね」

 かすみはわざとクローゼットを開け電気を消すと、部屋から出ていった。

 かすみが出て行った部屋の中は、窓から入る外の灯りのみで薄暗い。
 開けられたクローゼットからは、晴人の香りがする。
 
晴人さんの香に、包まれたい…。

 瑞稀は誘われるように、クローゼットに向かうと、晴人の服を手当たり次第出し、ベッドの上に山のように積んだ晴人の服の中に埋もれた。

 香に包まれ安心したが、同時に晴人が恋しくなる。
 瑞稀の体はより火照りだし、お腹の奥が疼き出し、後孔からは蜜がじわりと染み出してくる。
 瑞稀は晴人のスーツやシャツを胸元でぎゅっと抱きしめ、香りを嗅ぐ。
 今すぐにでも抱きしめてもらいたくて、触れて欲しくてたまらない。
 でも晴人はそばにいない。
 ヒートで疼く身体よりも、晴人と離れ離れになっていることが、悲しい。

晴人さんの温もりと香に包まれたい。
そばにいて欲しい。

 気持ちは寂しくて悲しくて涙が溢れるのに、身体は本能に逆らえず発情する。
 ヒートだから抱きしめてもらいたいわけじゃない。
 不安なこの気持ちを癒せしてくれるのは、晴人の優しさだけ…。
 部屋中に瑞稀の香りが充満し、瑞稀自身もその香りに飲み込まれそうだ。

 時間ばかりが過ぎていき、もう身体の奥からの欲求に促されるまま、晴人の香りが残る衣服に包まれようと、瑞稀から自分の服を脱ぎ捨てた。
 うつ伏せになり腰を高く上ると、後孔に指を入れる。
 すでに蕩けた後孔からは蜜が流れ、中を弄る瑞稀の太ももへと伝う。
 くちゅくちゅとかき混ぜる音がすると、気持ちいいはずなのに、悲しさが増してくる。

晴人さん…晴人さん…。

 心の中で呼び続ける。

寂しい。そばにいて…。

 そう思うのに、自ら前立腺弱いところを押し続けてしまう。
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