『手紙を書いて、君に送るよ』  

葉月

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別れ ①

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晶は神谷の家へ行き部屋に通されると、唐突にある事を神谷に告げた。



「え……………?」

神谷は晶からの言葉が信じられないと、目を見開き……

「なんでなんだよ‼︎」
神谷は悲しみの表情になり、そしてすぐ怒りに震える。

「別れてくださいって言ったんです…」
晶の冷たい声が静かに部屋に響く。

「だから、なんで⁉︎⁉︎意味わかんねー‼︎」
神谷は晶の両肩に掴みかかる。
「俺…好きな人がいるんです」
「!!!!誰だよそれ!!!!」
晶の両肩を掴む神谷の手に力が入る。
「俺、先輩が記憶を失う前から好きな人がいるんです。でも、その人、他に好きな人がいて、俺の方は見てくれないって知ってるんです」

ですよね、先輩。

「そいつと俺たちが別れるのと、どう関係があるんだよ‼︎」
神谷の怒りは収まらない。
「もう、辛いんです。先輩に嘘つくのが…。だから、終わりにしたい。それだけです」
「納得いかねー」
「先輩に納得いってもらおうとは思ってません」
晶の声はいつまでも冷たい。
「じゃあ…」
神谷が何か言いかける。

ごめんなさい、先輩。
俺、今から酷いこと言います。
先輩の好意を無駄にする、一言を…

「俺、先輩からお礼貰ってませんよね」
「え?」
神谷は晶の言葉にきょをつかれる。
「そのお礼、今いただきたいんです」
「はぁ?」
神谷は眉間をよせ、怒りが爆発しそうだ。
「先輩からのお礼です。俺と別れてください」
「晶‼︎お前‼︎」
バンっと神谷が晶をベットに押し倒した。
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