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焼肉定食
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「先輩、お腹空きません?」
ホラー映画を観たからか、晶のお腹の減りはマックスだ。
「空いたな…。松原は何食べたい?」
「焼肉」
「え⁉︎あんなホラー観た後に、肉、食えるの?」
今度は神谷が信じられないと晶を見る。
「それとこれとは、話が別です。とにかくお腹に何か入れたいです。でないと倒れそうです」
「え⁉︎まじで⁉︎」
神谷は大急ぎでスマホを取り出し、ランチをしている焼肉屋を探し出すと、
「行くぞ!」
晶の手を引いて走り出した。
神谷が探し出した焼肉定食がある店は、近くに大学があるからだろうか、2人が頼んだ『スタミナ焼肉定食』の量は凄まじかった。
山盛りライスはに味噌汁はおかわり自由。
肉も添えられているキャベツの千切りも山盛りすぎて、皿から溢れそう。
「先に言っておきますけど、これはあげませんからね」
晶が神谷を威嚇する。
「食べねーよ。ご飯だっておかわり自由って言ってたし」
「じゃあ安心して…、いただきます」
手を合わせて晶が食べ出すが、神谷は
「先輩は食べないんですか?」
食べている晶の方を見て、微笑んでいる。
「美味しいですよ、本当に。食べたい物食べれるって、幸せですよね」
幸せそうに食べる晶を神谷は見つめ、
「俺たちってさ、あの日の前もこうやってたべてたのか?」
今度は少し寂しそうな目で晶を見た。
楽しかったですよ。
先輩がいて、
薫がいて、
俺がいて…。
「そうですね。ここに薫もいて。でも、今も楽しいですよ、先輩と一緒なんで」
そういうと、晶はまた一口肉を口に運んだ。
「そっか…。やっぱり3人か…」
神谷は少し寂しげに目を伏せてから
「いただきます」
一瞬何かを飲み込んだように見えたが、何事もなかったかのように食べ始めた。
ホラー映画を観たからか、晶のお腹の減りはマックスだ。
「空いたな…。松原は何食べたい?」
「焼肉」
「え⁉︎あんなホラー観た後に、肉、食えるの?」
今度は神谷が信じられないと晶を見る。
「それとこれとは、話が別です。とにかくお腹に何か入れたいです。でないと倒れそうです」
「え⁉︎まじで⁉︎」
神谷は大急ぎでスマホを取り出し、ランチをしている焼肉屋を探し出すと、
「行くぞ!」
晶の手を引いて走り出した。
神谷が探し出した焼肉定食がある店は、近くに大学があるからだろうか、2人が頼んだ『スタミナ焼肉定食』の量は凄まじかった。
山盛りライスはに味噌汁はおかわり自由。
肉も添えられているキャベツの千切りも山盛りすぎて、皿から溢れそう。
「先に言っておきますけど、これはあげませんからね」
晶が神谷を威嚇する。
「食べねーよ。ご飯だっておかわり自由って言ってたし」
「じゃあ安心して…、いただきます」
手を合わせて晶が食べ出すが、神谷は
「先輩は食べないんですか?」
食べている晶の方を見て、微笑んでいる。
「美味しいですよ、本当に。食べたい物食べれるって、幸せですよね」
幸せそうに食べる晶を神谷は見つめ、
「俺たちってさ、あの日の前もこうやってたべてたのか?」
今度は少し寂しそうな目で晶を見た。
楽しかったですよ。
先輩がいて、
薫がいて、
俺がいて…。
「そうですね。ここに薫もいて。でも、今も楽しいですよ、先輩と一緒なんで」
そういうと、晶はまた一口肉を口に運んだ。
「そっか…。やっぱり3人か…」
神谷は少し寂しげに目を伏せてから
「いただきます」
一瞬何かを飲み込んだように見えたが、何事もなかったかのように食べ始めた。
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