133 / 217
俺のスパダリはギャップがすごい ー立花蓮sideー
後悔 ④
しおりを挟む
ここが真司の部屋……
真司に連れられてきたマンションは駅近の1DK。部屋に入るとマンションで必要最低限の物しか置いていないかった。
真司曰く、この部屋に決めたのは
『駅近で仕事場からも近い、家賃が安く、大家さんが親切だったから』
だった。
「蓮、適当にその辺座ってて、今からチャーハン炒めるから」
さっきコンビニで買ったビールを冷蔵庫にしまいながら、真司は蓮を促す。
「俺も手伝える事ない⁇」
鞄を置いた蓮が真司の方に近づく。
「いいよ今日は。初めて蓮が家にきてくれた日に手伝わせられないよ」
そう言いながらフライパンを振る真司の後ろ姿は、とても頼もしかった。
チャーハンができると真司は蓮のスーツの上着を預かり、きちんとハンガーにかけてくれる。
真司の一つ一つの行動が、蓮の不安な気持ちをほぐしていってくれているようだった。
もしも、こんな時間が続くなら…
もしも……
「一緒に住んでたら、こんな感じなのかな…」
そんな事を思いながら蓮が無意識に呟く。
そんな日が来ればいいのに……
真司が作ってくれたチャーハンを見ていると…
「え⁉︎」
真司が驚いて目を見開いている真司の姿が。
え?
俺何か変な事、言ったっけ?
蓮は一瞬ぽかんとした表情をした。
確か、一緒に住んでたら、こんな感じなのかな…。
そんな日が来ればいいのに……
って思って………。
………。
もしかして、これ、口に出して言ってた⁉︎
状況を把握したのか、顔を真っ赤にして、
「ごめん‼︎なんでもない…いただきます」
慌ててチャーハンを口に運んだ。
はじめての真司の手作り。
チャーハン自体、凄くおいしいけど、それ以上に優しい味がする。
「真司、チャーハン美味しい」
蓮の持つスプーンは止まることなく口に運ばれていく。
「蓮の料理にはかなわないよ…あ、そうだ。蓮、今日泊まって行くだろ?」
「‼︎」
真司がさも当たり前のように何気なく言った言葉を聞いた蓮は驚き、目を見開いた。
「…俺…真司の家に、泊まっていって…いいの?」
本当に?
「うん」
「朝まで一緒にいていいのか?」
朝まで…
「蓮さえよければ」
真司が優しく微笑む。
「…一緒にいたい…」
真司と今夜も共に過ごせると思うと、蓮の目には少し涙が溜まった。
真司はいつも、俺をまっすぐ見てくれる。
はじめて会った時から変わらず、誠実でいてくれる。
だから、俺もそうあるべきだ。
真司ときちんと向き合って、真実を言うべき。
一人でくよくよ考えてばかりじゃなくて、真司をもっと信じるべき。
だって、こんなに真司は俺のことを大切にしてくれる…
だから……
真司に連れられてきたマンションは駅近の1DK。部屋に入るとマンションで必要最低限の物しか置いていないかった。
真司曰く、この部屋に決めたのは
『駅近で仕事場からも近い、家賃が安く、大家さんが親切だったから』
だった。
「蓮、適当にその辺座ってて、今からチャーハン炒めるから」
さっきコンビニで買ったビールを冷蔵庫にしまいながら、真司は蓮を促す。
「俺も手伝える事ない⁇」
鞄を置いた蓮が真司の方に近づく。
「いいよ今日は。初めて蓮が家にきてくれた日に手伝わせられないよ」
そう言いながらフライパンを振る真司の後ろ姿は、とても頼もしかった。
チャーハンができると真司は蓮のスーツの上着を預かり、きちんとハンガーにかけてくれる。
真司の一つ一つの行動が、蓮の不安な気持ちをほぐしていってくれているようだった。
もしも、こんな時間が続くなら…
もしも……
「一緒に住んでたら、こんな感じなのかな…」
そんな事を思いながら蓮が無意識に呟く。
そんな日が来ればいいのに……
真司が作ってくれたチャーハンを見ていると…
「え⁉︎」
真司が驚いて目を見開いている真司の姿が。
え?
俺何か変な事、言ったっけ?
蓮は一瞬ぽかんとした表情をした。
確か、一緒に住んでたら、こんな感じなのかな…。
そんな日が来ればいいのに……
って思って………。
………。
もしかして、これ、口に出して言ってた⁉︎
状況を把握したのか、顔を真っ赤にして、
「ごめん‼︎なんでもない…いただきます」
慌ててチャーハンを口に運んだ。
はじめての真司の手作り。
チャーハン自体、凄くおいしいけど、それ以上に優しい味がする。
「真司、チャーハン美味しい」
蓮の持つスプーンは止まることなく口に運ばれていく。
「蓮の料理にはかなわないよ…あ、そうだ。蓮、今日泊まって行くだろ?」
「‼︎」
真司がさも当たり前のように何気なく言った言葉を聞いた蓮は驚き、目を見開いた。
「…俺…真司の家に、泊まっていって…いいの?」
本当に?
「うん」
「朝まで一緒にいていいのか?」
朝まで…
「蓮さえよければ」
真司が優しく微笑む。
「…一緒にいたい…」
真司と今夜も共に過ごせると思うと、蓮の目には少し涙が溜まった。
真司はいつも、俺をまっすぐ見てくれる。
はじめて会った時から変わらず、誠実でいてくれる。
だから、俺もそうあるべきだ。
真司ときちんと向き合って、真実を言うべき。
一人でくよくよ考えてばかりじゃなくて、真司をもっと信じるべき。
だって、こんなに真司は俺のことを大切にしてくれる…
だから……
0
お気に入りに追加
502
あなたにおすすめの小説
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
【BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり
イミヅカ
ファンタジー
ここは、剣と魔法の異世界グリム。
……その大陸の真ん中らへんにある、荒野広がるだけの平和なスラガン地方。
近辺の大都市に新しい冒険者ギルド本部が出来たことで、辺境の町バッファロー冒険者ギルド支部は無名のままどんどん寂れていった。
そんな所に見習い冒険者のナガレという青年が足を踏み入れる。
無名なナガレと崖っぷちのギルド。おまけに巨悪の陰謀がスラガン地方を襲う。ナガレと仲間たちを待ち受けている物とは……?
チートスキルも最強ヒロインも女神の加護も何もナシ⁉︎ ハーレムなんて夢のまた夢、無双もできない弱小冒険者たちの成長ストーリー!
努力と友情で、逆境跳ね除け成り上がれ!
(この小説では数字が漢字表記になっています。縦読みで読んでいただけると幸いです!)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
ちょろぽよくんはお友達が欲しい
日月ゆの
BL
ふわふわ栗毛色の髪にどんぐりお目々に小さいお鼻と小さいお口。
おまけに性格は皆が心配になるほどぽよぽよしている。
詩音くん。
「えっ?僕とお友達になってくれるのぉ?」
「えへっ!うれしいっ!」
『黒もじゃアフロに瓶底メガネ』と明らかなアンチ系転入生と隣の席になったちょろぽよくんのお友達いっぱいつくりたい高校生活はどうなる?!
「いや……、俺はちょろくねぇよ?ケツの穴なんか掘らせる訳ないだろ。こんなくそガキ共によ!」
表紙はPicrewの「こあくまめーかー😈2nd」で作成しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる