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俺のスパダリはギャップがすごい ー立花蓮sideー

後悔 ⑤

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「真司、今日、林さんが言ってた事なんだけど…」
蓮は真司が料理を食べ終わり、食器を片付けて始めたのを見計らって、話を切り出した。
「…」
ぴたっと真司の動きが止まる。
「あれは…」

決して真司の事を隠そうとしたわけではなくて、
ゲイと付き合ってると知られたら、真司を見る周りの目が変わるかもしれない…
そう思ったから……

そう蓮が言おうとしたとき、
「いいよ、気にしてないから」
蓮の言葉を真司が遮るように言った。
「でも…俺、真司に酷いことした…」
蓮が俯く。
「どうして?蓮は何も悪いことしてないし、俺はされてないよ」
「…」

いや、俺は真司を傷つけた。
それはどうやっても変えられない事実で…

俯いたままの蓮は、強く拳を握りしめている。
「蓮…俺は蓮が好きだ。だから、周りになんて言われようと一緒にいたいし、昔、何があったなんて気にしない」
真司は蓮を抱きしめる。
抱きしめられた真司から、真司の心臓の音が聞こえた。
心地よい心音。
蓮は心まで真司に抱きしめられてるかのようだった。

真司に抱きしめられたまま、蓮が真司を見上げた。
「真司に隠し事はしないと言っておきながら、あんな事をして…もう真司と一緒に居れないかと思ってた…許してもらえるとは思ってないけど、俺も真司と一緒にいたい」
蓮の頬に涙がつたうのを、真司が指で拭う。
先ほどまで蓮の目に浮かんでいた不安な色は消えていた。
蓮の瞳は涙が浮かんだままだったが、表情は嬉しそうに笑っていた。

幸せってこういうことなんだ。
本当は身近にあって、それを大切に大切に育てていかないとダメなんだ。
俺はそれを1人じゃなくて、真司と一緒に育てていきたい。

蓮は心から、そう思うのだった。


あの後、真司は断ったのだが、蓮がどうしてもというので、たわいもない話を笑い合いながら二人で食器を洗った。



「本当は蓮が来てくれた時用に、あの店のコーヒー豆用意しておくつもりだったんだけどできてなくて…インスタントでごめん」
真司は少し申し訳なさそうに入れたてのインスタントコーヒーを蓮に手渡すと、
「ありがとう。いただくよ」
嬉しそうに蓮はコーヒーを受け取り飲んだ。

どんなコーヒーより、真司が淹れてくれたコーヒーが一番美味しい。
コーヒー好きが真司と一緒で本当によかった。
珍しく蓮がにやけそうになる。

「コーヒー飲んだら、お風呂入ってくる?パジャマは…俺のだから蓮には小さいかもだけど…今度、蓮のお泊りセット買いに行こう」

え‼︎
お泊りセットって…
それって、これからもお互いの家に泊まり合うってこと⁉︎
真司と俺の部屋で会うのも楽しいけど、こうして真司の部屋で過ごすのも、すごく新鮮で真司をより近くに感じられて本当に嬉しい。

嬉しさで蓮の目がキラキラ輝く。

「明日、二人とも休みだから、真司のお泊まりセットも一緒に買おう。初デートだな」

これは初デート‼︎
早く買いに行きたい!
本心を言えば、今すぐにでも行きたい!
でも、そこはぐっと堪えなければ!
本当に本当に2人とも明日が休みで、よかった!
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