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俺のスパダリはギャップがすごい ー立花蓮sideー

真司と蓮の同棲生活 ①

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もうすぐ完成してしまう…


真司の住んでいるマンションの工事終了までの日にちが近づくにつれ、真司との生活が、あまりにも楽しすぎた蓮は寂しさが増していっていた。

そして残りあと1日。

せっかく一緒に住めて、真司との時間が増えてきてたのに、また別々に暮らしたら一緒にいれる時間が減ってしまう…
一緒に朝ごはん食べたり、ネット配信のドラマを観たり、お風呂に入ったり…
何よりも、真司の腕の中で眠れるのは、本当に幸せな気分にさせてくれる。
毎日元気をもらえてたし、家に真司がいるってだけで、なんでも頑張れた。
一度、一緒に暮らすと、もう元の生活には戻れない…

寝室で荷造りを始めている真司の背中を見ていると、余計に寂しさが増す。

「真司、何してるんだ?」
部屋の片付けをしている真司に蓮が声をかけた。
「マンションの工事、明日で終わるから今のうちに荷物まとめておこうと思って」
荷造りをしていた真司が蓮の問いかけに一旦手を止めた。

段ボールに詰め込まれた真司の服や鞄。
そして、今まで真司が使っていたクローゼットには、真司の服が無くなった分、スペースが空いている。

寂しい…
このまま、真司が帰っていってしまうなんて…
………。
やっぱり、どうしても一緒にいたい!
こんな事言ったら、真司は困るかもしれないけど、聞くだけ聞いてみよう‼︎

「実はその事なんだけど…」
蓮は何か言いにくそうに話をきりだした。
「ん?」

「……真司…一緒に暮らさないか?」
蓮が提案すると、
「え⁉︎」
真司は心底驚い様子だ。

やっぱり嫌だったかな?
自分の部屋の方がよかったな…
でも、
それでも……
あ‼︎

「だって、ほら。今からマンションに帰ったって、また家具とか電化製品とか、一から買い直さなきゃいけないだろ。でも、ここだと全部揃ってるし…食事だって俺が作る。…それよりなにより…」
「なにより?」
「俺が真司と一緒に暮らしたい」
恥ずかしそうに蓮が呟く。

もともと真司は必要最低限のものしか持っておらず、しかも今回の水漏れでほとんどのものが使えなくなっていた為、蓮の家に運ぶ真司のものは衣服以外殆どなかった。


「真司、この後一緒に住むのに必要なもの買いに行こう」
一緒に昼食の片付けをしながら、蓮は真司を買い物に誘う。
「だって色々揃えないと。服とか…」
「もうあるよ」
「真司の食器とかお箸とか」
「今あるのでいいよ」
「でも…」

同棲記念が欲しいな~。
でも真司は服も食器もお箸も今あるのでいいって、言ってるし…
他になにかあるかな?
それとも、この前みたいに、デートに行きたいって言ったら、真司はどういうだろう?

蓮は必要そうなものを頭の中で賢明に探す。
「あ、あれは買いに行かないと」
真司は買いに行かないといけなものを思い出したようだ。
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