俺のスパダリはギャップがすごい 〜いつも爽やかスパダリが豹変すると… 〜

葉月

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俺のスパダリはギャップがすごい ー立花蓮sideー

椿の気持ち ②

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繋がらない……

蓮は椿にコーヒーを煎れた後、ずっと真司に電話をかけていた。
だが、呼び出し音が虚しく響き、留守番電話につながるだけで、蓮が聞きたい真司の声は、携帯からは聞こえてこない。

真司を追いかけていきたいけど、どこにいるのか、わからない。
それに今、椿を1人部屋に残しても行けない……
これは、全て俺が撒いた種…
真司も椿も大事だ。
俺は一体どうすれば……

蓮が頭を抱えていると、
「ごめんなさい……」
そんな蓮の姿を見ていた椿が蓮の側にやってきた。
「椿が謝ることじゃまないよ。全部、俺のせい…。それより、椿。話きかせてくれる?」
蓮は椿と一緒にソファーに座った。


「……」
「ゆっくりでいいから、椿のタイミングで話して」
いざ、話すとなると緊張してか、黙ってしまった椿に、蓮は優しく話しかける。
「……………。お兄ちゃん、女の人のこと、どう思う?」
椿は意を決したように、話し出した。
「どうって、素敵な人も、尊敬できる人も、可愛らしい人も…、それぞれ素晴らしいところを持っている人達だと思うよ」
「それだけ?」
椿は不安そうに、聞き返す。

「椿の言いたいことはわかるよ。恋愛対象なのか?ってことだろ?」
蓮がそういうと、椿はコクンと頭を縦に振った。
「恋愛対象には見れない」
蓮はキッパリと言い切った。

昔の俺なら、この質問をされたら、あやふやに誤魔化していたと思う。
それが相手が望んでいる答えだろうから。
でも、それは相手も自分も偽ってのこと。
その嘘は、誰も幸せにしない。
ただ傷つけるだけだ。

「じゃあ、どうして私が知っているお兄ちゃんは、女の人と付き合ってたの?」
「それは……」
一瞬、蓮は言葉を詰まらせたが、椿の目をしっかり見つめて語りかけた。
「それが一番いいと思ったから。俺が男性しか好きになれないのは、いっときの気の迷いで、本当は他の人と同じ、異性を好きになるべきだって、自分に言い聞かせていた」
「…」
「現に付き合っていた彼女の事は好きだったし、可愛いと思った。守ってあげたいとも思った」
「じゃあ……」
「でもそれは、友達として。どんなに一緒にいても『友達としての好き』から『恋愛の好き』には変わらなかった…。彼女との気持ちの差が、どうしても埋まらなかったんだ」
「…」
「そんな気持ちは相手に伝わるよね。だから毎回『蓮はいつも私と違う方向を向いてる…』って言われて、振られてた」
「…」
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