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俺のスパダリはギャップがすごい ー立花蓮sideー

後悔 ②

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「もしもし…」

今度は着信が切れたアナウンスは聞こえない。

よかった。
真司、電話取ってくれたんだ。

「真司、今大丈夫?」

蓮は震えそうになる声を必死に隠す。

『…ああ。家だよ。蓮は店?』

電話の向こうで、いつもより硬くなったような真司の声がした。

「店。でも、もうすぐ帰るよ」
『まだ早いのに、大丈夫なのか?二軒目とかあるんじゃないか?』
「断ったから大丈夫…」

真司に林さん達から聞いたことを、きちんと話さないと…

「真司、今日、大山君と林さんに会ったって聞いたんだけど…」
一瞬、間があって、
『……。あったよ。いい人達だね』
いたって普通に装う真司の声が聞こえた。

やっぱり真司、傷ついてる……
真司に会わないと、
会って真司に謝りたい。

「うん……。真司、今から会えない?」

もう会わないって言われたら?

『‼︎でも今日は…』

!!!!

電話口から聞こえた真司の答えに蓮は固まった。

もう…………
もう、俺には会いたくない?
俺があんな嘘をついたばかりに、真司を傷つけてしまった……

蓮の視界は涙で歪んで見える。

真司、ごめん…
俺……

蓮が電話からでも謝ろうとした時、

『会おう。今から蓮の家に行くから、気をつけて帰ってきて』
真司の優しい声が聞こえてきた。

真司、こんな俺なのに会ってくれるのか?
でも、もしかしたら別れ話かもしれない。
そうなった時、真司を笑顔で見送ることなんて出来ない。
最後ぐらい笑顔で真司の前からいなくなりたい。
だったら最後のお願いだ……。

「今日は俺が真司の家に行きたいんだけど、行かせてくれる⁇」
『…』
真司が言葉を詰まらせたのが蓮にはわかった。

やっぱり…ダメか……。

『いいよ。俺の家で会おう。俺の家、食べ物何にもないくて…チャーハン作っておくから、あとは惣菜でもいい?』

‼︎

真司の答えに、蓮は驚く。

真司の手作り料理、
食べられるの最後になるのかな?
それでも俺のために作ってくれる。
それが嬉しい。

「真司のチャーハン食べられるの嬉しいよ。ありがとう」
『電車に乗る前電話くれる?蓮が駅に着くぐらいに迎えに行くよ』

こんな時まで優しいなんて…

「ありがとう、真司…愛してる」

蓮は心からそう思った。

『俺も愛してるよ…蓮』

!!

真司から発せられた言葉は、蓮の心を暖かくした。
それは、もしかしたら嘘かもしれないと思ってしまっても……


お互い後で会おうと電話を切り、蓮は覚悟を決めて駅へ向かった。
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