『手紙を書いて、君に送るよ』  

葉月

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重なり合う ①

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「…んっ……ん……はぁっ……っん……」

ベットで向かい合うよう晶と神谷は座わる。
そして神谷は晶の唇を、
口内を、むさぶるように舐め、舌を絡め取る。

息ができなくなった晶が唇を離そうとすると、それを阻止するかのように、神谷が晶の頭の後ろに回した掌で押さえこむ。

息ができないからか、
神谷の濃厚なキスが頭を痺れさせるからか、頭が真っ白になり、身体の力が抜け、
晶は全てを神谷に預けるかたちとなっていた。

気持ちいい…
先輩、好き……
好きです、先輩……

晶の口から気持ちが、溢れそうになる。

ダメだ。
言ってしまったら、後戻り出来なくなる。
でも、これ以上の後戻りってなんだ?
本当は戻りたくないんだろ?
俺は………。

晶は力を振り絞り、ぐっと神谷を押しのける。

「先…、輩……。好き…です…」

言ってしまった…
言ってしまった…
言いたかった言葉。

もういい、
後戻り出来なくても。
壊れてしまいたい…
俺の心も身体も…
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